JR EAST Train Simulatorとは、音楽館が開発し、JR東日本が発売した列車運転シミュレーションゲームである。
概要
2022年9月2日。突如としてJR東日本が発表し、Steamページを設置したことで大きな話題となった。国内のトレインシミュレーターといえば、TAITOの発売する電車でGOシリーズや音楽館のTrain Simulatorなどが主なものとしてあげられる。しかし、Switchなどのコンシューマーはいざしらず、PC版はFINALの発売から18年に亘って国内向けトレインシミュレーターの大きな動きはなかった。許諾を出す側であったJRが公式に乗り出したことが大きな特色といえる。
当初より特に海外勢からの期待が高く、発売から間もなく、Steamの全売上トップという好成績を叩き出しており、滑り出しは順調なようだ。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/MinoruMukaiya/status/1572080611338366978
開発の音楽館は冒頭にあげたTrain Simulatorシリーズを手掛けていた所であり、ゲームシステムやUIもその影響を強く受けている。
映像は電車でGOシリーズのような3Dモデルではなく、実際の運行時の映像を用いており、加速や減速に応じて随時画面が移り変わるようになっている。しかし、推奨環境はi5の第6世代以上にGTX1060以上とそれなりのものを要求されるので、グラボを積んでいないデスクやノートPCでのプレイは諦めたほうが良い。
プレイ時は実際の車両を素にした運転台や計器がそのまま再現されており、臨場感を醸し出している。実際に鉄道運転士が用いるシミュレーターを基にして作られているようだ。
リリース日は2022年9月20日。当初の価格は980円だったが、11月の正式版リリースにより2980円に値上げされている。
正式版リリース
2022年11月1日にJR東日本より正式版リリースが告知され、その仕様が明らかになった。
価格は2980円+DLC。リリース日は11月15日。東海道線、中央線、大糸線の三路線が実装され、基本パックとDLCの構成に分かれる。
基本パックは数駅しか運転できなかったが、2023年4月のアップデートでアーリーアクセスから削除されて多くの不満があがっていた京浜東北線が実装され、改善がなされた。しかし、より多くの路線を長く楽しみたいならばDLC導入は必須である。
収録路線
正式版 車両は現行で走行している車両のみ。ダイヤは基本各駅停車。
- 中央線 上り 高尾→八王子(DLCで東京まで拡張)
⇒高尾→東京 快速1654T、高尾→東京 中央特快916H - 東海道線 下り 東京→品川(DLCで熱海まで拡張)
⇒東京→熱海 普通1865E、東京→小田原 普通1525E - 大糸線 下り 松本→梓橋(DLCで南小谷まで拡張) ※車内アナウンスつき
⇒松本→南小谷 普通5329M、松本→穂高 普通3113M、松本→信濃大町 普通3241M - 京浜東北・根岸線 南行 大宮→大船
⇒大宮→大船 快速1275A、大宮→磯子 各駅停車727B
以下は基本パックでは収録されていない路線
- 埼京線・川越線 下り 大崎→川越
⇒大崎→川越 快速1349F、大崎→大宮 各駅停車759K - 仙石線 下り あおば通→石巻 ※車内アナウンスつき
⇒あおば通→石巻 普通1221S、あおば通→多賀城 普通763S、あおば通→松島海岸 普通781S - 京葉線 上り 蘇我→東京 ※車内アナウンスつき
⇒蘇我→東京 普通1510Y、蘇我→東京 普通780Y - 山手線 内回り 大崎→大崎 ※車内アナウンスつき
⇒大崎→大崎 普通1208G、大崎→大崎 普通876G - 常磐線 下り 品川→勝田 ※車内アナウンスつき
⇒品川→勝田 普通1177M、品川→土浦 普通1157M - 信越本線 下り 直江津→新潟 ※車内アナウンスつき
収録予定
DLC価格は東海道線、常磐線、信越本線が3980円。他は2980円。
現況
アーリーアクセス当時は好評が優勢だったものの、以下に列挙する諸問題により、やや不評にまで評価を落としてしまっていたが、2023年にはいってから大幅な改善がなされ、最近のレビューでは非常に好評まで持ち直している(2023年6月7日現在)。
以下にあげる問題点については主に電車でGOと比較したものが多く、あくまでシミュレーターであるため、ゲームの電車でGOと比べるのは筋違いだという反論もある。
製品内容に関する問題点
- アーリーアクセス後半からの問題だった、フルHD以上のディスプレイでプレイしたときのズレが正式版をリリースしても直っておらず、数週間以上放置された(12月9日アップデートにより現在は改善)
- 車内アナウンスや発車メロディーがない。(車内放送については一部路線で収録予定)
- ダイヤが基本的に一つしか無く、プレイできる幅が狭い。(中央線ならば通勤快速や中央特快などがあるのに快速のみ)→2023年8月のアップデートによりダイヤが2、3種類可能になった。
- 画像埋め込みが信号にしかなく、速度制限標識や勾配標識などといった運転上欠かせないはずの制限標識が非常に分かりづらい(業務用から持ってきた為生じた問題と思われる)。→制限速度や勾配表は右側の速度表示と同じ場所に表示されるようになった。
- 運転台に備わっている計器などの説明が一切なく、ゲーム上では最低限の動かし方しか教えない為初心者お断りの仕様となっている
- 前面展望のソースが古い(高輪ゲートウェイ駅がない、2019年に取り壊されたはずの施設が現存しているなど2018年より前に撮影されたものの可能性)
- フルHDで撮影されている為、4KやWQHDが普及した今から考えると若干見劣りがする画質(そしてそれに起因する不具合が一番上)
価格設定などの過去の問題点
- 現状最初に購入できる2980円の本体は基本パックと呼ばれるが、現在収録されている全路線が運転できるが、ほんの数駅程度しか運転できない。事実上の体験版に3000円近く取っていることになっていたが、2023年4月のアップデートで京浜東北線が全線実装されたため、釣り合いのとれる形となった。
- DLCの価格がクオリティに対して割高(三路線揃えると1万円近くする)。東日本管内全線運転できるのはいいが、上記の問題点を抱えているのを考えると、高額だという意見も見られる。もし、仮にこの価格で京葉線や総武線など首都圏の路線を揃えるとなると数万円を超えるのは確実だろう。
関連リンク
関連項目
- 0
- 0pt