チーム・ロータス 単語


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チームロータス

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チーム・ロータスとは…

  1. 1958年から1994年まで参戦していたF1世界選手権コンストラクター。本項で紹介
  2. 2011年に参戦していたF1世界選手権コンストラクター。後にケータハムF1

概要

ロータスエンジニアリングの創設者であるコーリンチャップマンが創設。その後は部門をロータス・カーズへ分離している。

1960年スターリング・モスによって初勝利を得てチャンピオン争いにくい込み始め、モス引退後はスコットランド人のジム・クラークエースを務め、1963年1965年と連続でチャンピオンを獲得する。
しかし1968年F2レース参戦時に事故死してしまう。代わってエースとなったグラハム・ヒルの手で1968年チャンピオンを獲得した。

1970年にはくさび形のボディを持つロータス72によってヨッヘン・リント勝利を重ねた。しかしイタリアGPで事故死してしまう。その後は彼のポイントも上回ることができず。一死後にチャンピオンを獲得することとなった。

1972年にはブラジル人のエマーソン・フィッティパルディによってダブルタイトルを獲得、翌年にはフィッティパルディ、ロニー・ピーターソンの二人によって勝利を重ねてコンストラクタータイトルを獲得した。フィッティパルディがマクラーレンに移籍してからは、ロータス72の後継開発に失敗し、ややジリ貧となったこともあったがマリオアンドレティらの努力もあり、成績は再び上向き出す。

1977年には、ボディ下面をベンチュリー構造にしたグラウンドエフェクトカー開発、翌年にはマリオアンドレティによってチャンピオンを手にした。しかしこれが、ロータスにとって最後のチャンピオンとなった。

その後は行きすぎた力構造のロータス80でつまづき、ウィリアムズなどの他チームリードを許して四苦八苦してしまう。1982年シーズンには久々勝利を挙げるが、後にチャップマン心筋梗塞によって急死してしまう。

1985年アイルトン・セナが加入すると、彼の天才的な走りによってチャンピオン争いにも絡み始めるようになる。しかし彼がマクラーレンに移籍すると再び低迷する。一方で、日本人初のF1ドライバーとして中嶋悟1987年に加入、1989年までドライブした。

1990年になると資金難に襲われ、モノコックを破壊するほどの大事故にも見舞われて、メインスポンサー契約解消、チームスタッフの多くが離脱するなど、撤退の危機する。

1991年には、元ベネトン監督ピーターコリンズを中心に再建のをはかる。スポンサーにおいてはバブル経済末期日本より多くの企業からの支援を受けるようになる(タミヤコマツなど)。ドライバーとしてフィンランド人のイギリスF3チャンピオンミカ・ハッキネンを起用する。セカンドドライバーは紆余曲折あったが、ジョニー・ハーバートレギュラーとして定着することになる。

1992年には戦闘力のあるマシンを手にすることで、コンストラクターズラキング5位にまで上がり、スポンサーも増えるようになった(日立シオノギ製薬、など)。シーズン中盤からはカストロールが待望のメインスポンサーとなる。

しかしハッキネンが離脱すると戦力が低下、1994年には再びメインスポンサーを失って資金難に陥る。
加えてドライバー事故死(→イモラの悲劇)による急レギレーション変更に伴うマシンの改修が資金難に拍をかけ、ついにその年を以て撤退することとなった。

 チームの所有権は、F1チャンピオンジェームス・ハントデイヴィッドハントが所有し、2011年ロータス問題のきっかけを持つこととなった。

技術革新

チャップマンはチーム・ロータスの中で、数多くの技術革新F1にもたらした。
それらは、モータースポーツ全体、引いては世界自動車界全体にまでを及ぼしている。

1960年ロータス18では、それまでフロント部分に搭載されたエンジンを、コクピットのすぐ後ろに搭載するミッドシップマウントを採用。回頭性のよいマシンは、ノンタイトル戦で初勝利し、同マシンを購入したプライベートチームに参戦したスターリング・モスによって選手権での勝利も手にした。パワーのあるマシンコーナーリングで打ち負かすというチャップマンの得意技が発揮されたのである。

