F1世界選手権(FIAフォーミュラ・ワン・ワールド・チャンピオンシップ、英:FIA Formula One World Championship, F1)とは、国際自動車連盟(FIA)が主催する世界最高峰のオープンホイールカーレースシリーズである。
カテゴリやニコ動タグとして表す場合、F1やフォーミュラ1の略称で表記されることが多いが、F1(フォーミュラ1)とは車体規格としての意味合いもある。現在は4輪一人乗りのフォーミュラカーで行われている。
フォーミュラ1カー規格によって定められた車を用いて争うレースである。世界中のサーキットでおよそ15~20戦以上レースを行い、それぞれのレースの結果で得たポイントの合計で年間チャンピオンを決定する。なお年間チャンピオンはドライバーチャンピオンとコンストラクター(チーム)チャンピオンの2種類が存在する。この世界中を転戦する大規模イベントという点から、F1は通称”グランプリサーカス”とも呼ばれる。
F1世界選手権はヨーロッパで独自に開催されていた各国の最高格式のレース「グランプリ」を転戦するシリーズを作ろうという目的で創設されたため、F1=グランプリという構図がほぼ成り立っている(例外として、日本グランプリが既に全日本F2000で存在していた為、「日本グランプリ」のタイトルをかけることが出来なかった富士スピードウェイでの「F1グランプリインジャパン」がある)。また前述の経緯から今まではヨーロッパを中心に開催されていたが、現在は発展著しいアジアの新興国や中東諸国でも開催されるようになってきた。
F1世界選手権の最大の特徴として、各チームは独自で車体を用意しなければならないという規則がある(一応他社に製作を依頼することは許されているが、それでもチーム独自の車体である必要がある=その車体を他チームが使うことは出来ない)。その為各チームは車体製造者と言う意味の”コンストラクター”という側面を持つ。本来チームとコンストラクターは別義なのだが、F1はこういった事情で同一視されているため、チームの事をコンストラクターと呼ぶこともある。
フォーミュラ1カーを駆るドライバーはどれも超一流であり、いずれも下位カテゴリーでトップレベルの結果を残した選手ばかりである。ドライバーがF1に参加するためには、下位カテゴリー(F2、F3、スーパーフォーミュラ等)でトップレベルの結果を残したうえで、自前のスポンサーを用意しなければならない。後述するがF1は非常に金のかかるスポーツであり、チームとしても自前のスポンサーを持つドライバーに来てもらいたいのである。特に資金力のないチーム程この傾向は強く、昔からF1ではペイドライバーと呼ばれる、実力は無いのに金の力でF1の座を勝ち取ったドライバーが問題視されていた。現在はスーパーライセンスポイントの導入によってこの傾向はやや薄まり、資金力はあってもそれなりの実力が無ければF1ドライバーになることは出来ないようになっている。
F1はモータースポーツの最高峰と認知されており、またチームが自前で車を作らなければならないという点から、世界で最もお金が動くスポーツとしても知られている。チームは年間数十億~数百億円の予算で運営し、ドライバーは年間数千万~数十億円の報酬を得ている。また世界中で放映されているスポーツである為スポンサーも莫大な予算でチームに就く事もある。F1は非常にお金が渦巻く世界でもある。
前述の通り、F1マシンの規格はFIAが定める技術規則(レギュレーション)で細かく規定され、毎年のように改正される。参加チームがこのレギュレーションの範囲内で、知恵を絞って生み出す新技術の開発競争もF1の見どころの一つである。
が、レギュレーションの穴を突いたアイディアを持ち込んで大きな性能向上を果たすチームが現れる→FIAがレギュレーション改正して禁止する、と言った不毛ないたちごっこが繰り返されている問題もある。興行上やむを得ないことではあるが。
また、近年ではCADやスーパーコンピューターによるシミュレーション結果を反映させているために、見た目にも醜悪なデザインになりやすく、レギュレーション規定も美感に配慮した内容が求められつつある。
