パーメット(parmet、palmetto)とは、下記のいずれかを指す。
- アメリカ東南部に分布する扇状の葉を付ける小型のヤシの総称。
- ラム酒をベースにドライ・ベルモットとオレンジ・ビターズをアレンジしたカクテル。
- アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する架空の元素。当記事で解説。
概要
パーメットとは、アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の世界において機動兵器であるモビルスーツ(MS)や艦船などのシステムに用いられている、新たに発見された鉱物若しくは太陽系内に偏在する鉱物から発見された元素を指す。
パーメットが鉱物であるという解説の初出は、プラモデル「HG 1/144 ガンダム・エアリアル」の組み立て説明書の記載である。パーメットが元素という解説の初出は、アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の公式サイト「WORDS」から。
パーメットの一つ一つが、お互いに情報を共有する性質があり、パーメットリンク(下記)を始めとした通信・制御など世界の基幹インフラとしてありとあらゆる機械で使用されている。
パーメットを素材や推進剤に混合または人体に流入し制御することで、医療技術GUND、モビルスーツ機構のGUNDフォーマット、スウォーム兵器のガンビットなど様々な技術が開発された。
モビルスーツや艦船には、パーメットに関連した識別コードが割り振られており、これをコンピューターで識別照合することで、対象兵器が登録されているものかどうか判断するのである。
無論、資源価値としても相当高い需要を持ち、これが採掘される各惑星・衛星圏内に経済圏が移るほどとなり、地球側は衰退、そして同じ宇宙圏内でも採掘場所が変動することで過疎化が進むところが出るほどである。
特徴
- パーメットは、その元素の一つ一つが、情報を共有する性質を持っている。
- パーメットは、素材や推進剤に混合させる事が可能である。
- パーメットを混合された素材や推進剤は制御する事が出来る。
- パーメットは、人体に流入させる事が可能である。
応用技術
GUND
アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の公式サイト「WORDS」によれば、GUNDは、宇宙に進出する基盤と考えられているという。
GUNDフォーマット
GUNDを軍事転用した、人と機体を有機的にリンクさせるモビルスーツシステムがGUNDフォーマットである。
パーメットは、GUNDフォーマットの媒介となる。
ガンビット
ガンビットの推進剤には、パーメットが混合されており、GUND-ARMの搭乗者はGUNDフォーマットでこれを自在に操る事が可能になっている。ガンダム・ルブリス 量産試作モデルLF-01とLF-02のガンビットの軌跡は赤色、ガンダム・ルブリスLF-03とガンダム・エアリアルのビットステイヴの軌跡は青色となっていた。
パーメットリンク
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』前日譚『PROLOGUE』では、ガンダム・ルブリスLF-03とその搭乗者エルノラ・サマヤがパーメットリンクの接続を再開する所から物語が始まっている。
『水星の魔女』1話では、ディランザ(グエル専用機)の出撃シーンにて、パーメットリンク良好とアナウンスされるなど、どうやらGUNDフォーマットを搭載していないモビルスーツにも採用されているようである。
パーメット自体は人体に使わなくても情報共有元素として扱えるため、パーメットが混入された物質の伝達システムそのものを指すと思われる。
その実として、モビルスーツに限らず、情報共有という性質を基礎理論とした、各機械のシステム管理・制御をパーメットが担っているのが本作の世界における「ネットワーク」(いわゆる電子回路、光回線やwifといった物の上位的存在)そのものという状態である。
それにより、本来巨大なタワーの建設が想定されている「軌道エレベータ」も、成層圏上の中継基地をハブとして、そこからパーメットによるガイドラインを敷くことで地球では射出基地の建設のみで済むようになった。文字どおりのシャフトいらずでワイヤーだけで済むエレベータである。
つまるところ、パーメットという発見が、容易に宇宙進出へ可能になった転換期でもある。
MSにおいては素材混入で回線が機能するため、機体制御の為の電子機器が一体化可能になった(格納ペースを取られなくて済む)と見ることもできる。仮にパーメットリンクを使用しない場合は、慣性制御など操作が著しいほどにまで難しくなる。
