ブロック構築とは、マジック:ザ・ギャザリングのフォーマットの1つである。
MTGにおいてブロックというのは、いくつかのカードセットを1つにまとめたものである。基本的には同時期に続けて発売されたいくつかのエキスパンションのセットをブロックと呼ぶ(例外的にアイスエイジ・ブロックはアイスエイジとアライアンスとコールドスナップの3つでこれらはそれぞれバラバラな時期に発売されている)。
そして、そのブロックの中にあるエキスパンションのカードだけでデッキを作るフォーマットがブロック構築である。ここまで聞けばわかると思うが、ブロックごとにブロック構築が存在するため、どのブロックのブロック構築か言わないとフォーマットが確定しない。
このブロック構築の大きなトーナメントは最近は全く行われていない。理由としては、プロツアーでの採用が途絶えたことが大きい。ただ、ブロック構築から派生したブロック・パーティー(シンプルに言えば複数のブロック構築のデッキを対戦させるフォーマット)というカジュアルなフォーマットは楽しんでる人がいる模様。
ブロック構築にも禁止カードが存在するが、カードパワーがおかしいくらいに強いもの以外にも、スタンダード以上に広ければ問題ないが、あまりにカードプールが狭いがために、猛威をふるって禁止というパターンもある。
そんなブロック構築も、ドミナリア(ホームランド以来のブロックに属さないエキスパンション)発売に伴い、ブロック制度が廃止になることから、2018年4月27日のマジック・イベント規定改正に伴い廃止に。
使えるエキスパンションはアイスエイジ、アライアンス、コールドスナップの3つである。コールドスナップが出る前はコールドスナップの代わりにホームランドが入っていたが、コールドスナップ参入に伴い現在のセットになった。カードプールが途中で入れ替わったブロックはこれだけである。禁止カードはアンティに関するカード1種(Amulet of Quoz)、Thawing Glaciers(基本土地しか持ってくることができず、起動コストが1マナかかる上に、タップインという問題はあるが、繰り返し使える(起動しても墓地へ行くことはなく、クリンナップで手札に戻ってくる)フェッチランドと思ってよい)、Zuran Orb(土地生贄で2点回復する0マナのアーティファクト)の3種類である。Zuran Orbはスタンダードでも禁止歴があるが、Thawing Glaciersが禁止されているのはこのフォーマットだけである。
昔のフォーマットの多分にもれず、クリーチャーの質に比べて呪文の質が概ね高いため単純なビートダウンよりコントロールが作りやすいカードプールになっている。
使えるエキスパンションはミラージュ、ビジョンズ、ウェザーライトの3つである。禁止カードは資源の浪費(黒緑で設置できて、土地生贄でその土地が出せる好きな種類のマナ1つを出せる)のみである。資源の浪費が禁止されているのはこのフォーマットだけである。これはプロスブルームと呼ばれるコンボデッキが猛威をふるったためであるが、そうなってしまったのはこのブロックに優秀な打ち消し呪文が少ないためである(前のアイスエイジ・ブロックにはForce of Willなどの優秀な打ち消しが存在したがそのような呪文がほぼなかった) 。
また、レガシーおよびヴィンテージで規制されている教示者サイクルのカードを制限なく使えたことも要因の一つと思われる。
使えるエキスパンションはテンペスト、ストロングホールド、エクソダスの3つである。禁止カードは呪われた巻物(1マナで設置できて相手に3マナとタップでババ抜きさせてその相手がババを引いたらその相手に2点ダメージ)のみである。優秀な繰り返し使える火力となってしまっていたためである。なお、精神力(MoMaのキーカード)はこのブロックなのだが、禁止カードに指定されていない。理由は優秀な大量マナを出す相棒がいないためである。
低コストの赤クリーチャーやシャドー能力を持つクリーチャーに優秀なカードが多かったためウィニーデッキが中心だったが優秀なカウンターを背景にしたコントロールデッキも少数存在した。
使えるエキスパンションはウルザズ・サーガ、ウルザズ・レガシー、ウルザズ・デスティニーの3つである。禁止カードはガイアの揺籃の地(クリーチャーの数だけ緑マナが出る土地)、セラの聖域(エンチャントの数だけ白マナが出る土地)、トレイリアのアカデミー(アーティファクトの数だけ青マナが出る土地)、記憶の壺(5マナで設置できて生贄で1ターンだけ両者新しい手札を使える。終了ステップにカードを「捨てて」、元の手札に戻る。詳細は個別記事参照)、意外な授かり物(すべてのプレイヤーが手札を捨てて、その中で捨てた枚数が一番多い人の枚数に合わせて全員がカードを引く3マナのソーサリー)、時のらせん(6マナと重く、使ったら追放されてほぼ再利用不能なTimetwisterだが、土地を最大6個アンタップという追加能力のせいでひどいことに)、通電式キー(1マナで設置できて、1マナとタップでアーティファクト1つをアンタップ。ヴィンテージだとTime Vaultとのコンボで有名)の7枚である。このうち、当時のスタンダードでも禁止だったカードはトレイリアのアカデミー、記憶の壺、意外な授かり物、時のらせんの4つで、残りの3つはそうではない(まあ2つはアカデミーの同類なのでわかるが)。
