ヤサカ・マオとは、ガンダムビルドファイターズの登場人物である。
概要
京都府出身のガンプラビルダーで、第7回ガンプラバトル選手権世界大会日本第5ブロック代表。
ガンプラ心形流(しんぎょうりゅう)造形術の門下生であり、若干12歳ながら時期後継者との呼び声も高い実力者。
トレードマークはXマーク付きの黄色い帽子で、京言葉で話す糸目の少年。
使用ガンプラはガンダムX魔王。決めポーズは心形流ダブルピース。
キャラクターが発表された当時から、男とも女ともとれる名前や華奢な容姿から、性別がどちらかなのかごく一部で熱い論争が交わされてた。
声優が発表されて実際に本編で初登場したときも、どちらかはっきり確定したわけではなかったため論争が続いたが、第7話にて旅館の若女将であるミサキに惚れてる描写から男と確定。5話の時点で中の人が男だとつぶやいてたけどね。長きにわたる論争に一応の決着がついた。
ちなみに中の人によると、「セイくんよりかわいくなるように!中性的に!」というオーダーが入っていたようだ。
つまり公式が病気。知ってたけど。
細身で飄々とした見た目をしているが、そんな外見とは裏腹に熱い闘志を心に秘めている、自称「世界一のガンプラビルダーになる男」。 師匠の珍庵から第2回大会準優勝者タケシとその息子であるセイの噂を聞き、単身ヒッチハイクで(お金も持たずガンプラのキットを持って)京都から東京に向かうという無謀ともいえるほど高い行動力も持つ。
ガンプラビルダーとしての強い自信を持っており、セイに会いに行った理由もビルダーとしてどちらが上かを確かめるためである。 実際ビルダーとして世界トップレベルの腕を持っており、ユウキ・タツヤを始め周囲から高い評価を受けていたセイ自身も、その実力はマオの方が上であったと認めている。
また、ビルドストライクを一目見ただけでブースターのギミックに気づくなど、観察眼も非常に鋭い。
セイとは脳内ガンプラバトルを通じでお互いを認め合い、歳が近いこともあってか良き友人兼ライバルとなった。
マオ曰く、「終生のライバル」。
イタリア代表リカルド・フェリーニに対する評価は『幻滅や…』の一言に尽きる。
ビルダーとしてだけではなく、ファイターとしての腕前も確かで、世界大会初出場ながら全勝で決勝本選へと勝ち進んでいる。そもそも愛機であるX魔王のずば抜けた火力は並のファイターでは扱いきれず、マオの操縦があってはじめて真価を発揮するという代物である。さすが魔王。
地区ブロック優勝賞品の副賞として訪れた旅館「竹屋」において、若女将ミサキに一目ぼれ。彼女のために旅館の手伝いや修繕を無償で自分から手伝うなど、恋愛に関しては非常に積極的。その姿は彼の愛機や脳内ガンプラで披露したコスプレイメージと相まってどこかガロードを彷彿とさせる。(余談だが、旅館の修繕の際、鼻歌でX前期主題歌である「DREAMS」を口ずさんでいた。)
そのミサキからは当初ヤサカさんと呼ばれていたが、最終的にはマオくんと呼ばれるようになり、世界大会本選には単身応援に駆け付けてくれるなど順調に仲は進展していっている。
しかしガロードと違って心の形をありのままに表現しすぎた結果、ミサキとの初デートでいきなりルパンダイブをかますという暴走をしでかし、思いっきり頬をひっぱたかれてしまった。こういう時、あわてた方が負けなのである。
その行動はレイジにすらデリカシーがなさすぎとバッサリ切り捨てられたが、ミサキのリアクション的には脈がないわけではなさそうだ。
ガンダムキャラの中で一番好きなのはエマ・シーン。外見のみではなく、内面の芯の強さにもほれ込んでいるそうな。 お姉さんタイプが好きなのだろうか。
メインであるガンダムX魔王のほか、幼少期にはSガンダムを使用しており、2期OPではさらにフルアーマーZZ、V2バスター、ヴァーチェを組み立てていた(箱状態でGP02も)。どうやら高火力系統が好みの様子。
とはいえやはり一番のお気に入りはXらしく、自室にはXのポスターがたくさん貼られていた。
ちなみに、担当声優である藤井美波氏はこの役で抜擢された新人。
本人曰く「ガンダムパイロットの声優になりたいという夢が叶った」とのことで、マオに対する愛着もひときわ強い模様。
