ファイトとは、2005年に放送された第72作目の連続テレビ小説である。
前作は『わかば』、次作は『風のハルカ』。
あらすじ
主人公・木戸優は、競走馬・サイゴウジョンコと心を通わせる15歳の高校生。バネ工場を営む父と母・弟の4人で幸せな家庭を築いていた。しかし、父の工場の親会社が起こした不祥事に巻き込まれて莫大な負債を負い、一家は離散の憂き目に遭う。親友との確執もあって一時は不登校にまで陥るが、家計のために住み込みで働くこととなった旅館で働く傍ら、厩務員見習いとしてサイゴウジョンコを育てていく中で少しずつ立ち直り、人間として大きく成長していく。
概要
主演は本仮屋ユイカ、前年に出演した映画『スウィングガールズ』の関口役で人気を集め、1000以上に上るオーディションを勝ち抜き、満を持しての朝ドラヒロインを手にした。
脚本は『僕の生きる道』『僕と彼女と彼女の生きる道』で知られる橋部敦子のオリジナル作品。朝ドラでは初めて、群馬県が舞台となった。
第1週に宿泊客として訪れたことがきっかけで、後にヒロインが住み込みで働くこととなる温泉旅館「駒乃館」は、四万温泉にある老舗旅館「四万たむら」がモデルとなっている。駒乃館の女将を演じる由紀さおりは群馬県出身で、劇中では歌が得意で宿泊客に披露するという設定で、毎週歌うシーンがあった。第8週で初めて歌われたオリジナル曲「サイゴウジョンコ応援歌」は、尺余りがあった場合本編後に時々ヒロイン役の本仮屋ユイカが歌うバージョンが放送された。
旅館の主人役を務めた児玉清は、太平洋戦争時に四万に疎開した経験がある。また、本作が最晩年の出演作となった田村高廣は、劇中で駒乃館を訪れた際、余興に和太鼓を演奏するシーンがあるのだが、このシーンが彼の父・阪東妻三郎主演の映画「無法松の一生」を彷彿させる名演と話題になった。
また、三浦春馬の出世作でもある。三浦は翌年放送された『14歳の母』で有名になった印象が強いが、一般的な知名度が広まったのはこの作品である。本作ではヒロインに片思いをして、中学時代の地味なメガネ男子からイメチェンして、ヒロインに思いを告げるがあえなく失恋してしまうという役回りだった。
ヒロインと心を通わせる、もうひとり(もう一頭?)の主人公と言える競走馬・サイゴウジョンコは、葦毛の元競走馬ダンスアワルツが演じた。ダンスアワルツは2021年現在も存命であり、あまりにも本作で有名になったことから、今でも厩務員からは役名のジョンコと呼ばれているとか。
また、ヒロインが憧れる先輩厩務員を演じた瀬川亮は、2年後に出演した大河ドラマ『風林火山』で発した「武者震いがするのう!!」が一躍ネットで流行語となるのだが、それはまた別の話である。
本作で音楽を担当する榊原大は、上述の由紀さおり演じる女将が歌う場面で、毎回ピアノ伴奏する従業員役、最終話では題字やエンドカードを担当した漫画家・エッセイストの西原理恵子がそれぞれカメオ出演した。また、サイゴウジョンコの競走馬引退式では騎手の武豊が本人役で登場した。
スタッフ
- 脚本:橋部敦子
- 音楽・ピアノ演奏:榊原大
- 題字・タイトル画:西原理恵子
- 語り:柴田祐規子アナウンサー
- 撮影協力:群馬県、高崎市、四万温泉協会、日本中央競馬会(JRA)、馬事公苑
- 制作統括:鈴木圭
- 演出:小林武、伊勢田雅也、東山充裕、亀村朋子、椰川善郎
キャスト
- 黒木里夏:垣内彩未
- 岡部聖也:三浦春馬
- 木戸檀:田中冴樹
- 駒田大和:おかやまはじめ
- 亀井鉄男:沼田爆
- 中村洋介:山崎一
- 竹中雅彦:升野英知
- 吉本健:石井智也
- 新庄厚志:及川以造
- 片岡真理:佐藤仁美
- 川崎弘道:山口馬木也
- サイゴウジョンコ:ダンスアワルツ(母父ニジンスキー)
- タロウ:サンフォードシチー(ヤマニンゼファー産駒)
関連動画
関連商品
関連項目
- 連続テレビ小説
- 本仮屋ユイカ
- NHK
- 群馬県
- 競馬 / JRA / 地方競馬
- 上毛かるた - 「よ」の札が、四万温泉になっている
- カーネーション(連続テレビ小説) - 終盤、ヒロインが本作をテレビで見るシーンがある
外部リンク
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