近年は「エンジン」の開発競争がヒートアップしている。2014年より「パワーユニット」と呼ばれ、1.6L V6 直噴ターボエンジンに、排気熱を電気エネルギーに変える「MGU-H」と、ブレーキ時にホイールの回転力を電気エネルギーに変換、蓄積して、モーターを回す「MGU-K」という2つの装置が組み込まれている。いわゆるハイブリッド車のユニット+αを加速メインで動かしているといってもいいだろう。
さらにこのパワーユニットも、一度登録されてからは大幅な変更、改良を施せないようになっている。例外として、信頼性向上のための改良を条件付きで認めている。
2022年からは現行レギュレーションのパワーユニット開発が凍結された。
ここではF1世界選手権の歴史を追っていく。毎年ドラマが起きるF1だが、ここでは主にマシンの変遷を軸にざっくりと紹介したい。ドライバーズタイトルの行方や、様々な事件については是非皆さんで調べてみて欲しい。山ほど積み重ねられたF1のエピソードを楽しめるはず。
以上のように、F1の歴史は常に技術的ブレイクスルーで優位に立とうとする各チーム・コンストラクターと、そうはさせじと制限を加えようとする主催者とのイタチごっこの歴史でもあった。
あまりにも技術的優位を許すとチャンピオンシップが大味でつまらなくなり、かと言って規則で統制しようとすると、観客からすればインディカーのような他のワンメイクフォーミュラとどこが違うんだという事になり、シリーズ全体の人気に響く。そのバランスを取るのは非常に難しい。F1は世界一のモータースポーツで無くてはならないという、その存在に宿命付けられたものがF1そのものを苦しめているといえるだろう。
特に2014年のパワーユニット採用以来、そのジレンマが顕著になってきている。果たして、今後のF1グランプリはどこへ向かうのだろうか。
さて、ここに示すのはタミヤが上げた模型で見るF1マシンの変遷を示すツイートである。マシンがこれだけ変貌し、そして大きくなってきていることが理解できるだろう。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/tamiyainc/status/1070612927210643457
もう一つ参考に、10年ごとのマシンの変遷を表す図も挙げておこう
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/F1_Images/status/1516741645844238341
1964年に本田技研工業が4輪車開発の研究目的を兼ねて参戦した。当時のホンダは4輪車の販売を始めたばかりであった。しかし、1968年までに2勝を挙げ、一定の成果を上げた。低公害エンジン(CVCC)開発のため、撤退した。
1970年代には幾人もの日本人ドライバーがF1のレギュラーシート獲得のためにヨーロッパで活動するが、レギュラードライバーは輩出できなかった。
一方で1976年に富士スピードウェイで初めてのF1が開催され、スーパーカーブームに乗って多くの観客を集めた。
しかし2回目の開催となる翌年、決勝レース6周目の1コーナーにてフェラーリのジル・ヴィルヌーヴがロニー・ピーターソンのティレルに追突(ブレーキトラブルが原因)。立ち入り禁止区域にいた観客とそれを制止しようとした警備員に飛び込み、カメラマンと警備員の2名が死亡した。これが一因となってその後の開催契約は解除され(これだけが原因ではなく、主催者は大赤字も抱えていた)、マスコミの報道も相まって国内ではモータースポーツ=暴走行為というレッテルがさらに鮮明になってしまった。
1983年にホンダがエンジンサプライヤーとして再参戦し、供給したウィリアムズの下で幾度もの優勝を飾ると、再び日本にF1開催の機運が高まった。
1986年にウィリアムズがコンストラクターズチャンピオンに輝き、1987年には中嶋悟がロータスでのレギュラーシートを獲得。日本GPが10年ぶりに鈴鹿サーキットで開催される事が決定。さらにフジテレビによる全戦中継が決まり、一気に日本にF1ブームが巻き起こった。1986年以前のF1放送はTBS系列で行われており、月1度2レースを40分ほどに編集されたダイジェスト版が放送されていた。
1988年にはホンダがマクラーレンにエンジンを供給、16戦15勝を飾ってチャンピオンをものにした。 この時にチャンピオンを獲得したアイルトン・セナの人気が日本で高まり、F1ブーム≒セナブームと変わっていった。
