ばんえい記念とは、帯広競馬場で開催される、ばんえい競馬の重賞競走である。格付けはBG1(ばんえいグレード1)。
正式名称は「農林水産大臣賞典 ばんえい記念」。1997年度までは単に「農林水産大臣賞典」というタイトルであり、「大臣賞」の別名もある。
概要
毎シーズン最終週(現在は3月の最終週かその前)に行われる、ばんえい競馬の頂上決戦であり、1968年から続く歴史ある一戦である。出走可能馬は4歳以上。
というレースであるから、賞金はばんえい競馬の全レースの中で最高額。2018年は優勝賞金1000万円である。他の競馬主催者と比べると、最高峰のレースとしては少なめだが…。
2003年までは優勝賞金1000万円が長らく続いていたが、ばんえい競馬の収益が悪化していたこともあり2004年から削減され、2013年には300万円まで落ち込んでいた。その後は賞金が上昇し、2017年に14年ぶりに1000万円となった。
そして、ばんえい重量(馬が引くソリの重量)も全レース中最大。最高重量1トンが設定されている(牝馬は20kg減、5歳以下は10kg減)。自身の体重と同程度のソリを引く過酷な競走である。ばんえい競馬の最有力馬ばかりが出走するとはいえ、通常800kg前後で行われる古馬重賞に比べかなりの高重量であるため、以下のような特徴的な光景が繰り広げられる。
- 第1障害(小さいほうの山)は、他のレースではすぐに越えていくことが普通であるものの、ばんえい記念では少し時間をかけることが多い。第1障害で息を入れる(呼吸を整えさせるために馬を休める)こともままある。
- 第2障害(大きいほうの山)は一走りで越えられることはまずなく、坂の途中で止まりつつ越えていく。馬も騎手も苦しいことが観客にも伝わってくる、最高の盛り上がりを見せるシーンである。
- 第2障害を越えてからも、体力を消耗しているため思うようにソリを引けず途中で止まってしまう馬も多く、ゴールまで目が離せない。
また、古馬の競走は別定戦(ばんえい重量に馬の戦績が反映される)が一般的であるばんえい競馬において、この競走は数少ない定量戦(戦績は反映せず、馬齢・性別のみで決定)の一つでもある。
通常、一般戦は1分半~3分ほどのレースだが、ばんえい記念は1着馬のタイムでも4分前後かかることが多い。2008年は1着入線が5分35秒という超長時間レースとなった。全馬が完走するまでには10分を要する事もあるほどである。
他の競馬で4分を要するのは、平地競走だと4000m以上(日本では設定なし)、障害競走だと3500m以上(日本では中山グランドジャンプ・中山大障害などがある)という超長距離設定に相当するため、日本競馬最長クラス、もとい日本の公営競技の最長クラスのレースの一つに数えられる。
主な前哨戦
レース名 | 格付け | 備考 |
帯広記念 | BG1 | 1月上旬開催・ばんえい記念に次ぐ高重量戦(900kg前後) |
チャンピオンカップ | BG2 | 2月下旬~3月上旬開催・ばんえい記念の前の最後の古馬重賞 当年度の重賞競走優勝馬のみ出走可能 |
歴代優勝馬
「ばんえい記念」の名称が付与された1999年以降
※馬場水分は少ないほどソリを引きにくくなる。「ばんえい競馬」の記事も参照。
関連動画
ばんえい競馬最高峰のレースということもあり、動画の数もばんえい競馬の中では充実している。
ファンファーレが特別バージョンになり、陸上自衛隊帯広駐屯地の音楽隊による素敵な演奏が聞けるのも注目ポイント。
関連項目
- 1
- 0pt
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E3%81%B0%E3%82%93%E3%81%88%E3%81%84%E8%A8%98%E5%BF%B5