ワンカップP(―ピー、―プロデューサー)とはVOCALOID楽曲中心に替え歌や編曲なども手がける作曲家で、ほのぼのとした画風の絵師でもある。自称「酒で作られた敗北者」 。略称「わP(わぴー)/わぴ」、ハンマーの人(酒)、酒銭奴とも。早くから伝説のMEIKOマスターの称号を得た投稿者の一人でもある。
VOCALOID系職人では最初に●●Pと名付けられた者と言われている。(詳細後述)
2007末年時点での作品数は60タイトル、総再生数150万再生を超えており、多作の職人としても知られている。VOCALOID系職人としては数少ないP単独のランキング動画が作られた職人でもある。
ワンカップPの最新作
目次 |
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概要
総説
VOCALOIDを使用した動画作品をニコニコ動画に多数投稿し、支持されている職人の一人。ゲームのBGMを元とした替え歌”ファミうた”や名曲のカバー、オリジナルソングなどを手がける。子供っぽい声とチップチューンな音作り、乙女ちっくな歌詞が魅力的。
活動が活発だった時期の関係で「MEIKO」と「初音ミク」を扱った作品が多いが、他のVOCALOIDによる作品も徐々に増えつつある。特にMEIKOの調声技術には定評があり、「伝説のMEIKOマスター」のタグを付けられることが多い。
名古屋、大須にある「レンタルBOX アメ横」にて、オリジナルグッズを販売する「わP屋本店」がある。休養宣言後に一旦閉鎖されたが半年後に再開された。参考はこちら
2009年からユーザー生放送を行っているが2010年春ごろまでは動画配信のみだった、その後は本人がしゃべりながらWEBカメラを使ったお絵描き配信やゲーム実況、またガンダム屋など外からの放送も行うようになった(本人曰く、曲作りに行き詰った時に放送頻度が上がる模様)。
出自と名称
総説
「初音ミク」を発売前からAmazonにて予約注文するが、発売日当日を過ぎても届かない難民(konozama”このざま”組)になってしまう。そのグチをMEIKOに歌わせた動画「初音ミクが来ないのでスネています」を投稿、この動画が切っ掛けで動画職人同士の掛け合いが生まれ(初音ミクが来ない?来た?騒動)、その動画のコメントから「ワンカップP」と名付けられた。視聴者のコメントから投稿者のペンネーム(●●P、P名)が決定されるというプロセスはここから始まったと思われる。(但し、●●Pという名付けはアイドルマスター系動画で既に使用されていた)
名付けられた経緯は、『初音ミクが来ないのでまだスネています』の動画内での替え歌の歌詞の「ワンカップを一気飲み」というフレーズに対し、後に「不在通知P」と名付けられる職人が「ワンカップなんていらない」と動画内で(ネタとして)喧嘩を売った。それを見た視聴者により「ワンカップP」と呼ばれ、後にタグを追加されたことであると言われている。(『初音ミクが届いた気がしましたが』の2007年09月07日11:47 「ワンカップPの次回作に激しく期待」とのコメント)
喧嘩を売ったうちの一人だった「前日予約P」は『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』を作ったOtomania氏だったことを後に本人が明らかにした。
この騒動をきっかけにワンカップPは人気者となり、またワンカップPのニックネーム命名が切っ掛けとなってVOCALOIDを扱う職人に視聴者が動画や歌詞の内容から「●●P」というニックネームを名付けることが慣習化する事になった。
ニコニコ動画進出のきっかけ
ワンカップP本人が複数のメディア(Mixi、動画など)で語ったところによると、ニコニコ動画に進出するきっかけとなったのはあにょにゃPの「THE IDOLM@STER アイドルマスター ワンダーモモーイ by 亜美@とかち」を知人から紹介されたことだったという。その動画に衝撃を受け、その後一部では小さな話題になっていたMEIKOと出会い、現在に至るとのこと。彼のごく初期の作品にアイマスMADがあるのはこういった背景があるものと思われる。
なおASCII.jpのインタビュー(外部リンク参照)で答えたところによると、MEIKOに出会ったのは2007年8月頃、「某ゲームのオペライベントを歌わせた動画」(おそらくこちらの動画)で、視聴後即決で購入したという。
作品の傾向
総説
