Steamとは、アメリカのValve社が運営するPCゲームのDRM(デジタル著作権管理)兼ダウンロード販売プラットフォームである。
概要
海外・国内問わず大手ゲームメーカーの作品からマイナーな独立系ディベロッパーの作品まで、様々な規模・価格のPCゲームやアプリケーション、動画作品を取り扱っている。PCゲームダウンロード販売のプラットフォームとしては最大級のもので、2017年現在、総合的な数では70,000以上のコンテンツが取り扱われている。(記事のある一例はSteamで販売中のゲームの一覧を参照)
サービスを利用するにあたって専用のSteamクライアントソフトをダウンロードする必要がある。
ダウンロード販売を中心として他にも様々なサービスを提供している。
- ゲーム販売・配信機能
- ゲームの販売・決済機能(ギフト用途の購入も可能)
- RPGツクールや3Dモデリングツール、音声オーサリングツールをなど非ゲームソフトウェアの販売
- DEMO版やF2P(Free to Play)タイトルなどの無料配信
- 配信タイトルのPVやスクリーンショット、詳細文や必要スペックを掲載、カスタマーレビュー機能
- Steam Workshop - MODの配信
- 新規配信タイトルや売れ筋タイトルなどをトップページに掲載
- ディスカバリーキューによるランダムなおすすめソフトの探索
- 大手以外のインディーズタイトルの宣伝・販売
- 早期アクセスゲーム(先行β版)の販売
- Steam Greenlightによる新規インディーズ配信タイトルの選考(2017年6月6日に廃止)
- Steam Directによるゲームの配信プログラム(Greenlightの後継)
- Steam ファミリーシェアリングによるライブラリの共有
- ゲーム管理機能
- コミュニティ・SNS機能
- その他
決済方法
ゲームの決済は全てSteamクライアントを利用した暗号通信で行う。支払いにはクレジットカード、VISAプリペイド、PayPal等が使用可能。
2013年からはデジカ提供のサイト「PROスチーマー」にユーザー登録することで、STEAM用通貨をコンビニ決済できるようになった。
2014年8月にはデジカの決済システム、Komojuを利用したコンビニ決済、銀行振り込み、Pay-easyでの決済が可能になり、11月にはWebMoneyでの決済も可能になった。
2014年8月からは旧来のドル表記に代わって、全てのゲームが日本円表記されるようになった。
決済方法一覧
- クレジットカード, VISAプリペイドカード
- コンビニ決済、銀行振込 - PROスチーマー
- 決済仲介システム - PayPal, WebMoney, Komoju, Pay-easy
- Steamウォレット
利点
価格
販売価格はパッケージ版よりも概ね割安であり、基本的に古いゲームほど安く設定されている。さらに日替わりセールや、たびたび開催される大規模なセールやによって、時々により様々なソフトがおおよそ25%~75%OFFで割引販売される。数あるダウンロード販売サービスの中でも、Steamは割引セールの充実さが売りである。
セール時には1,000円どころか500円で買えるゲームも多い。中には90%OFFで数十円なんてのも。この安さのため、セール時にとりあえず買ったもののプレイせずにいる積みゲーを大量に抱えるスチマーも大勢いる。
セールを状況を常に把握したいというプロスチマーな方にはProSteamerというサイトがおすすめ。サイトでのセール一覧に加え、twitterでフォローすれば通知もしてくれる。(2016年12月31日に閉鎖)
品揃え
PCゲームでは古きよきゲームと呼ばれるものから最新ゲームまで扱っており、ダウンロード販売であるため、品切れということがない。
ダウンロード販売である利点
- その場で購入し、その場でダウンロード・インストールしてすぐに遊べる
- ディスク認証が不要
- 購入情報はアカウントごとに記録されるので、いつでも再ダウンロードができる。
- 購入情報はアカウントごとに記録されるので、ゲームを購入した後は、Steamを通してどのPCからでもゲームをダウンロードし、プレイすることが可能となる。ただし、複数のPCで単一のアカウントを同時に利用することは出来ない。
ローカライズ
また、一部のゲームは公式に日本語化されている。日本語に対応しているゲームは、クライアントの言語設定を日本語にしておくと、自動的に日本語版をダウンロードしてくる。しかしあくまで一部であり、Steamで手に入るゲームの多くが海外版であることに注意。
マルチプレイヤーゲームにおけるチート対策
Valve Anti-Cheat(VAC)というValveによるチート行為対策の機能が盛り込まれており、対応したマルチプレイヤーゲームにおいては厳しい監視がなされている。これに違反したユーザーのアカウントは保有するあらゆるVAC対応マルチプレイヤーゲームからBANされ、基本的にいかなる理由があっても処分が取り消されることはない。
返金制度
基本的にダウンロード販売では返金不可能であることが多く、Steamもかつては同じく該当したが、現在では返金に対応している。これは万が一、PCの動作環境に問題があってプレイできなかったり、誤って購入してしまった場合に受けられるサービスである。なお、返金制度の条件を満たしていれば、単に面白くなかったから…といった理由でも返金可能であると明記されている。