翌年にはヤマハ発動機がエンジンサプライヤーとして参戦、1990年にはスバルもエンジン供給を行った。
ホンダは1991年までチャンピオンエンジンとして君臨し続けたが、1992年にチャンピオンを奪われ、その年に撤退した。
1994年にセナがサンマリノGPで事故死してしまうと日本でのブームは急落、バブル経済の崩壊も重なってF1ブームは消滅した。しかし、鈴木亜久里、片山右京、井上隆智穂、中野信治、高木虎之介ら日本人レギュラードライバー、ヤマハ、無限らエンジンサプライヤーが引き続きF1で、活躍していった。
1997年にブリヂストンがタイヤ供給を開始、グッドイヤー、ミシュランと言ったライバルと戦い、2010年の撤退までに175勝を挙げた。
2002年にはトヨタがコンストラクターとして参戦。しかしリーマンショックによる景気低迷のあおりを受け、2009年を以て撤退した。最高位は2位、優勝は出来なかった。
ホンダは2000年にBARへのエンジン供給を開始するが、2003年からチーム運営にかかわり始め2006年にチームを買収してホンダF1として参戦、その年のハンガリーGPで優勝する。しかしその後はホンダ独自によるマシン開発が原因で低迷してしまう。巻き返しを図ろうとするものの、リーマンショックによってホンダ本体が経営危機に陥ってしまい、2008年に急きょ撤退を決めた。
2006年には、日本人によって設立された最初のコンストラクター(途中で買収したのは何チームか存在)としてスーパーアグリF1が参戦。1年目は4年前のマシンを無理やり改造して戦わざるを得なかったものの、翌年にはホンダRA106ベースのSA07を使用し、何度かの入賞を経験している。しかしスポンサー企業がダミー会社で資金を得られなかったことが原因で、2008年のシーズン途中で撤退してしまった。
2012年、長い間続いてたフジテレビの地上波の放送が終了、BSに移行する。
日本人ドライバーは佐藤琢磨、中嶋一貴、小林可夢偉と参戦していたが可夢偉が2013年のシート獲得に失敗し、1983年から続いた「ジャパンパワー」の系譜は途切れ、日本は表舞台から姿を消した。
2013年は日本人エンジニアが各チームで活動、曙ブレーキなどのパーツメーカーが供給するなど、裏方として残っている状況であった。
2014年には、小林可夢偉がケータハムのレギュラーシートを獲得、参戦したものの、チームが破産、解散したことで、翌年のシートを得ることはできなかった。
2015年にはホンダが復帰、パワーユニットサプライヤーとして参戦した。だが、全盛期を思わせる名前のマクラーレン・ホンダのコンビは結果を残すことが出来ず、2017年をもってコンビは解消。2018年からトロロッソ・ホンダとして再出発した。さらに、2019年からはレッドブル・ホンダとしても参戦。同シーズンに3勝を挙げた。2020年にはレッドブル2勝・アルファタウリ1勝を挙げるもメルセデス(13勝)の後塵を拝し、同年に2021年シーズン終了をもってのF1撤退を表明した。ホンダのF1最終年となる2021年は、レッドブルが11勝を挙げ、エースドライバーのマックス・フェルスタッペンが自身初のドライバーズタイトルを手に入れた。しかし、コンストラクターズタイトルを手にすることは出来なかった。
2020年、ホンダ&レッドブル育成の角田裕毅が下部カテゴリのF2でランキング3位となりスーパーライセンスを獲得。翌2021年にアルファタウリからF1デビューした。これにより7年ぶりに日本人ドライバーが復活することとなる。
一方、新型コロナウィルスの影響により2020年・2021年の日本GP(鈴鹿サーキット)は開催中止を余儀なくされた。とりわけ2021年はホンダのF1最終年であるが、ホンダ・角田ともに“母国GP”を走ることは叶わなかった。
2022年からワンメイクとなる18インチホイールを、BBSジャパンが供給する。
2016年はフジテレビがF1の放映権を獲得したものの、FOXからのサブライセンスという形になったため、BSでの無料放送が無くなりフジテレビNEXTでのCSの有料放送のみ、ネット配信であるNEXT smartもCS契約者がオプション的に見られる形となった。その一方でスポーツ中継配信サービスであるDAZNが2016年8月のサービス開始と同時にF1(及び下位カテゴリのF2、F3、ポルシェカップ)のライブ配信を開始している。
