趙治勲とは、日本棋院所属のプロ囲碁棋士である。 名誉名人・二十五世本因坊の称号を持つ。
韓国釜山出身。1956年6月20日生まれ。木谷實九段門下。叔父も兄もプロ棋士。
門下に金秀俊・松本武久・鶴山淳志。
概要
わずか6歳で来日し木谷實に入門、そしてなんとその歳で林海峰当時六段に5子で勝利する。1968年11歳で当時の最年少記録でプロ入り。1981年九段。
その後、数々のタイトルを総なめにして、史上初のグランドスラム(7大タイトルすべてを経験)と史上初の大三冠(名人・本因坊・棋聖同時獲得)を達成した。
また、タイトル戦では(七番勝負の時)3連敗で負けが許されない状況にて4連勝して逆転優勝を飾るなど、その勝負強さに「七番勝負の鬼」とも言われている。
最大のライバルは自らの弟弟子・小林光一九段、でも、小林光一九段の娘婿・張栩九段には弱い。
基本的に地に辛く、相手の模様に殴りこむのが近年の棋風。
しかし過去に天元打ちを試したり(vs 高木祥一 1974年JAL早碁)している
加藤正夫先生との石取り合戦は有名。
近年は、棋書「ひと目シリーズ」の著者としても知られ、本人曰くバカ売れしてるらしい。
詳しくは、Wikipediaを参照されたし。
最強棋士
通算タイトル獲得数74(歴代1位)、通算七大タイトル獲得数42(歴代1位)、通算3大タイトル獲得数29(歴代1位)、通算1400勝突破(歴代1位)。グランドスラム達成(史上初)、大三冠達成。本因坊位10連覇12期(史上最多)、名人位5連覇9期(歴代最多)、棋聖4連覇8期、十段位6期、王座位3期、天元位2期、碁聖位2期、最優秀棋士賞9回(歴代最多)という輝かしい実績を持つ歴代最高棋士の1人である。
特に1974年からは自らの兄弟弟子である木谷實一門(大竹英雄・石田芳夫・加藤正夫・武宮正樹・小林光一・小林覚)が猛威をふるう中、これだけのタイトルが取れたことは特筆に値する。
しかし2000年代に入ってから依田紀基、王立誠、平成四天王、井山裕太の活躍によりタイトル数が減少し、2007年の十段位を最後に無冠。近年はリーグ入りもままならないが、マスターズカップや棋戦優勝者選手権戦で優勝するなど、まだまだ実力者の1人である。
二十五世本因坊
囲碁のタイトル戦のひとつである「本因坊戦」では、タイトルを獲得すると「本因坊」の称号と同時に雅号を襲名することが出来る。また、5連覇以上か通算10期以上タイトルを獲得した場合は、引退又は還暦を迎えた時に名誉称号である「○○世本因坊」を名乗ることが出来る。(○○には数字が入る)
しかし趙治勲の場合は、本因坊戦を10連覇すると言う快挙を成し遂げたため、現役の頃から名誉称号を名乗る事が許され「二十五世本因坊」の名誉称号を獲得した。
まさに、現代の本因坊に相応しい人物である。
トークも本因坊
碁が強く碁に対する執着心が強く、一見すると怖いイメージを連想しかねないが、実はかなり面白い人である。
- NHK杯テレビ囲碁トーナメントの解説に出演したかと思いきや、解説など放っておいて、(当時の)司会の青葉かおり四段に無茶振りをかまして彼女を困惑させる。
- とある囲碁番組で解説の聞き手に回ったかと思いきや、恐ろしいほどの毒舌や突っ込みを入れて解説者をコテンパンにする。(相手は、二十四世本因坊秀芳こと石田芳夫九段)
- そして、自分が解説をする番になると急にゴルフの話をしだす。(相手は小林光一九段)
等など、そのあまりの面白い解説にはかなりの人気がある。あまりにも酔っ払いのオッサンに見える面白いため、ニコニコ動画ではよく「ただの居酒屋トークじゃねぇかw」とコメントされることがある。
・・・なんて事ばかりではなく、かっこいい名言を言うときもある
- 私が日本の碁に肩入れし、中国・韓国に負けてほしくないと考えるのは、
日本のプレーヤーだから当然のことです。他に何の理由もいりません - 武宮さんは理屈に合わない手を打ってきた。ところがそれでも一局の碁、不思議だと思った。
ぼくは理性で割り切るタイプ、武宮さんは感性で打つタイプ。
碁には理性と感性を超えた何物かがあるのかもしれない。
詰碁作家としても本因坊
華やかすぎるタイトル獲得歴に隠れがちだが、詰碁作家としての一面も持つ。
入門直後からワンステップアップする良著として有名な「ひと目の詰碁」シリーズは、
その登場以前の級位者向け本と比べると非常に簡単で簡明な問題が多い。
同じ筋を繰り返し練習して覚える、分からなかったら答えを見て次に進める、という概念が
全くなかった時代に一石を投じた本であった。
また、1980年代に出版された基本死活事典(上下巻)は、
低段者からプロまでがその全てを暗記するレベルの超必須本となった。
てかこれ暗記全部暗記すればすぐに高段者です。
2015年には日本棋院創立100周年事業の一つとなり、
張栩九段が30年ぶりに改訂するまで、長らく囲碁界で愛され続けた。
現在でも治勲版を愛用する古参高段者は多い。
(というか現代のプロ棋士はほぼ全て治勲版で暗記していると思われる。)
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恐ろしい聞き手 サムネホイホイ
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