冷たい方程式は1954年にトム・ゴドウィンによって発表された短編SF小説である。(原題 The Cold Equations)
SF小説の中でも古典的な名作と名高く、この作品は本作品のオマージュ、パロディを含め後の作品に多大な影響を与えた。
概要
あらすじ(※注意※ 作品の性質上結末までのネタバレを含みます)
病気に苦しむ人々を救うべく血清を載せ飛び立った宇宙船。
宇宙船にはそのパイロットとわずかな荷物を運ぶだけの燃料しか積まれていなかった。
しかし、その宇宙船には兄に会うために密航した少女が紛れており、パイロットはその子を発見する。
最低限の燃料しか積んでいない宇宙船は、そのままでは目的地に辿り着く前に燃料切れとなり、パイロットと少女だけでなく、病気に苦しむ人々までもが皆犠牲となってしまう。
それを避けるためには…
…少女を船外に遺棄するしか手立てがない。
パイロットは彼女を救おうと試みるも策は見つからず、最後には少女自ら排出口に入り、船外へと遺棄される。
方程式もの
前述したとおり本作品は大きな反響を呼び、本作品と類似の条件下での他の解決方法を示すものなど、本作品を基に様々な作品が発表されており、1つのジャンルを形成している。以下ではその代表的なものを列挙する。
アーサー・C・クラーク 「破断の限界」
2人を載せた宇宙船で事故が発生し、貯蔵していた酸素が失われてしまう。
残った酸素の量は2人で20日間分であり、目的地へは30日とこのままでは酸素が足りない状況である。
しかし、1人であれば無事目的地へとたどり着けることに気づいたエンジニアの行動は…
筒井康隆 「たぬきの方程式」
宇宙を航行している輸送船のなか、荷物であるたぬきが逃げ出した所に、密航者までも乗り込んでいることが判明する。
しかしその密航者を船外へ遺棄せずともクルー全員がコールドスリープに入ることで、燃料を節約でき無事目的に辿りつける事が判明する。
そのとおりにクルー全員がコールドスリープに入るが…?
梶尾真治 「フランケンシュタインの方程式」
船長と船員の2人を乗せた宇宙船。しかし出発した後、酸素が不足しておりせいぜい1人が生き延びるだけの分しかないことが判明する。
それに気づいた2人は最初は絶望に沈むが、そのうち船長は名案を思いついたと言いながら狂気じみた笑いを浮かべる。そしてついに船員は船長によって昏倒させられてしまう。
自分だけが生き残るために俺を殺すつもりか…?と悔しがりながら気絶した船員だが、なぜか死ぬことなく目覚めた。船長も生きているらしく、彼の声も聞こえる。いったい船長の考え付いた名案とは…?
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関連項目
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