「あたまわるいうた」「あたまわるくないうた」の二つが大きな分類で、オリジナルとカバー、カバー形式の替え歌の三つに分けられる。 どの曲も安心して聴いていられるのが特徴。オリジナル曲では5拍子の曲を多く発表しているが、何らかのこだわりがあるのかどうかは定かではない(休業宣言後は新ジャンル:あたまかちわるうたも)。
一般的なイメージとは裏腹に、歌詞と世界観の繊細さには定評があるが、オリジナル曲(作曲部分)については本人も「自信がない」と話したことがある。曲や調声の絶対的な完成度よりも、絵や動画自体を含めた総合的な世界観を重視している作品傾向である。
「好きなスタイルでやる」と本人も公言している通り、ファンのリクエストには殆ど答えず、独自の世界観と作品傾向を保っている一方、Mixi等でファンひとりひとりとの交流を大事にする面もあるなど社交的で繊細な一面も持ち合わせている。
固定ファンが多く安定した人気があることが特徴であるが、反面一見の視聴者は付き辛い傾向が見られる。また、扱うネタが若干古い(90年以前であることもある)ことも関連してか、ファン層はニコニコ動画のメイン年齢層よりは若干高いと言われている。この傾向は日本の音楽界でいうと演歌のファン層と似たイメージがあり(固定客は多いが、新規流入が少ないため)、ニコニコ動画におけるVOCALOID大御所Pの中では異彩を放っている。
ファン層と作品傾向からしてランキング系にはあまり縁がないといわれている同氏の作品であるが、週間VOCALOIDランキングにおける掲載作品数は2008年11月現在最も多い。また、特定のジャンルに絞ったランキング集計(●●のうた、VOCALOID食堂ランキング等)ではランクインすることが多い。各VOCALOID新曲ランキングの上位常連でもある。なお、本人は「ランキングはきにしない、みない」と過去に何度か語ったことがあるが、ランキング入賞した際には「自分の作品が評価されれば単純にうれしいもの」との趣旨の発言もしたことがある。
ネタ潰しの法則
前述の通り、ワンカップPは過去にファンのリクエストに答えたことは殆どない。(リクエストと制作途中のものが偶然一致したケースはある)これは、彼が「リクエストされたものはあえて作らない」というポリシーを持っているからである。あくまでも動画制作は本人個人の創作であり、特定の視聴者にひいきするものではないという姿勢が頑ななポリシーとして現れているものと思われる。
これが「ネタ潰しの法則」であり、Mixi日記や動画内コメントでも「ネタ潰しありがとうございます」とのコメントが散見される。「彼にどうしても題材として取り上げて欲しいネタがあっても、決してリクエストをしてはいけない」というルールはワンカップPファンの間では不文律になりつつある。
ちなみに生放送中「何書こうかな」と困った時にリクエストされた物は書いた事がある。ちなみにこのリクエスト絵はコミケのCD購入者に先着で配布され瞬時に蒸発したとかしないとか。
あたまわるいうた(代表例) | あたまわるくないうた(代表例) |
ミク登場以前
初音ミクが届く以前は『ロボットが歌う』という題材でMEIKOの各種カバーを作成。伝説のMEIKOマスターといったタグも張られるようになった。当時数少ないボーカロイドを使用した作家であった。
エピソード
- 彼がワンカップPと名付けられたことや、彼の作品内でのMEIKOの扱いが「のんだくれ」の設定だったことら、「MEIKOはのんだくれ」という設定がファンの間で一般化した。(詳しくはMEIKOの項目も参照のこと)
- ワンカップは動画を投稿するようになるまで実は飲んだことがなかったが、それをきっかけに好きになったと語ったことがある。
- あくまでもワンカップを飲んだ事がなかっただけで、ワンカップ以外のお酒についてはどこぞの神主と並びのんだくれである。コミケ会場が禁酒ということを知った瞬間落胆していた、同時にお酒が切れて死んじゃうかもねという発言も。生放送でもコップの音が鳴るたびに「今日のお酒はなんですか」という質問が飛んでくる。
- 前作や前々作に貼られていたカップ酒ベストセレクションの購入者が1人だった頃に下記の動画を公開したためこの本のニコニコ市場初の購入者だと言われている。
- 筆ペンや筆による味のあるイラストに定評があり、本の挿絵を依頼された事がある。(世界一へんな地図帳)
- 更に本人のオリジナルソングである『子猫のパヤパヤ』を元にした絵本(絵:ゆきP)が発売された。