実力派の声優が揃うガンダムビルドファイターズであるが、その中でも遜色の無いレベルの役作りと演技力とツイッターのつぶやきで視聴者を楽しませてくれている。
サンライズパース決めるたびにめちゃくちゃはしゃぐくらいマオとX魔王に入れ込んでいるので、興味のある方はぜひツイッターを覗いてみてほしい。
ついでに上記の鼻歌は当人のアドリブだったという。いいぞもっとやれ。
ガンプラ心形流
ガンダム心形流は、「自分で経験したものを糧に、自分自身で見つけた想像力と独創性をもってイメージを膨らませ、心の中に浮かんだ理想を形にすること」を流儀としている。
ぶっちゃけて言えば「ぼくのかんがえたさいきょうのガンプラをイメージ通りに作り上げること」であり、ガンプラを改造するにあたって最も基礎的で、最も難しいことでもある。
ガンプラを改造する技術もさることながら、より柔軟で独創性のある想像力を持つことが重要であり、師である珍庵は釣りや虫取りといった遊びにマオを付きあわせ、多くの経験をさせて想像力を磨かせていった。(マオのトレードマークである黄色い帽子は、このとき珍庵から貰っている。)
そうして磨かれたマオの想像力はガンプラ改造に発揮されるだけではなく、イメージだけでガンプラバトルができるようになるほどに達している。セイやユウキは当たり前のようにできてたけど。
また、心に描いたイメージをガンプラを通じて形にするのはバトルにおいても同様である。
目先の勝利にとらわれ心に迷いが生じたマオは珍庵との交流の末に迷いを吹っ切り、ガンプラ心形流の極意を会得。曇りなき心で決戦に挑み、セイ、レイジ達のスタービルドストライクと、まさしく竜虎相搏つと呼ぶにふさわしい激闘を繰り広げた。
ちなみに師匠の部屋には数多くの改造ガンプラが置かれていたが、これはガンダムビルドファイターズオリジナルモビルスーツ選手権受賞作品の数々である。どれもこれも非常に素晴らしい魔改造が施されているが、この道場の棚に置かれているとあまり違和感がない。不思議!
ついでにこの棚にはガンプラのみならず、歴代ガンダムの女性キャラたちのフィギュアも飾ってあった。 好きなものは好きなんだからしょうがないね。
使用ガンプラ
ガンダムX魔王
ガンダムXの改造ガンプラであり、名前は本機の絶大な火力に自分の名前(マオ)をひっかけたダブルミーニング。 ガンプラ心形流造形術を随所に用いており、プラフスキー粒子の扱いに長けた機体。
原型となったガンダムXの印象を色濃く残すが、随所にアレンジが施されている。推進力を生むリフレクターが肩や背のみならず腕や脚部にまで全身びっしりと付けられ、複雑だったL字型のサテライトキャノンの展開機構も羽を広げるだけのV字型に簡略化されている。
また、 サテライトキャノンは保持アームが増設されて可動域が広がり、肩越しのみならずサンライズ立ち腰だめの姿勢で射撃が可能。ベース機よりもさらに威力が上がっており、アプサラスⅢの大型メガ粒子砲と激突→押し返しIフィールドごと貫通、ザンネックキャノンをビームごと押し返し相手を破壊。フェニーチェのバスターライフルを無効化したガウを一撃で破壊等、凄まじい破壊力を持つ。
その他の武装はベース機に準じ、シールドバスターライフル・大型ビームソード・ブレストバルカンといった同様の構成。ハードポイントを介してガンポッドを増設する機能も残っている。シールドバスターライフルは公式で取り回しに欠点ありとされていたのだから改善してもよかったのではとか言っちゃダメ。また、大型ビームソードより威力は劣るが燃費の良い通常のビームサーベルも装備している。
この機体独自のものとして、心形流造形術の秘伝であるプラフスキー粒子を応用した機能の数々があげられる。
例として、プラフスキー粒子を圧縮させ、リフレクターから放出して敵のガンプラを吹き飛ばす機能を持っている。
そして最大の特徴は、「月が無くても(マイクロウェーブを受信せずとも)サテライトキャノンを撃てる機能」。
