グーンとは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』及び続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するザフト軍の水中用モビルスーツである。形式番号はUMF-4Aで、モビルグーンとも。本項では派生機についても記載する。
概要
地球の7割は海が占めており、ザフトが地球侵攻を計画するにあたって水中用モビルスーツの開発を迫られた。プラントの兵器設計局「クラーク」社がグーンを設計を担当。地球連合軍の艦艇や輸送船への攻撃、湾岸施設の揚陸を目的として開発された。イカの頭のようなフォルムを持ち、水の抵抗を受けにくい形となっている。
主兵装は魚雷だが、モノアイの両側面にフォノン・メーザーと呼ばれる兵装が装備されている。これは平たく言うと音のレーザー。実体弾ではないのでフェイズシフト装甲を貫通する(しかしこのレーザーでPS装甲持ちMSを撃墜した事は無い)。水中用モビルスーツだが陸上での活動も可能。だが他のMSと比べると機動性に劣り、撃破される機体が多かったため、格闘性能を向上させた後継機ゾノが開発される事となった。ゾノが量産され、次期主力機のアッシュが開発された後もグーンは前線で使用され続け、海洋戦力の一翼を担った。
基地の防衛戦力として運用された他、ボズゴロフ級潜水空母の搭載機として運用された。また海難救助にもグーンが用いられており、その際はフォノン・メーザーを投光機に換装する。このタイプは、『DESTINY』でジブラルタル基地から脱走し、撃墜されたアスラン機の捜索をしている。
『連合vsザフト』にも参戦しているが、低性能であるが故にネタキャラ扱いされている。グーンたんという愛称で呼ぶ者も。一応『連合vsザフトⅡ』でコストが下げられている他、手の短さが祟って判定が弱すぎる格闘や、量産機でありながらチャージショットを有するなど謎の存在感を放っている。ちなみに特格は対デストロイガンダム戦に向いているらしく、ゴリゴリHPを削れる。他の機体相手では殆ど当てられないが。
劇中での活躍
C.E.70年5月25日、カサブランカ沖で第一次カサブランカ沖海戦が生起。地中海への進出を目指すザフト軍は水中用モビルスーツ・グーンを初めて実戦投入し、地球連合軍(ユーラシア主力)の地中海艦隊と交戦。見事勝利を収め、ザフト軍は地中海へ進出するとともにジブラルタル基地の建設に取り掛かった。
本編での初登場は第22話。C.E.71年3月3日、アデン湾にてアークエンジェルを攻撃したモラシム隊所属の機体として初登場する。ディンとグーンで空と海からアークエンジェルを攻撃。水中に下りて来たストライクガンダムを地の利を活かして優位に立ち回るが、モラシム機のディンを除いて全滅している。インド洋で再びモラシム隊がアークエンジェルに攻撃を仕掛けるが、これまた全滅している。
地球連合軍本部アラスカ基地への攻撃にも参加。大量のグーンが投入され、ゾノとともに敵艦隊の撃滅に貢献した。上陸を果たしたグーンもいたようだが撃破されている。それが幸いしてかサイクロプスに巻き込まれた描写は無い。パナマ基地攻略戦ではボズコロフ級から出撃するシーンはあったが、どのように攻撃を加えていたかは不明。小説版ではストライクダガーの出現により、撃破されたと取れる描写がある。
長らく水中戦ではゾノと一緒に最強の座に就いていたが、地球軍がフォビドゥン・ブルーやディープ・フォビドゥンを開発し投入してからは一気に逆転されてしまう。地球軍のジブラルタル基地侵攻の際には基地の防衛戦力の一部としてグーンやゾノが出撃するが、一方的に壊滅させられジブラルタル基地を失陥している。この時、ザフトが抱いた危機感が後のアビスガンダム開発へと繋がる。
大戦終結から2年が経ち、新しい主力機アッシュが開発された後もグーンは運用され続けた。
インド沖での戦闘で、ボズゴロフ級潜水空母「ニーラゴンゴ」から出撃したグーン3機がアビスと交戦するが全滅。
母艦もアビスに撃沈されている。ヘブンズベース攻略戦においてはフォビドゥン・ヴォーテクスと水中戦を演じる。性能差に苦戦するもゾノやアッシュとの連携で撃破している。オーブ侵攻の際にも投入され、上陸にも成功したがドム・トルーパー3機の猛攻により水際まで後退させられている他、迎撃に出たグーンがアークエンジェルに撃墜された。
物語の舞台が宇宙に移ってからは出番が無く、そのまま最終回となってしまった。
派生機
グーン地中機動試験評価タイプ
「SEED MSV」などの外伝作品に登場。本編には未登場。 形式番号はUTA/TE-6。
グーンに地中航行能力を持たせた特殊機で、レセップス底部に備え付けられているスケイル・モーターを使用し岩盤を破壊ないし液状化して地中を航行する。そのスケイル・モーターの制御するため光ファイバーを全身に張り巡らせている。敵の勢力圏外から地中に潜り、敵の施設前で地表に出て奇襲するのが主戦法。地中用レーダーを有するが近距離にしか及ばないうえ、投入には事前の地質調査が必要だったため量産はされず3機のみが試作された。が、3機全てがパナマ基地侵攻作戦に使用され戦果を挙げた。地中から突然現れて攻撃された事から、精神病を患う連合兵が続出したという。
ジオグーン
機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場。上記のグーン地中機動試験評価タイプの制式採用版。
形式番号はUTA/TE-6P。
オーブ侵攻作戦「オペレーション・フューリー」で2機が投入された。ボズゴロフ級潜水空母から出撃した後、オーブ沖で地中に潜行。市民の退避シェルターや行政のシェルターに突っ込み、破壊。1機はオーブ国防本部の目の前に出現し、護衛のアストレイ1機をフォノン・メーザーで撃破するも直後にアカツキのビームサーベルを受け四散。
もう1機は地上に出現したところをNダガーNによって撃破された。
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関連項目
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