- 超が付くほどの速筆派。CDのブックレットに使った絵ですら1枚30分程度で仕上げている。生放送では30分の枠でリクエスト絵(ラフに色を載せた程度と本人は言い張ったが、視聴者は微塵にも思わないレベル)を3枚仕上げるという芸当をやらかしている。ちなみに何故速いのですか?という質問に対し「適当だから」と答えていた、適当のレベルが違いすぎるw(ちなみにこれが前出のコミケ先着特典)
- 鏡音リンからのオリジナル派生キャラクターとして"鏡音ロン"というキャラクターを生み出した。その後も彼の動画には何人かのオリジナルキャラクターが登場している。
- 『黄色い粒』というパックマニアのBGM(正確にはそのテクニクビート版)の替え歌をUPしたところ権利者削除されてしまったが、 その事が縁となり、同じナムコのゲームのVGMをアレンジして使用した音楽ゲーム『テクニクビート』のCDのPVを作る事になった。
- その後更にワンカップPグッズをスーパースィープで販売したことがあった。縁ってすごいね!おまけにC78ではCDプレスなどもスィープさんでやってくれることとなった。
- ザナドゥシナリオ2のBGMの替え歌である『駄菓子屋』に関して、この曲の作曲者である阿部隆人氏から好意的なメッセージを送られた。
- 歌詞の繊細さを生む要因として、「自分の中に乙女回路が内蔵されている」との趣旨のコメントをしたことがある。(Mixi日記より)
- 第84回わP屋生放送!では、浅草にある「神谷バー」を描いてる途中で部屋にあった塩が落ちた衝撃でPCがフリーズ。長時間に渡って放送が停止した。またこの回ではわP自身「1000回放送記念」と言っており、嘘をついた為に運営の仕打ちを受けてしまったとさ。いろんな意味で神回となってしまった。
- インタビューにも書いてあるが、各VOCALOIDはほぼ設定をいじらずに使っているらしい。
- 音楽的な教育は受けた事はなく、打ち込む→聞く→修正をひたすら繰り返すタイプ。またオペレーションはマウスとキーボードショートカットで、MIDIキーボードなどは持っていないとのこと。
- 早38歳にて老眼に悩み始めた。が、元々自然が多いところで暮らしていたため、視力が最初から3.0あったのが2.0に落ちて老眼と勘違いしているという意見も。生放送のタイトルに「めがねっこ」が付いているのがあるが、わPがめがねっこを書いた訳でなく、わP自身がめがねっこになったという意味である。…その後リクエストでメガネミクが採用されちゃったけどね。
- いまいち萌えない子のPVで酒を飲ませてしまった事から、神戸新聞が20才オーバーという設定を追加してしまった(参考→http://twitter.com/kobeimamoe/status/40670260495388672)。
休養宣言と嘘つきわP
2009年4月30日 ファンに惜しまれつつも、本業の多忙を理由に約1年間の休養を宣言した。
5月より1年間すごく忙しくなりそうですので、ここで一旦お休みってことで最後にsm1292763「もっと歌わせて2107」をやりないこしました。
……はずだったのだが、一ヶ月も経ってない5月25日には「はろー嘘つきわPです」というコメントとともに投稿が再開、ハンマー動画11連発を投稿するなど活発に活動を続け、半年後には一旦閉鎖したわP屋本店も再開した。どうやら休養宣言はなかった事にされた模様である。この間の事情については以下の記事が詳しいが、仕事はかなり忙しくなっているものの、職場近くに引っ越した事で作品制作に向ける時間をひねり出したようだ。
ASCII.jp:初音ミク・ワンカップPが語る「休止宣言の真相」(2009年7月13日)
当時の動画には休止を悲しみ復活を喜ぶファンのコメントがあふれている。
休養宣言から1年余りが経過した2010年5月29日に投稿された「ねずみのくに」で、
と復活が宣言された。なお、休養宣言中に投稿された動画の数はボカロオリジナル4曲を含む36曲であった。
あたまかちわるうた
休養期間に入った後(はず)の2009年6月16日から、突如としてハンマー関連の動画の大量投稿が始まった。11日でもない(本人が11日に投稿するルールを知らなかった)のに短期間に連続して行われた、まさにわPがハンマー状態な投稿に、「11日が来い」というタグが作られるまでの事態となった。そして迎えた7月11日。18分半にもおよぶハンマーのフルコースが投稿された。その後も時々ではあるがハンマー動画を作り続けている。このためハンマー方面では「ハンマーの人(酒)」と呼ばれている。
