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エノク単語

エノク

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エノク、あるいはイーナックイーノックとは、

  1. ユダヤ教キリスト教イスラム教などの典に登場する人物。アダムイブの孫の孫の孫。「ノア舟」のノアのひーじーちゃんにあたる。本項で詳述する。
  2. ユダヤ教キリスト教イスラム教などの典に登場する人物。アダムイブ長男であるカイン息子。また、カインから追放されて辿りついた土地「ノド」に建設した都市の名前。息子の名前から名付けた。
  3. 上記1.に由来する人名。
  4. タヌキを意味するドイツ語りはEnok。ただし別名・俗称のようなもので、正式にはタヌキは「マーダーフント(Marderhund)」と呼ぶらしい。

概要

ユダヤ教典「タナハ」のうち、「トーラー」という部分の、最初の書「ベレシート」に登場する。最初の人間アダムイブの三男セトの、孫の孫の息子。「ノアの方舟」で有名なノアの曾祖である。

「タナハ」は宗教であるキリスト教イスラム教においても、名前を変えて典として継承されている。例えばキリスト教では『タナハ→旧約聖書』、『トーラー→モーゼ五書』、『ベレシート創世記』と呼び換えられている。

よって、キリスト教イスラム教においてもエノクは典に登場する人物としてそれなりに敬って扱われる。新約聖書の『ルカによる福音書』によればイエス・キリストの先祖の一人でもある。ただし、後述するように広く正統と認められている典では文中でチラリと触れられるだけなので、メジャー大人キャラというわけではない。

タナハが書かれた原であるヘブライ語での表記は「חנוך」。現代ヘブライ語の発音では「ハノーホ」「ハノッフ」という感じで発音される。現在ではこの単は「教育」「訓練」を意味する言葉となっている。

英語では「Enoch」と表記し、「イーナック」または「イーノック」と発音される。

ニコニコ動画では、2010年ごろにシュールプロモーションビデオのために一躍話題となったゲームエルシャダイ」の主人公イーノック」のモデルとなったことで有名かもしれない。それに関連した事柄については下記の「エノク書」の項で触れる。

旧約聖書 ―― 「神とともに歩む者」「神に連れて行かれた者」

ユダヤ教ユダヤ人民族宗教と言う性質が強く、一般的にはさほど布教や教義宣伝に熱心ではない。そのため、ユダヤ教典としての「タナハ」の情報は乏しい。よって、キリスト教によってまとめられた「旧約聖書」における情報を記載する。

旧約聖書では、「創世記」の第5章でエノクの名前が登場する。この章はアダムからその子孫をたどって、ノア息子までの系譜を列挙している項である。

その章からエノクに関する記載を抽出してざっとまとめると、

「ヤレド息子で、ヤレド162歳の時に生まれた。エノクが65歳の時、エノクの息子メトセラが生まれた。メトセラが生まれて300年後、エノクはとともに歩む者になった。よって彼の人生365年間である。とともに歩むようになり、が彼を連れて行ったので、彼はもう居なくなった。」

とある。これが旧約聖書正典において、彼に関する情報のすべてである。

 

とともに歩むようになった」「が彼を連れて行った」と意味深な表記がしてあるのが特徴的である。これは「死」を暗喩しているだけのようにも思えるが、注意すべきは第5章で登場する他の人物は皆「死んだ」とはっきり記載してある点である。エノクだけがこういっためいた書き方をされているのだ。つまり、「彼だけは死ぬことなくの御許に引き上げられた」と解釈する事もできる。

この不思議な記述から、下記の「エノク書」の内容が生したのかもしれない。あるいは逆に「エノク書」の内容が影して「創世記」第5章のエノクの部分だけに手が加えられたのかもしれないが……。

メソポタミア神話からの影響?

なお、旧約聖書物語の多くの部分は古代メソポタミア地方(シュメール、アッカド、バビニアなど)の神話の影を受けているとされる。例えば旧約聖書ノアの大洪水に類似した話は、それより時代をさかのぼる古代メソポタミア神話にも登場している。

そしてシュメール神話では「大洪水以前の時代の」「7番」の王エンメンドゥルアンナ(Enmendurana)について、「によってに挙げられ、知識を授けられた」という伝説を伝えている。

ノアの大洪水以前の時代の」「アダムから数えて7番」のエノクが「に連れていかれた」という上記の旧約聖書内のエピソードについて、このエンメンドゥルアンナ伝説からの影ではないかという説もある。

エノク書

エノクについて詳細に記された聖書関連文書。いずれの「エノク書」も、多くの宗では「外典」「偽典」と分類されてしまっている。

これらによって描かれるエノクの運命や天使たちの堕については、ゲームソフトEl Shaddai - エルシャダイ -」のストーリー全体のモチーフにもなっている。

第一エノク書

キリスト教の一エチオピア正教」(および1993年エリトリア独立時にそこから分したエリトリア正教)においては、他の宗と違って「旧約聖書正典」として認められている。外典や偽典と見なされてばかりのエノク書の中では重な例外である。

下記の「第二エノク書」「第三エノク書」と区別するために「第一エノク書」などとも呼ばれる。単に「エノク書」と言った場合はこれをすとも言う。エチオピア版エノク書、ゲエズ版エノク書とも。

「見り番の天使」たちの堕、エノクがから得た啓示などがられていく。ちなみに、この「見り番の天使」たちはギリシア語だと「ἐγρήγοροι(エグリゴリ)」。「見る」の意である。スラブの「第二エノク書」ではそのまま音訳され「グリゴリ」となっている。彼らエグリゴリメンバーには、「アザゼル」などが居る。

「エグリゴリ」や「アザゼル」は、漫画ARMS」に登場する固有名詞の元ネタとなっている。

第二エノク書

第一エノク書の影を受けて記されたと思しき書。スラヴ古代教会スラブ語)版のみ現存する。スラヴ古代教会スラブ語)版エノク書とも。

第三エノク書

第一エノク書の影を受けて記されたと思しき書。

この第三のエノク書では、特にエノクが「天使となる」という点を強調して描いている。その天使の名を「メタトロン」と明記していることも特徴らしい。

死海文書

死海文書の中には、エノク書の断片が含まれていたと明らかにされている。

新約聖書

ユダヤ教キリスト教独自の典「新約聖書」ではどうかと言うと、三つの部分にだけその名前がちらりと登場する。

ルカによる福音書

ルカによる福音書」では、イエスの先祖がアダムまでさかのぼる形で書き連ねられ、その過程でエノクの名も記される。つまりエノクはイエス・キリストの先祖である。

しかし「ノアの方舟」の神話を信じるならば現存する人類はすべてノアの子孫である。ということはノアのひーじーちゃんであるエノクは、イエスに限らず全人類の先祖でもあるのだ。

ヘブライ人への手紙

「ヘブライ人への手紙」では、信仰の尊さをる章で、「エノクはその信仰のために、によってへと移され、死に遭わなかった」と言う事が引き合いに出されている。

この「ヘブライ人への手紙」の著者も、旧約聖書創世記第5章の記述を「エノクだけは死ななかった」と解釈していたことが解る。

ユダの手紙

ユダ手紙」では、不信心者へのめをる章で、「不信心者はなー、そいつらがやったろくでもないことやへの悪口のせいで、神の子分たちにギッタギタにされるんやで」というエノクの預言を紹介している。

この預言は前述の「エノク書」からの引用とみなされている。「正典内に偽典からの引用がある」という、しい例として知られる。

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最終更新:2019/08/23(金) 22:00

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