1962年には、それまでの鋼管スペースフレームのボディからバスタブ形のモノコックシャシーロータス25で採用。剛性の向上と低重心化に貢献した。

1967年には、エンジンをモノコックシャシーの後部にそのまま取り付けるようにし、背のような構造物としてあつかうようになった(ロータス43、ロータス49)。この年にはエンジン規定が変わったことで、フォードコスワースDFVエンジンロータスによってデビューした。このエンジンは、10年以上にわたってF1マシンエンジンで有り続けることになる。

翌年には、フロントとリヤにウィングが取り付けられた。ダウンフォースの効果が認知され始めたのである。特にリヤウィングは非常に高い位置に取り付けられた。しかしウィングそのものが非常に脆弱で壊れやすく、外れた際にスピンしやすいなどの問題で、レギレーションによってリヤウィングの高さに制限が出された。この後、ダウンフォースをより多く獲得することがレーシングカーデザインの第1義となっていくことになる。同じ年には、それまで別のカラーリングをすることが当たり前だった中で、初めてスポンサーカラーリングを施すこととなった。また、自動車に関連しない企業(たばこメーカーなど)をメインスポンサーにしたのも最初である。

1970年には、くさび形(ウェッジ・シェイプ)ボディのロータス72を登場させる。ボディ全体でダウンフォースを稼ぐことを的にしたマシンは長きにわたって活躍。1975年までに3度のコンストラクタータイトルを手にした。このマシンによって、フォーミュラカーはそれまでのコクピットの前にラジエターを置く葉巻からボディサイドサイドポンツーン)にラジエターを置くスタイルに変化。現代まで続く形の基本が出来たのである。

そして1977年には、体下部をベンチュリー構造にすることで大きなダウンフォースを得られるグラウンドエフェクトカーロータス78を開発、翌年にはスライディンスカートによってさらにダウンフォースを増加させることに成功し、採用されたロータス79でチャンピオンを手にした。このグラウンドエフェクトは現代のF1のみならず、ほとんどのレーシングカースポーツカースーパーカーくてはならないものとなっている。

しかし、チャップマン自身にもいくらかの失敗はあった。

四輪駆動4WD
当時の技術力では特有のアンダーステアを解消できず、重量面のデメリットも大きかった。
ガスタービンエンジン
コーナーの多いヨーロッパサーキットでは価を出せず。インディ500では威力を発揮したが、諸要因により勝利は掴めなかった。
H16気筒エンジン
BRMが作ったこのエンジンは、直接的にはチャップマンの失敗とはいえないが、あまりにも複雑すぎて重く、フォーミュラカーシンプルこそベストという教訓を残した。→英国面
それでも1勝を挙げ、駄に頑丈なエンジンブロックは、エンジン全体をシャシー構造の一部とする設計を成功させる元となった。
初のオートF1ロータス76
電磁クラッチを使った、今で言うセミオートマチックミッションを搭載。しかし、当時は新すぎてドライバー違和感を覚えるだけだった。結局、何戦か走っただけでボツに。
可変マシンロータス77
状況によってトレッドやホイールベースを変化できる機構をつけた。だが、「いろいろいじれる」ことは「どういじったらいいかわからん」ということでもあった。最終的にそれらの機構をボツって普通のマシン改造なんとか1勝をあげた(それは76年、はじめての日本でのF1GPであった)。一方で、この77はモノコックシャシーの形状を現代的なシングルキン形に発展させた功績もある。
全なグラウンドエフェクトカーロータス80
前後ウィングすら不要になることを理想としたが、様々な不規則な挙動が起こり、安定した走行ができなくなってしまった。そうこうしてるうちに、ロータス79をうまくパクってアレンジしてきたウィリアムズに優位を握られてしまう。
インシャシー
ダウンフォースを発生させる部分とサスペンションを支える部分を分離したシャシー
チームの反対によって導入できず。うまく実戦投入できていれば成功していた可性はある。
アクティブサスペンション(実戦投入はチャップマンの死後である) 
ロール、ピッチングと言った体の挙動全体を制御することを狙い、その複雑さからにぶつかった。(後にウィリアムズ高を保つことに特化したものを開発し、1992年から93年にかけて絶対優位を築くことになる)

歴代所属ドライバー

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