原作ではコロニー破壊用で対MS戦で使用するような武装では無いサテライトキャノンだが、、この機能により対MS戦闘で気軽に使用出来る汎用性を獲得、ガンプラバトルでも必中の状況を自ら作り出し、サテライトキャノンをぶっ放し問答無用で相手を倒すという、魔王の名に恥じぬ全領域型の性能となっている。
(このガンプラを見たイオリ・セイ曰く、「ガンダムXをベースにした強襲型」)
そしてついに、17話にてこの機体の謎が判明。
サテライトシステムなしにハイパーサテライトキャノンが撃てる理由、それは背部リフレクターに太陽光パネルを仕込み、ソーラーシステムを動力源として周囲の粒子を集めていたからであった。
「ガンダムXと言えば月」という、ガノタになればなるほど無意識に刷り込まれるイメージにとらわれない柔軟な想像力によるこのアイデアは、ガンプラ心形流ならではのもの。
最後の切り札はソーラーシステムとサテライトシステムを併用し、全エネルギーをビームサーベルにつぎ込んだ
「魔王剣」。太陽と月の二つの力を得た本機はリフレクターと刀身が赤く発光しており、魔王と呼ぶにふさわしい威圧感を放っていた。
機体デザインはかつてガンダムXにてベルティゴ等の敵デザインを担当した石垣純哉。 魔王のネーミングも「ガンダムとして違和感のある名前が作品を楽しむためのスイッチになれば」と同氏が考案したものである。
余談だが、第7話のリフレクター展開時の影を逆さにみると、魔王のような顔が浮かび上がっているシーンがある。
また、事あるごとに勇者シリーズ等でおなじみのサンライズパースを決めまくっている。魔王なのに勇者パースとはこれいかに。
S(スペリオル)ガンダム
マオが心形流入門前の幼少期に使用していたガンプラ。
年齢からは想像できないほどの完成度を誇り、バウンドドッグを一撃で沈めて見せた。
…でも正直本題はそこではない。
長年の間、そのあまりに線の多すぎるゴッテゴテの外観故アニメに出ることが絶望視されていた本機が、ついに数秒とはいえアニメになって動いたのである。(しかもCGではなく手書き。さらに言えばOVAや劇場版でもなんでもないただの2クールアニメの中で。スタッフ頑張りすぎだろ)
一部のガノタの忘れかけた夢を動かしたマオの功績は計り知れない。さぁ次はキングガンダム二世の番だ。
ちなみにこのSガンダム、本来なら止め絵で済ます予定だったらしい。BFスタッフの病気熱意には本当に頭が下がる。
クロスボーンガンダム魔王
23話にて、ミサキに対する失恋の意からか師匠に「邪念がある」としてイチから扱かれながら作ったガンプラ。
クロスボーンガンダムX1をベースに細かい改造点としてバックパックに初代ガンダムと同じ配置の2本のビームサーベルを搭載。身体各所にガンダムX魔王と同じくリフレクターが設けられ、ブースターの類は全てそれに置換されている。
そして独自のビーム兵器を両腰に一丁づつ装備。ビームサーベルを発振できるビームライフルで、グリップ部の角度を変えるのみでサーベル状態へと変形。砲身部分はヒート剣として扱うことができるコンパクトな万能兵器であり、クロスボーンガンダム系列のザンバスターやムラマサブラスターがより洗練された武器であるといえる。
最大のポイントはガンダムX魔王と同じくサテライトキャノンを設けていること。
その砲門の位置は胸部の大型ドクロ。全身のリフレクターが輝き、ドクロの顎の中から砲門が現れて大火力を射出するというブレストファイアーもかくやの設計であろう。
最終話ではセイたちがモックの数に圧倒されているところに颯爽と登場。
サテライトキャノンでモックの大群を一掃し、アリスタが生成したア・バオア・クーの壁面を貫通するという「戦略兵器」の真骨頂とも言える活躍を見せつけた。その後に現れた師匠とラルさんに完全に持ってかれた気もするが。
急ごしらえのユウキ・タツヤとのエキシビジョンでイオリ・セイ、レイジに武器を貸与した際は、ヒート剣かつ長身のビームサーベルとしての機能を披露していた。
余談だが最終話のクロスボーンの謎ビームのシーンは、コンテに「ブレ〇ト・アース〇スター」と書かれていたらしい。
相変わらず魔王なのに勇者とはこれいかに。
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