マナコストを踏み倒してカードを戦場に出すカードが多く、禁止カードの山を踏まえても尚多様なコンボデッキが構築できる環境。
使えるエキスパンションはメルカディアン・マスクス、ネメシス、プロフェシーの3つである。禁止カードはリシャーダの港(1マナとタップで相手の土地1つをタップさせる土地)と果敢な勇士リン・シヴィー(XマナとタップでCMCがX以下のレベルを1枚ライブラリーから直接戦場に出す3マナのクリーチャー)の2枚である。どちらもスタンダードでは禁止カードに指定されていない。前者は次のインベイジョン・ブロックで対策カードが追加されたのが大きい。後者が禁止されたのはリベリオンというデッキが流行したためであるが、スタンダードで禁止されてないのはある程度対策カードがあったためである(それでもなおメタの中心にはいた)。
環境の中心は前述のレベルデッキ、リべリオンとリベリオンをマナ拘束という手段を持って押さえにいったアンチデッキ、ライジングウォーター。前ブロックの反省からか全体的にカードパワーが抑え目になっており全体的に速度が遅めの環境となっている。
使えるエキスパンションはインベイジョン、プレーンシフト、アポカリプスの3つである。禁止カードは存在しない。多色デッキが多い(優秀な2色土地が多かったため)のが特徴。
コントロールに向いた優良カードが数多くあり、また環境の速度が遅めであったためコントロールデッキが優勢な環境だった。
使えるエキスパンションはオデッセイ、トーメント、ジャッジメントの3つである。禁止カードは存在しない。黒いデッキが多く、未来のように黒が弱い時代とは全然違うのが特徴。
前述の黒カード押しの恩恵を受けた黒系コントロールと、法外なコストパフォーマンスを持つフラッシュバックやマッドネスを持つカードを生かした青緑ビートダウン、赤緑マッドネス、クワイエットスクリーチなどが活躍した。
使えるエキスパンションはオンスロート、レギオン、スカージの3つである。禁止カードは存在しない。部族をテーマにしたカードセットで、テーマを生かしたビートダウンが主流なのが特徴。
隆盛した種族はゴブリン、ゾンビ、クレリックなど。また多数収録されたサイクリングカードとそのサポートカードを中心としたサイクリングデッキもメタの中心として活躍した。
使えるエキスパンションはミラディン、ダークスティール、フィフス・ドーンの3つである。禁止カードは頭蓋骨絞め(1マナで設置、装備コスト1マナの装備品で+1/-1修正、装備先が死ぬと2ドロー。詳細は個別記事参照)、霊気の薬瓶(1マナで設置できて、タップで乗っているカウンターの数に等しいCMCを持つ手札のクリーチャーを1枚戦場に出せる(カウンターは自分のアップキープ開始時に乗せるか選べる)アーティファクト)、電結の荒廃者(2マナ0/0接合1持ち。アーティファクトを生贄にすると+1/+1カウンターが増える)、大霊堂の信奉者(黒1マナで設置できて、アーティファクトが戦場から墓地に落ちるたびに対戦相手1人が1点ライフロスするクリーチャー)、アーティファクト・土地6種(アーティファクトでもあり土地でもある土地6枚)の合計10枚である。どれも親和関係のカードである。このうち頭蓋骨絞め以外はミラディン・ブロックが最新でない時にブロック・パーティーの環境が歪まないようにするためにわざわざ禁止にしたという。霊気の薬瓶以外はスタンダードで禁止歴があり、その霊気の薬瓶もエクステンデッド(今は存在しないフォーマットで、ローテーションはあるがカードプールがスタンダードより広い)で禁止歴がある強力なカードである。
当時の環境は親和のキーパーツが禁止されていたなかったため、親和とアンチ親和の二極化された環境であった。
使えるエキスパンションは神河物語、神河謀叛、神河救済の3つである。禁止カードは存在しない。桜族の長老や木霊の手の内といったマナサポートカードに後押しされた多色デッキが多いのが特徴。
ビートダウンは現在レガシーでも活躍している梅澤の十手を中心に構築され、コントロールデッキはけちな贈り物をキーカードにした墓地活用デッキ、けちコンが活躍した。
使えるエキスパンションはラヴニカ:ギルドの都、ギルドパクト、ディセンションの3つである。禁止カードは存在しない。モダンの土地基盤の中核をなすショックランドを初収録した環境で、前の神河ブロック以上に多色(特に3色以上)が多く、コントロールが多めなのが特徴。カードパワーが高く、土地基盤も優秀だったため様々なグッドスタッフ的なデッキが作られた。
使えるエキスパンションは時のらせん、次元の混乱、未来予知の3つである。禁止カードは存在しない。強力除去呪文、滅びと優良マナアーティファクトを利用したコントロールデッキが多めなのが特徴。ビートダウンでは過去ブロックからのタイムシフトされたシャドーを持つクリーチャー中心のアグロデッキやタルモゴイフを採用したビートダウンが存在した。