パーメット流入値
『PROLOGUE』では、ガンダム・ルブリスLF-03とその搭乗者エルノラ・サマヤがレイヤー33のコールバックテストの終了後に、ナイラ・バートランがヴァナディース機関の他のスタッフにパーメット流入値の解析を開始するよう促した。
『水星の魔女』2話では、レディ・プロスペラに対する査問会でシャディク・ゼネリがエアリアルのパーメット流入値が基準値を上回っている事を指摘しており、GUNDフォーマットに対する判定基準の一つであるようだ。
パーメットスコア
現在、劇中で詳細な説明はないが、5話でどういったことが可能なのか部分的に示している。
後の描写で、パーメットが人体へ流入する量を示している模様。
『PROLOGUE』では、スコア2、スコア3,スコア4をガンダム・ルブリス 量産試作モデルLF-01に搭乗したナディム・サマヤが使用した。
本編では各ガンダムパイロットが必要に応じてスコアを宣言して使用しているが、スレッタがエアリアルに搭乗している際はパーメットスコアを意識しておらず、何者かと対話するように機能を引き出している。
- パーメットスコア2(ツー)
- シェルユニットが発光し、ツインアイが光る。
この状態ではパイロットの視野や四肢操作が機体と同調する。 - パーメットスコア3(スリー)
- ガンビット等のパーメットを使用した遠隔機器が操作可能となる。
- 『PROLOGUE』ではシェルユニットの発光後、あらかじめ射出されていたガンビットが敵の攻撃を回避して相手の装甲に吸着、爆発する。ガンビットの爆発後、パイロットは過呼吸を起こす。この段階からレイヤー34に到達していないナディム・サマヤやウェンディ・オレントの顔に赤い模様が浮かび上がっていた。
ソフィ・プロネによると、GUNDフォーマットを無効化するアンチドートが通用するのはこのスコア3までとのこと。 - パーメットスコア4(フォー)
- 『PROLOGUE』ではシェルユニットの発光後、機体が赤熱しながら、自機の装甲が破壊されるほどの猛加速を行う。パイロットの過呼吸は更に深刻さを増し、ナディム・サマヤの眼球には赤い模様が浮かび上がり、彼の眼前には別の世界が現れた。
- 本編ではソフィ・プロネがアンチドートに対抗する為に使用、相当な負荷がかかるようだが切り抜けた後は平常状態に戻っている。
- パーメットスコア5(ファイブ)
- 1期作中では言及せず
オーバーライドに対する抗力を発揮できるほどのスコア値(と高負荷)となっている。 - パーメットスコア6(シックス)
- 集団戦での決闘の最中に発露。この状態ではシェルユニットが青く変化する。
- スレッタがエアリアルで使用したが、本人はスコア6とは意識しておらず[1]、何者かと対話するような形で機能を引き出した。スコア6と言及されたのはプロスペラがデリングと密会した時で、その時に「スコア6に達した」とデリングに話している。
この状態のエアリアルは、他のパーメットリンクに自己の情報を伝達する「オーバーライド」の干渉波を発することができる。 - パーメットスコア8(エイト)
- 第二シーズン最終決闘の最中に到達。シェルユニットは白金とも言うべきほどに青白くなる。
ここまで行くと、プロスペラ曰く「エアリアルが自由になる」らしいが・・・。
後に、クワイエット・ゼロ起動のトリガーとなる。
パーメット識別コード
『PROLOGUE』では、ドミニコス隊の戦艦ユリシーズのオペレーターが、小惑星に建造されたフロントであるフォールクヴァングから突如現れたガンダム・ルブリスLF-03のパーメット識別コードが未登録であることを指摘している。
『水星の魔女』1話では、ロウジ・チャンテがエアリアルの識別コードが未登録であること、しかし似たパターンの機体が一つある事に言及。恐らくルブリスの事だと思われ、機体間である程度の関連がある可能性がある。
パーメット・電子対抗装備
プラモデル「HG 1/144 ベギルベウ」の組み立て説明書の記載によれば、本装備が無人機によるドローン戦争に終止符を打ったとされる。
ノンキネティックポッド
ノンキネティックポッドは、ベギルベウに搭載された装置で、パーメット・電子対抗装備の進化形である。
『PROLOGUE』において、ガンダム・ルブリス 量産試作モデルLF-02や射出されたガンビットのGUNDフォーマットのリンクを制圧して、機能を停止させるなど圧倒的性能を示した。
関連静画
関連項目
脚注
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