ニコニコでは特に、デビッド・クルサード(顔的な意味で)、ロバート・クビサ(頭髪の関係上)、フェルナンド・アロンソ(眉毛の濃さ的に)、キミ・ライコネン(酒盛り常習犯的な意味で)、マーティン・ブランドル(納豆愛好家)、井出有治(ずっとIDEのターン!ファン多数)、ジャンカルロ・フィジケラ(残念な意味で)、ルーベンス・バリチェロ(TENGA愛好家)などが非常に人気が高い。
| 国籍 | チーム名 | コンストラクター | シャシー | パワーユニット | No | ドライバー | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メルセデス AMG・ペトロナス・フォーミュラ1・チーム | メルセデス | W16 | メルセデス・M16 E Performance | 63 | RUS | ジョージ・ラッセル | |
| 12 | ANT | キミ・アントネリ | |||||
| マクラーレン・フォーミュラ1・チーム | マクラーレン-メルセデス | MCL39 | 81 | PIA | オスカー・ピアストリ | ||
| 4 | NOR | ランド・ノリス | |||||
| アストンマーティン・アラムコ コ・フォーミュラ1・チーム |
アストンマーティン・アラムコ-メルセデス | AMR25 | 18 | STR | ランス・ストロール | ||
| 14 | ALO | フェルナンド・アロンソ | |||||
| アトラシアン・ウィリアムズ・レーシング[1] | ウィリアムズ-メルセデス | FW47 | 23 | ALB | アレクサンダー・アルボン | ||
| 55 | SAI | カルロス・サインツ | |||||
| スクーデリア・フェラーリ・HP[2] | フェラーリ | SF-25 | フェラーリ・066/15 | 16 | LEC | シャルル・ルクレール | |
| 44 | HAM | ルイス・ハミルトン | |||||
| ステークF1チーム・キック・ザウバー | キック・ザウバー-フェラーリ | C45 | 27 | HUL | ニコ・ヒュルケンベルグ | ||
| 5 | BOR | ガブリエル・ボルトレート | |||||
| マネーグラム・ハースF1チーム | ハース-フェラーリ | VF-22 | 31 | OCO | エステバン・オコン | ||
| 87 | BEA | オリバー・ベマン | |||||
| オラクル・レッドブル・レーシング | レッドブル-ホンダ・RBPT | RB21 | ホンダ・RBPTH003 | 1 | VER | マックス・フェルスタッペン | |
| 22 | TSU | 角田裕毅 | |||||
| ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ・フォーミュラ1・チーム[3] | レーシングブルズ-ホンダ・RBPT | VCARB 02 | 10 | LAW | リアム・ローソン | ||
| 22 | HAD | アイザック・ハジャー | |||||
| BWT・アルピーヌフォーミュラ1・チーム | アルピーヌ-ルノー | A525 | ルノー・E-Tech RE25 | 10 | GAS | ピエール・ガスリー | |
| 43 | COL | フランコ・コラピント | |||||
上記以外のドライバーについては 「ドライバー一覧」 を参照。
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後半かわいそうな扱いだったからワンチャンピアストリがチャンプにならんかなと思ってたけど、順当な結果で終わったな
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/08(月) 23:00
最終更新:2025/12/08(月) 23:00
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