宮内悠介

宮内悠介（みやうち ゆうすけ）とは、日本の小説家。

概要

1979年東京生まれ。幼少期はニューヨークに住んでいた。早稲田大学卒で、ワセダミステリクラブ出身。大学卒業後は世界各地を放浪したあと、麻雀のプロ試験に補欠合格し、プログラマーになる。

2010年、短編「盤上の夜」で創元SF短編賞の山田正紀賞を受賞しデビュー。2012年、盤上遊戯テーマのSF短編をまとめた連作短編集『盤上の夜』が刊行されると、デビュー作かつSFでありながらいきなり直木賞候補になり（直木賞ではSFは滅多に候補にならない）、日本SF大賞を受賞。続く第2作品集『ヨハネスブルグの天使たち』も直木賞候補になり、日本SF大賞特別賞を受賞。大型新人としてSFの枠を超えた注目を集める。

以降、SF、ミステリから純文学までジャンルを横断して作品を発表。2016年には「カブールの園」で芥川賞候補になり、2017年には『彼女がエスパーだったころ』で吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で三島由紀夫賞を受賞。大衆小説の賞である吉川新人賞と、純文学の賞である三島賞を両方獲ったのは史上初。2020年には『遠い他国でひょんと死ぬるや』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。じゃあSFを離れて一般小説に行ったのかと言えば全然そんなことはなく、2018年には『あとは野となれ大和撫子』で星雲賞日本長編部門を受賞している。

単に作風が多彩な作家、エンタメと純文学の境界にいる作家というだけなら珍しくないが、ここまでジャンルを横断して高く評価されるのは希有。一冊ごとに全然作風が違うので、あらすじなどをチェックして興味をひかれた作品から読んでみるのがいいだろう。

作品リスト

1. 盤上の夜 （2012年、東京創元社→2014年、創元SF文庫）
2. ヨハネスブルグの天使たち （2013年、ハヤカワSFシリーズJコレクション→2015年、ハヤカワ文庫JA）
3. エクソダス症候群 （2015年、東京創元社→2017年、創元SF文庫）
4. アメリカ最後の実験 （2016年、新潮社→2018年、新潮文庫）
5. 彼女がエスパーだったころ （2016年、講談社→2018年、講談社文庫）
6. スペース金融道 （2016年、河出書房新社）
7. 月と太陽の盤 碁盤師・吉井利仙の事件簿 （2016年、光文社→2019年、光文社文庫）
8. カブールの園 （2017年、文藝春秋→2020年、文春文庫）
9. あとは野となれ大和撫子 （2017年、KADOKAWA）
10. ディレイ・エフェクト （2018年、文藝春秋）
11. 超動く家にて （2018年、東京創元社）
12. 偶然の聖地 （2019年、講談社）
13. 遠い他国でひょんと死ぬるや （2019年、祥伝社）
14. 黄色い夜 （2020年、集英社）

関連商品

関連項目

• 小説家の一覧
• SF / 純文学
• 日本SF大賞 / 吉川英治文学新人賞 / 三島由紀夫賞 / 星雲賞 / 芸術選奨 - 受賞した賞
• 直木賞 / 芥川賞 / 山本周五郎賞 - 候補になった賞
• 藤井太洋 - 同じSE出身のSF作家ということでよく一緒にインタビューされたりしている。