SCP-5356とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場しないオブジェクト(SCiP)である。
概要
ERROR | |
基本情報 | |
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OC | ERROR /ERROR /ERROR |
収容場所 | N/A |
著者 | Kothardarastrix |
作成日 | 2021年10月16日 |
タグ | 刻印 岩石 怪奇部門 構造 死体 財団製 |
リンク | ERROR |
SCPテンプレート |
SCP-5356というファイルは存在しない。
SCP-5356はアーカイブ済か、解明済か、そうでないなら解体済であり、いずれにしろメインデータベースからは削除されている可能性がある。そうでないなら、データベースエラーを吐いているため、RAISA[1]に連絡すべきである。
いや、そうではないはずだ、と考えるならば、さらなる情報を得るためにレベル5クリアランス資格情報を入力可能である。
これはどういうことか?要は存在しないファイルを開いてしまったから、空のページにリンクしているのだ。アーカイブ済 (Archived)、解明済 (Explained)、はたまた解体済 (Decommissioned)に指定された場合はメインデータベースから取り除かれるし、そうでなくてももともと存在しないならデータベースには載っていないだろう。
しかし、だいぶメタな話になるが、SCP Wikiにおいて存在しないページにアクセスしてしまった場合は、外宇宙の我々が目撃するのは『このページは存在していません』であり、財団世界内のデータベースエラーのようなページは残念ながらお目にかかれない。逆説的に言えば、このような財団世界っぽいデータベースエラーページが出るということは、なにかある、ということだ。なので早速レベル5クリアランス資格情報を入力していこう。
資格情報確認
SCP-███ | |
基本情報 | |
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OC | Thaumiel |
収容場所 | サイト-██のサイト内共同墓地 |
著者 | Kothardarastrix |
作成日 | 2021年10月16日 |
タグ | 刻印 岩石 怪奇部門 構造 死体 財団製 |
リンク | SCP-███ |
SCPテンプレート |
SCP-███はとあるサイトの共同墓地に存在する霊廟であり、極度に風化した石で構成されており、外部から識別可能な特徴はない。腐食した門のみが内部に入場する唯一の入口であり、この門には変色した真鍮製の「怪奇部門」という語句の飾り板が取り付けられていた。誰がこのSCP-███を作ったのかは不明である。
現在、この入口はレンガでふさがれており、レベル3以上の空想科学部門職員のみがこの実在を認知する。
門の先には通路が10mほど伸びており、大きな部屋に通じる。この両面に6個の墓室があり、石の扉がついている。部屋には装飾なき石棺が置かれている場合もある。扉には、その部屋の内部や石棺の中身を描写している名称や通称が刻銘されている。
部屋一覧
- 呪い
石棺の中身は黒い木材の漕船で、エレクトラム製の長い釘が船体中心部に突き刺さる。褪色した赤色塗料でヴァンパイアと書かれている。 - 地獄
部屋の下に陥没穴が見られる。刻銘は数m下に見えるが距離と角度のせいで判読不能。 - [損傷のために判読不能]
部屋はからっぽで、魚の臭いがする。 - 悪魔の機械
腐食して動かなくなった時計じかけの装置。 - プロメテウス合金
120個の変色したインゴット。 - リリス
舌が生前に除去されたヒト成人女性で、肩甲骨からは翼のような骨が伸びている。ヒト型SCPオブジェクトの標準制服を着用。 - ジャック
生前に去勢されたヒト成人男性で、石棺の蓋にはJの文字を囲むハート型が記されている。 - エポン
ロザリオを握ったヒト思春期女性の遺体。髪の長さは身長を超える。 - PSR B0531+21
扉の刻銘はかにパルサーの天文学的指定。重要性は不明。部屋は開かない。 - ミスター・しんちゅう
真鍮製のヒト型オートマトン。再構成は不可能。 - ヨブ記10章10節:『あなたはわたしを乳のように注ぎ、乾酪のように凝り固まらせたではないか。』
石棺が置かれているが、からっぽ。 - 失われたもの
部屋はからっぽで、壁にはコンクリートで塞がれた穴が開いている。
最後に、通路の端にある部屋。この部屋は正方形で各辺約7m。大きな墓石が中央に位置し、その上部にはこのような文言が刻銘されている。
思い起こさるるものの記念碑
忘れ去られたものの墓の上にあり
SCP-███ - SCP財団より,2022/07/31閲覧
このオブジェクトは何なのか
古参のSCP読みであれば、いくつかの特徴でピンときたかもしれない。あるいは、最初のデータベースエラーページから、はたまた空想科学部門の言及から、このオブジェクトはメタ的なものであることに気付いたのかもしれない。
そう、このオブジェクトは「様々な理由で現在のSCP Foundationには残っていないオブジェクト」のお墓である。ただし、何でもかんでもここにあるわけではない。「現在残っていないにも関わらず、いくつかの記事の言及が消えずに残っているため読者の記憶の中には残っているオブジェクト」、のだが。以下、作者によるスポイラーを軸に解説しよう。
- 呪い
旧SCP-048、『Vampire Boat』。手漕ぎボートで池に繰り出すとヴァンパイアに襲われるだけの低品質な記事であり、削除された。しかしこのSCP-048というナンバーはいわくつきであり、何故かこのナンバーに投稿された記事はすべてが低品質であるがゆえに削除され、更にはこのVampire Boatをそのとき書かれていた別のSCP-048に上書きするという荒らしみたいな事件が発生した。最終的にはSCP-048はDrClefによって、「ナンバーそのものが異常」という報告書が書かれ事態にケリを付けられたが、その最終版SCP-048にVampire Boatが言及されているのである。
