大山誠一郎(おおやま せいいちろう)とは、日本の推理小説家。
1971年埼玉県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。当時はちょうど新本格ミステリが勃興してすぐの頃で、京大推理研に憧れて京大に入ったのだそうである。京大推理研では2期上に麻耶雄嵩がいた。
2002年、当時ミステリを中心に電子書籍での小説配信を先駆的にやっていた「e-NOVELS」にて、短編「彼女がペイシェンスを殺すはずがない」を発表し注目を集める(ちなみに未だに単著には未収録)。
続いて2003年、公募アンソロジーの『新・本格推理03 りら荘の相続人』に「聖ディオニシウスのパズル」が収録される(こっちも未だに単著未収録)。[1]
2004年、『アルファベット・パズラーズ』で東京創元社のミステリ・フロンティアから単行本デビュー。
2013年、『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。2016年・2017年には『赤い博物館』が松下由樹主演で2時間ドラマ化。2018年には『アリバイ崩し承ります』で「本格ミステリ・ベスト10」1位に輝き、2020年に浜辺美波主演で連続ドラマ化された。
2019年末に小島秀夫がTwitterで『アルファベット・パズラーズ』を絶賛し、初版ポッキリで品切れしていた同作の創元推理文庫版が監督コメント帯つきで大増刷されたなんて一幕も。
2022年、短編「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」(『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』収録)で第75回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
単行本デビューから数えても20年近くで著書はたった8冊、長編はそのうち1冊きりという寡作だが、論理性と意外性とを両立したゴリゴリの本格ミステリの書き手として業界内での評価は非常に高く、2020年までの著書6冊は全て「本格ミステリ・ベスト10」でトップ10入り。8作のうち4作で本格ミステリ大賞候補になっている。
その一方、意外性を演出するために作中で「偶然」を多用する傾向があり、マニアの間ではその点がかなり賛否両論。論理性とその飛躍が売りの作風だけに論理の粗を指摘されやすい面もある。
ちなみに唯一の長編『仮面幻双曲』が文庫まで17年もかかったのは、単行本版では作中にかなり大きな論理の破綻があり、全面改稿の時間がなかなか取れなかったためとのこと。
『密室蒐集家』は密室ものオンリー、『アリバイ崩し承ります』は今どき珍しいアリバイ崩しものオンリーと、短編集はどれも何らかの形でコンセプトを統一した連作になっているので、好みのコンセプトの作品から手に取ってみるのがいいだろう。
小説以外では、2010年のゲーム『TRICK×LOGIC』にシナリオで参加した推理作家のひとり。Season1の「切断された五つの首」と、Season2の「目の壁の密室」を担当している。
また、デビュー前には翻訳家として海外ミステリの訳書が2冊出ている(エドマンド・クリスピン『永久の別れのために』と、ニコラス・ブレイク『死の殻』)。
作品名 | このミス | 週刊文春 | 本格ベスト10 | ミス読み |
---|---|---|---|---|
アルファベット・パズラーズ | 圏外 | 圏外 | 2005年版8位 | --- |
仮面幻双曲 | 圏外 | 圏外 | 2007年版10位 | --- |
密室蒐集家 | 圏外 | 圏外 | 2013年版2位 | 2014年版15位 |
赤い博物館 | 2016年版19位 | 2015年13位 | 2016年版6位 | 圏外 |
アリバイ崩し承ります | 2019年版15位 | 2018年11位 | 2019年版1位 | 圏外 |
ワトソン力 | 圏外 | 2020年8位 | 2021年版6位 | 圏外 |
記憶の中の誘拐 | 圏外 | 圏外 | 2023年版17位 | 圏外 |
時計屋探偵の冒険 | 圏外 | 圏外 | 2023年版22位 | 圏外 |
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最終更新:2024/11/08(金) 12:00
最終更新:2024/11/08(金) 11:00
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