てんぷら子シリーズ
休養期間に入ったはずの事などとうに忘れられた2009年10月、ワンカップPはDS-10+を購入し、それを用いた与太話付き動画を投稿し始める。このシリーズの動画には看板娘のてんぷら子が登場しており、動画もてんぷら子のタグで検索できるようになっている。ところで、DS-10は10分で挫折したのにも関わらず、さらにDS-10+を購入したとのこと。世界で一番危険なサイトAmazon恐るべしである。
ペリコ・スペースシッパーとProject DIVA Arcade
2009年10月に募集されたProjectDIVA-AC楽曲募集に「ペリコ・スペースシッパー」を投稿した。「ペリコ・スペースシッパー」は採用候補曲12曲にはノミネートされ、ロケテスト5曲には落選したものの、見事、2次収録曲に選考された。ペリコ・スペースシッパーの作品の舞台はもっと歌わせて2107からさらに100年後の太陽系。関連作品として緑子ぶるばれいが投稿されている(>>わPの100年シリーズ)他、楽曲募集に次いで行われたPV募集に投稿された動画やProject DIVA Arcadeのプレイ動画も多数投稿されている。
Project Diva Arcadeは2010年6月下旬から順次全国アミューズメント施設に設置され、ワンカップP本人も生活圏内にあるゲームセンターに設置されることを知ってプレイしに行ったところ、稼動開始時は2次収録曲は収録されていない事をに気がつき、やさぐれて「エジホン探偵事務所」や「スペランカー」のゲーム実況生放送を行っていた。
その後2010年7月27日のアップデートにてついに解禁。さっそくプレイしに行ったわPはNORMALとHARDをクリアし満足して帰宅。EXTREME?しらね?らしいが。
いまいち萌えない娘公式ソング
2011年初頭、インターネットの片隅でひそかな盛り上がりを見せたいまいち萌えない娘ブームにワンカップPはキャラクターソングを引っさげて参戦した。このテーマソングは、ただのキャラクターソングに留まらず、「ワンカップ片手に神戸めぐり」といったご当地ソングとなっている事からも好評を博し、神戸新聞社からも公式テーマソングとして認定されるに至った。また、この事が縁となって、2011年8月にいまいち萌えない娘のカップ酒が発売される事となった。パッケージ絵はもちろんワンカップP。通販で買えるように手配するとの事なので、全国の酒呑みの諸君はぜひともお買い求めいただきたい。
ワンカップPはその後、同曲のクソゲーアレンジ版を投稿し、それが一部で評判となりProject DIVAによる偽ゲーム動画が投稿されていたりしたのが、なんと、公式までもが釣られて偽ゲーム動画を製作するという驚きの事態に発展した。全く、神戸新聞社とワンカップPはどこまで行くのか? (関連: いまいち萌えない娘(ゲーム))
関連動画
デビュー作
代表作 (2作品とも殿堂入り)
自称わPファンの朱雀氏が作成した2007年まとめ・ランキング動画
自称わPファンの朱雀氏が作成したカルトクイズ
関連商品
ニコニコ市場のケータイのところで「ワンカップP」で検索すると、いろんな版の『子猫のパヤパヤ』が購入できるよ。
関連コミュニティ
関連項目
- わPリスペクト
- 伝説のMEIKOマスター / ハンマーの人(酒) / 酒銭奴
- あたまわるいうた / あたまわるくないうた / あたまゆるいうた / あたまかちわるうた / わPの100年シリーズ
- 子猫のパヤパヤ / ペリコ・スペースシッパー / いまいち萌えない娘(ゲーム)
- わPキャラクターズ / てんぷら子 / 鏡音ロン / メカサバ人間
- 初音ミクが来ない?来た? / DS暴力ナビ / ママローヤルα
- Project DIVA Arcade
- VOCALOIDのプロデューサーの一覧
- ニコニコ絵師
- 投稿作品の総再生数が多い動画投稿者一覧500-1000
関連サイト
外部リンク
- ITmedia - ITはいま:遅く来た春 ミク×ニコ動がうんだ36歳の人気者(2008年7月3日)
- ASCII.jp:初音ミク・ワンカップPが語る「休止宣言の真相」(2009年7月13日)
- ワンカップPのお店「わP屋本店」 約半年振りに再開(2009年11月8日)
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