使えるエキスパンションはローウィン、モーニングタイド、シャドウムーア、イーブンタイドの4つである。禁止カードは存在しない。部族デッキが多めなのが特徴(というより前半2つのエキスパンションが部族をフィーチャーしたものなので当然であるが)。また、ハイブリットランドを始めとした多色土地の充実ぶりが目を見張り、色の違うトリプルシンボルをデッキに採用できる全ブロックでも屈指の土地基盤を持つ。
流行したデッキには部族サポートを受けたキスキン、フェアリーが筆頭にマナ基盤を生かした4色コントロールデッキ、クイックントーストなどがある。
使えるエキスパンションはアラーラの断片、コンフラックス、アラーラ再誕の3つである。禁止カードは存在しない。友好色3色にフィーチャーしたブロックなので、デッキもその3色の組み合わせ、ないし5色のデッキが多いのが特徴。カードパワーが全体的に非常に高く、様々な種類のデッキが構築された。その中でも目立ったデッキは続唱を中核にしたグッドスタッフデッキ、続唱ジャンドや打てば勝てる強力呪文、残酷な根本原理を採用した根本原理コントロールなどがある。
使えるエキスパンションはゼンディカー、ワールドウェイク、エルドラージ覚醒の3つである。禁止カードは存在しない。強力なプレインズウォーカーが多いためコントロールが多めなのが特徴。
また、部族をフューチャーしたエキスパンションでもあったため部族系のビートダウンも存在した。
使えるエキスパンションはミラディンの傷跡、ミラディン包囲戦、新たなるファイレクシアの3つである。禁止カードは存在しない。回帰前のミラディン同様、アーティファクトが多めで、鍛えられた鋼デッキなどのビートダウンの採用率が高いのが特徴。また、対するコントロール側はアーティファクトを強く意識する構築になることが多かった。
使えるエキスパンションはイニストラード、闇の隆盛、アヴァシンの帰還の3つである。禁止カードは無形の美徳(2マナで設置できてトークンに+1/+1修正を与えるエンチャント)と未練ある魂(3マナで1/1トークン2体生成、別の色を含む2マナでフラッシュバック可)の2枚で、いずれもブロック構築の環境が白黒トークンに染まってしまったために禁止カード指定されたものである。
強力な呪禁クリーチャー、聖トラフトの霊を中核とした呪禁バントやセットの後押しを受けた人間アグロや墓地利用をテーマとしたデッキが活躍する環境だった。
使えるエキスパンションはラヴニカへの回帰、ギルド門侵犯、ドラゴンの迷路の3つである。禁止カードは存在しない。前回のラブニカに引き続いてショックランドが再録されたこともあり、多色デッキが多めなのが特徴。
前以上に強力なカードが目白押しでアグロ、ミッドレンジ、コントロールどれも広く多様な色のデッキが構築された。その中でも歴代最強クラスのドロー呪文、スフィンクスの啓示と多数の除去呪文を擁するエスパーコントロールは目立った活躍を見せていた。
使えるエキスパンションはテーロス、神々の軍勢、ニクスへの旅の3つである。禁止カードは存在しない。多種多様なデッキが存在するのが特徴。大きなトーナメントが行われたのはこのブロックが最後である。
ブロックテーマであるエンチャントや信心、怪物化などをいかした様々なデッキが作られており、環境の中心には抜きん出たカードパワーを持つ太陽の勇者、エルズペスが存在していた。
使えるエキスパンションはタルキール覇王譚、運命再編、タルキール龍紀伝の3つである。禁止カードは存在しない。対抗色3色がフューチャーされた環境だったため、自然と対抗3色のデッキが多かった。
ドラゴンをテーマにしたカードセットで、数多くのドラゴンがデッキに組み込まれたが中でも龍王サイクルはゲームを決定付ける存在として目だった活躍を見せていた。
使えるエキスパンションは戦乱のゼンディカー、ゲートウォッチの誓いの2つである。禁止カードは存在しない。このブロックからエキスパンションの数が2つに減少した。
プレインズウォーカー、ゼンディカーの同盟者、ギデオンと無色シンボルを要求する強力なエルドラージクリーチャーが目立つ環境であった。
使えるエキスパンションはイニストラードを覆う影、異界月の2つである。禁止カードは存在しない。エキスパンションテーマである昂揚、現出といったデッキや、サリアの副官や永遠の見守りといった全体強化カードに後押しされた人間ビートダウンが有力な構築候補である。
使えるエキスパンションはカラデシュ、霊気紛争の2つである。禁止カードは存在しない。マナレシオに優れた底マナ域クリーチャーとブロック固有のメカニズムを利用した高速アグロデッキ「機体」や「エネルギー」の他、サヒーリ・ライと守護フェリダーを使用した無限コンボデッキ、大型クリーチャーを踏み倒して場に出す霊気池の驚異、伝承の塔を中心としたコントロールデッキが存在する。
使えるエキスパンションはアモンケット、破滅の刻の2つである。禁止カードは存在しない。
最後のブロック構築で、使えるエキスパンションはイクサラン、イクサランの相克の2つである。禁止カードは存在しない。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/06(土) 00:00
最終更新:2025/12/06(土) 00:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。