タチカゼ(競走馬) 単語

タチカゼ

2.2千文字の記事

タチカゼとは、1946年生まれの日本の元競走馬・元種牡馬である。鹿毛

生産者:小岩井農場、調教師:伊藤勝吉、馬主:熊谷八郎

通算成績16戦7勝[7-3-0-6]
な勝ち
1949年:優駿競走

※当記事では馬齢を旧年齢で表記します。

概要

プリメロイギリス生産アイリッシュダービーアイリッシュセントレジャーを制し、日本小岩井農場に種牡馬として輸入され、ダービー4頭、皐月賞5頭、菊花賞3頭、桜花賞2頭、オークス1頭の活躍を出した大種牡馬第参パプースのシアンモアダービー3頭、皐月賞桜花賞オークスを1頭ずつ出した大種牡馬という良血。体高165雄大体の持ち

調教師伊藤勝吉はダービー病といわれる程にダービー制覇に執念を燃やした男だった。

ダービー病患者の夢を乗せて

タチカゼは1948年11月13日ダービー制覇というを背に京都競馬場デビューする。デビュー戦をキングライトの4着に敗れるも10日後の2戦で勝ち上がり、三戦キングライトの6着で殿負けを喫し、勝吉を激怒させ、3歳を終えた。

年が明けて4月の四歳新でヤシマドオターに首差及ばず2着に敗れる。翌の次戦は逆に首差いで勝利し見事ダービー出走権を得て勝吉を安堵させた。ここで長い距離に慣れるために1700mと2000mのレースに出すことにしたのだが、またもやキングライトに惨敗し次戦も惨敗。この結果は勝吉を大いに失望させ、営に波が立つことになる。

ダービー狂い遂にトチ狂う

なんと勝吉はダービー開催を前にして京都に戻ると言い出したのである。理由はこんなではダービーには勝てぬから京都に戻って来年に備えるというものだった。驚いた騎手近藤武夫は引き留めようと「万が一、勝ったら賞金はどうすれば良いか」と尋ねると、勝吉は「と一緒に熱海温泉に入って全部使ってしまえ」と吐き捨てて本当に京都に帰ってしまった。

調教師に見限られたことはファンにも入り、タチカゼは23頭中19番人気低評価6月5日ダービー当日を迎えた。圧倒的1番人気皐月賞トサミドリ、2番人気桜花賞ヤシマドオター、4番人気にはおなじみキングライトもおり、わずか72票の馬券を買ったファンの一部(タチカゼの番14で自分の誕生日が14日はまだしも、13番窓口が混んでいて仕方なく14番窓口で購入した者もいた)上の近藤以外にその勝利を信じる者は居なかった。

もっとも運の良い馬

ダービーレース開始とともに好スタートを切ったトサミドリが2コーナーで先頭に立つとそのまま大逃げを打って3コーナー逆噴射して勝手に自滅、ミネノマツの落に巻き込まれたヤシマドオターが内ラチを飛び越えて重傷を負って競走中止、更にもう一頭落で先行勢総崩れというとんでもない展開となった。

後方待機策のタチカゼはを受けず、直線で中段から進出し、12番人気シラオキを半馬身抑えて優勝8着のキングライトにも先着できた。やったー。

単勝配当55430円、複勝9230円の大波乱であった。

京都でタチカゼの勝利を知った勝吉は大いに後悔した[1]が2度とダービーを勝つことはなかった。

その後

ダービー後のオープン戦またしてもキングライトの2着に敗れるも、次戦で勝利を挙げ2番人気で堂々と菊花賞に挑むがトサミドリの4着に敗れた。ちなみに2着はキングライトであった。また、お前か。

1950年4月1日の初戦を惨敗から始まり、次戦も桜花賞ミスリラダービー3着のホウシユウに1馬身差で2着に敗れるもそこから3連勝でホウシユウトサミドリを下して4月29日レースを最後に引退した。特に引退レースとなった3勝オープン戦ながらもレコードトサミドリをアタマ差差し切っての勝利ダービーの面躍如であった。トサミドリとは斤量差が11kあったが。

生涯戦績16戦7勝。

種牡馬としては活躍が出ず、1965年心臓まひで死亡した。

現役時代は大柄で日によって強弱の差がしいところが相撲横綱男女登三に似ていることから男女(みな)のと呼ばれていた。

血統表

*プリメロ
Primero
1931 鹿毛
Blandford
1919 黒鹿毛
Swynford John o'Gaunt
Canterbury Pilg
Blanche White Eagle
Black Cherry
Athasi
1917 鹿毛
Farasi Desmond
Molly Morgan
Athgreany Galloping Simo
Fairyland
第参パプー
1940 黒鹿毛
FNo.5-a
*シアンモア
Shian Mor
1924 黒鹿毛
Buchan Sunstar
Hamoaze
Orlass Orby
Simon Lass
*パプー
Papoose
1928 黒鹿毛
Papyrus Tracery
Miss Matty
Fluff Eider
Trenton Queen
競走馬の4代血統表

クロス:5代内アウトブリード

関連項目

脚注

  1. *京都競馬場ラジオを聞いていた勝吉は何かの間違いではないかと友の尾形藤吉電話をかけたがタチカゼの勝利を聞き「へえーっ」と悲鳴を上げてを抜かしたまましばらく立ち上がることができなかったという。
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