……とSCPコミュニティでは長らく信じられてきたが、『Confic Wiki』の共同管理人であるharmonyFM氏はこの説を否定している。詳細はSCP-048の項目を参照のこと。本オブジェクト著者のKothardarastrix氏はこれを知った上であえてSCP-048の代表としてVampire Boatとしたのか、それとも知らなかったのか?でもそういう偽史が含まれるあたりも本オブジェクトのテーマにはあっているとは思う。 - 地獄
旧SCP-098、『Gateway to Hell』。クレフ博士の提言(ゲート・ガーディアン)の中で語られている。地獄への入口と見られている洞窟。思わせぶりなだけで特に面白みがないため削除されている。言ってしまえば、『SCP-2000という説得力の高い後付が得られなかったSCP-1422』に近い。 - [損傷のために判読不能]
かつてSCP Foundationで活動していた著者、Fishmonger氏。彼は初期コミュニティでは人気の作品を複数抱えたが、それが故にサイトルールを逸脱した行為を免責されると考えるような男だった。コミュニティは彼を追放したが、彼はその代償として自著の削除をコミュニティに要求した。コミュニティ側もこれによって作り上げてきた世界に大きな損失を被ることになる。未だにサイト全体で「名前を言ってはいけないあの人」という扱いを受けているらしく、作者もディスカッションで名前を出していない。なおこのことを述べたページ『世界の歴史』の著者はRoget氏という人物である。この名前を覚えていてほしい。 - 悪魔の機械
旧SCP-995、『The Infinite Devil Machine』。よくわからないがとりあえず悪魔のような何からしい。後にSCP-1995の名前の由来になっている。 - プロメテウス合金
SCP-148、『「テレキル」合金』の旧版。今は存在しないオブジェクトへの言及が存在する。SCP-132-ARCとSCP-035において言及されている。 - リリス
SCP-336、『リリス』の旧版。銀化合物をしようしていない鏡があればそれを通じて他の鏡に転移できる・声を聞いた人が思うままに操られてしまう・美人だが性愛の感情を起こさない・普段は財団でメンタルセラピストや他のSCPと財団職員の仲立ちをさせる、とまあ好き放題な特性を盛りに盛られていた。現在は大改稿に伴い、近くの男のおちんちんがもぎれ、それはやがて何かしらの生き物として生まれ変わるという特性にトーンダウンした。しかし『事件239 クレフ-コンドラキ』では明らかに旧版のリリスでないと話が通じない場面が存在する。 - ジャック
旧SCP-952『ハートのジャック』。若い女の子を探して自分だけ気持ちよくなるセックスを敢行し、挙句子を孕ませて行方をくらますクズ男。しかもその子供はバケモノになるというおまけつき。AdminBright氏の著作だが流石に性的に露骨すぎて低評価削除されてしまった模様。Tale『Jack of Clubs』にのみ言及されている。後にdjkaktusがSCP-2254 (魔性のラハイアと情欲の谷)として設定を再生している。 - エポン
改稿前のSCP-166『年頃のサキュバス』。削除こそされていないが改稿で『ただの年頃のガイア』になっている。Tale『ある自殺者のメモ』のSCP-166は改稿前のほう。改稿理由はこれも性的すぎるというもの。 - PSR B0531+21
旧SCP-1548 『きらいきらい星』 (→ SCP-1548(Von Pincier)を参照) 。いくつかの記事には未だに登場する、地球になぜか怒りを覚え遠くから接近してきているパルサー。作者のVon Pincier氏がSCP Foundationと決別し、RPC Authorityのサイトスタッフになったため削除されている。RPC AuthorityとSCP Foundationの確執は大きく、作者名はディスカッションで言及されていない。 - ミスター・しんちゅう
旧SCP-629、『ミスター・しんちゅう』。ワンダーテインメント博士のリトル・ミスターズのリストに未だに掲載されている。作者は先程の『世界の歴史』の著者、Roget氏。彼女は性自認やシニアスタッフとの性的なトラブルのことでSCP Foundationを離れ、その際に女版Fishmongerになりかけた。SCP-629自体は現在『ミスター・ブラス』に差し替えられている。ちなみにSCP-048のところで言及していたharmonyFMとは現在のRoget氏の名義でもある。 - ヨブ記10章10節:『あなたはわたしを乳のように注ぎ、乾酪のように凝り固まらせたではないか。』
旧SCP-6542、『ヴァージン・デイリー』。現在全く同じナンバーで同じ名前のオブジェクトとして投稿されているが内容はかなり異なる。いずれにしろ、チーザス・クライストはTaleで必要とされ、それにともなって再び蘇ったので、棺はからっぽなのである。 - 失われたもの
旧SCP-1162『壁の穴』。手を突っ込むと昔なくしたものを取り戻せるが、今持っているものを失う。著者のJustUsWill氏がサイト内でトラブルを起こし退会した。
ちなみに最初はACSフォーマットなのに、その後のテンプレートはBlack Highlighterという旧時代のSCP Foundationを思わせる物。これも、昔のSCPの記憶を想起するという意図によるものらしい。空想科学部門が出てくるのは、空想科学部門が財団世界にとっての神=SCPコミュニティの著者たちを扱う部門だから。
番号が黒塗り3桁になっているのは、他の記事に存在する黒塗りのアノマリーは同じように削除され忘れ去られたのだ、というメッセージとのこと。
関連コミュニティ・チャンネル
関連項目
脚注
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