中欧(中央ヨーロッパ、Central Europe) とは、ヨーロッパの中央部一帯を指す用語である。ドイツなどの「西中欧」とポーランドなどの「東中欧」に分けられる。ただし、具体的にどの地方や国を含めるかは、論者や地域分類の用途等によって異なる。
概要
中欧は、要するに東欧・西欧・南欧・北欧のいずれにも属さない地域であるが、第二次世界大戦以前は、主としてドイツ系住民が相当数暮らしている地域の総称として「中欧」(ドイツ語でMitteleuropa)の語が用いられることが多かった。第二次世界大戦後には、現在のポーランドやチェコなどの領域からドイツ系住民が「移送」ないし「追放」されたことに加え、冷戦による東西対立の激化によって「中欧」が西側諸国と東側諸国とに分断されたため、「中欧」の語は殆ど用いられなくなった。この時期、ドイツなどの西側諸国は「西欧」として、ポーランドなどの東側諸国は「東欧」として扱われるのが一般的となった。しかし、冷戦後は再び「中欧」の概念が一般的に用いられるようになった。
日本では、現在でも「東中欧」諸国を「東欧」に分類することが多いが、本来は避けるべきである。日本の外務省では、これらの諸国に関する外交政策は「中・東欧課」が所掌している。
中欧の国
西中欧の国
東中欧の国
言語について
歴史的にドイツ語が優勢だった地域である。西中欧諸国ではドイツ語が公用語である。ただし、スイスはフランス語、イタリア語およびロマンシュ語も公用語である。
東中欧諸国においては、それぞれの民族の言語(スロヴァキア語、スロヴェニア語、チェコ語、ハンガリー語およびポーランド語)が公用語となっているが、全体的には今日でも(高齢者を中心に)ドイツ語が比較的通じやすい。あと、冷戦期にロシア語教育が行われていたため、ロシア語も比較的通じるらしい。若い世代は英語を習得している割合が高い。
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関連項目
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