留意点
販売制限
リージョン制限によって日本からは購入ができないゲームタイトルがある。また、日本でのみ高額に設定されたゲームタイトルもいくつかある。いわゆる「おま国」「おま値」問題。
→ おま国
日本語版が少ない
注意点としてはSteamで手に入るゲームのほとんどが日本語化されていない。有志で日本語化パッチが配信されているものも多くあるので、その場合は手動で日本語化しよう。また、Steam Translationに参加することでストアページや一部の配信タイトルの翻訳をボランティア(Steamマネーでの報酬あり)として行うことが出来る。ただし、審査が謎に難しくハードルは結構高めである。
その他
- オンライン認証
- Steamのゲームは初回起動時にインターネットで認証する必要がある。かつてはシングルプレイタイトルでも常時接続が必須だったが、オフラインモードの導入により、初回起動時のみの認証でよくなった。
- ゲームのダウンロードに時間を要する
- またオンライン購入の場合はゲーム本体をダウンロードする必要があり、最近のタイトルだと数GBは当たり前、下手すれば10GB近くのファイルをダウンロードするのでプレイまでの待ち時間が非常に長くなる場合がある。当然自分の回線速度も影響するが、Steamのサーバー側の速度が遅いとどうにもならない(サーバーの接続先を変更すれば改善する場合もアリ)。ダウンロード完了後はゲームのバックアップが可能なので時間を短縮できる。Steamクライアントでのブラウジング中はバックグラウンドでダウンロードするが、ゲーム起動中はバックグラウンドでのダウンロードは一時停止されるのに注意。予約購入したものであれば、発売日前(プレイ解禁日)の数時間前にダウンロードを行うことが出来る。
- 自動更新の弊害
- ゲームにMODを導入している場合、自動更新によるバージョンの不整合でMODが動作しなくなることがある。自動更新はゲームリストでON/OFFの切り替えができるので、MODを導入している場合は注意したい。2017年現在は自動更新の停止は不可能である。一部タイトルでは前バージョンのダウンロードも可能。
- 最新版ではない場合もある
- 極一部ではあるがSteamでは最新パッチではないゲームも存在する。PCゲームでの基本ではあるが、アップデート方法やパッチ毎、各言語での仕様などは収集してからの購入をお勧めする。また、最新版と言っても、あくまで開発・販売元やタイトルごとの最終更新版であり、古いゲームの場合は最新のOSやデバイス環境に最適化されておらず、サポートも受け付けていないものがそのまま販売されていることもある。
備考
- 一部タイトルはパッケージ化されており、中古で元の所有者によってSteam登録されたパッケージ品も、サポートに申請すれば自分のアカウントで有効化が可能。
- Valveの表記と同様文字表記の際はSteamだが商標やロゴはSTEAMと全て大文字である。
- 一部のユーザーからは「スチムー」、配信ゲームは「ゲムー」とも呼ばれる。これはサービス開始当初の日本語環境では、フォントの不備により「ー」等の記号の描写位置に問題があり、「スチーム」「ゲーム」はそれぞれ「スチム-」「ゲム-」のように表示されていた為である。
- 「スチムー」同様、一部のユーザーはSteamでのゲーム購入を「開発」と呼ぶ。これはゲーム購入処理時、「処理実行中」の意味で使われた「Working」が「開発中」と訳されてしまっている為である。普通に考えれば誤訳、しかも決済系に関わるローカライズだが定着してしまった為か修正はされていない。
関連項目
- Valve
- PLAYISM
- 鍵屋
- 洋ゲー
- おま国
- PCゲーム
- 早期アクセスゲーム
- インディーゲーム
- MOD
- Steamで販売中のゲームの一覧
- Steamで販売中のゲームの一覧(ジャンル別)
- Steamアワード
- Steam Deck
関連リンク
- 公式サイト
- Steam コミュニティ :: グループ :: [NicoNico] Co-op Community
- 有志が日本語化した海外ゲームのまとめ Wiki
- Steam Status - サーバーの状態やプレイヤー数などの観測
- Steam DB - プレイヤー数やストアに登録された製品IDの観測
Steam以外のダウンロード販売プラットフォーム
- EA Origin - エレクトロニック・アーツ社専用の配信サービス
- Ubisoft Club - Ubisoftの専用配信サービス兼DRM、旧Uplay、ゲームはSteamからも購入可能
- GOG.com - 古い海外PCゲームを多く扱っている
- GamersGate
- Amazon.co.jp: PCゲーム ダウンロード販売
- PLAYISM - 国内・海外のインディーズゲームを日本語化してダウンロード販売している
バンドルサイト/Steamキーを販売しているサイト
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