休載(きゅうさい)とは、漫画の連載を一時的に休止することである。
主に商業向け作品で見られる。
概要
定期休載に関して
週刊誌・月刊誌などの連載漫画では、作者取材や単行本作業などの名目で定期的に休載が入ることがある。この休載はせいぜい1週か、1月であり、あまり気にされることはない。
あるいは週刊誌だが月1掲載という形などで変則的に連載している場合や最初から不定期連載と宣言している場合は、休載としてカウントされることは少ない。
むしろ定期的な休載がない週刊誌の漫画家などは読者から「休んでくれ」と逆に心配されることもある。例えば、週刊少年ジャンプの連載作家松井優征は2021年に漫画家人生で初めて『逃げ上手の若君』を休載したことでニュースになった。[1]
休載対策ともなるプロダクション化
そもそも、漫画家一人に週刊連載という膨大な作業量がのしかかるのは過酷な物であり、身体を壊す作者も相当数存在しているし、若くして亡くなる漫画家も少なくない。対策として漫画家個人への負担を減らすためにプロダクション体制を構築し、漫画家個人が一時的に不在となっても作品の制作には支障がないという体制を作ることもある。
プロダクション体制として代表的なのが『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の秋本治氏&アトリエびーだまや『ゴルゴ13』の故さいとう・たかを氏&さいとう・プロダクションであり、これらは 1度も休載せずに40年以上連載し、単行本を200巻以上出している。 この体制が構築できれば、副次的に、作者が亡くなっても残されたプロダクション(アシスタント)の人々で連載を継続できることもある(例:ゴルゴ13、クレヨンしんちゃん、ナニワ金融道 など)。
長期休載に関して
何らかの事情により、数か月、場合によっては数年にわたって連載が休載する事がある。場合によっては、そのまま打ち切りとされることがある。
休載と言われて話題になるのはむしろこちらの長期休載の方であり、読者側に不安を与え、あるいは作品から長期間離されることで作品に興味を無くす原因となる。
ネットなどでの個人創作(ニコニコ静画など)の場合
個人の趣味の範囲である以上、別に休載のお知らせをする必要はない。
…のだが、定期的な投稿を心がける作者は、本来投稿するタイミングで投稿できない場合、休載をお知らせする事がある。ニコニコ静画の「ユーザー投稿漫画」でも稀に休載のお知らせを告知することがある。
この場合は作者(作品投稿者)が、律儀な性格で告知しないと申し訳ないという思いか、生存している旨を伝える意味と思われる。
休載の主な理由
- 作者が何らかの病気にかかって執筆出来ない状況である。
- 作者が事故に遭って執筆出来ない状況である。
- 作者が取材中。
- 出版社との紛争。
- 単行本などの制作作業に専念するため。
- 締め切りに間に合わなかった。(原稿を落とした など)
- 親の葬式、または介護などの家庭の事情。
- 出産準備。
- 豪雨・台風・地震・津波などによる自然災害で執筆に支障をきたしている。(例:小坂泰之が「放課後ていぼう日誌」連載中に豪雨の被害(2020年(令和2年)の令和2年7月豪雨)で被災し、執筆道具が使用できなくなり、一時期休載した。)
- その他の他言できない諸事情。
長期間休載されている・されていた主な作品
ここであげるのはごく一部であり、また、1年以上の長期休載のものや数か月の休載を断続的に続けているものなどが混在している。また、あくまで記事編集時点の情報であり、最新情報を保証するものではない。
- 苺ましまろ - 原作者のばらスィーが出産のため休載。その後も育児に専念しているとされており、2021年ごろは数か月に1度の連載となっていた。
- NANA(漫画) - 2009年6月から休載。病気によるものとされている。
- HUNTER×HUNTER - 冨樫仕事しろ の記事参照← 冨樫先生、重い腰を上げてください。
- ひだまりスケッチ - 2016年ごろから掲載ペースが減り、ページ数も減っている。当初は体調不良によるものとされたが、他の仕事をしており真意は不明。
- 名探偵コナン - 2015年ごろから、定期的な長期休載が目立つようになっている。一つのエピソードが終わると2ヵ月~3か月程度の休載を挟む。2017年末からの休載は療養と充電のために休載すると発表されたが、実は休載の主原因は病気ではないと2018年のニュース番組『NEWS ZERO』に出演した際に発言している。[2]
- らき☆すた - コンプティーク上では連載中の扱い
とされているが、長期間休載中であり、作者本人の動向は不明となっている。
関連項目
脚注
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- 0pt
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E4%BC%91%E8%BC%89