千羽鶴とは (センバヅルとは) [単語記事]

千羽鶴とは、たくさんの折り鶴を連ねたものである。

概要

折り鶴を一本の糸に通し連ねて作られる。

厳密に言えば、全工程を経て作った完成品は重ねるのが困難になるため、最後の広げる工程を除いた畳まれた状態の鶴で完成とし、次々と糸で連ねていく。千羽鶴とあるが、必ずしも千羽折る必要はなく、それっぽくなっていれば特に問題ないとされる（何羽未満だとどうの、とかはない）。

身近では入院している友人のお見舞いで持っていかれる場合もあるが、不特定多数の人間がべたべた触れて作った折り鶴をよせ集めた千羽鶴は、衛生や感染症予防の観点からは実はあまり良くない。

「平和への祈り」としてもよく折られている。

…が、もちろん別に折り鶴を千羽重ねるとものすごいご利益があるわけではない。

被災地に千羽鶴を送りたい方へ

被災地の人もきっと喜ぶはず
応援してる人がいるって分かると嬉しいよやっぱり
こういうのはね、実用性がどうのよりも気持ちが大事なんだよ

などの意見があるかもしれないが……

被災地に千羽鶴は100%必要ありません。
自己満足＆迷惑にしかなりません。

当たり前だが、現地は非常事態であり、千羽鶴なんて受け取っている場合ではない。
千羽鶴を送るより、折り紙の購入費用を寄付した方がよっぽど助けになる。

折り鶴・千羽鶴が全国から何億何兆羽届いたとしても……

食べられない。
そのものを使って作業負担を軽減したり、安全や衛生に寄与しない。
売ることができない。（義援金・復興支援の足しにならない）
- 折り鶴をポイントカードのようにして何かと交換することもできない。
- 折り紙は折られた時点で既に中古品であるため、新品価格で売ることもできない。
- 見ず知らずの不特定多数の人間に触れられている可能性があり、衛生面が保証できない。
邪魔。意外と場所を取り重量がある。
- 必要な物資の保管場所を圧迫してしまう。
- 運搬や仕分けの手間が増える。現場で仕分ける人数も無限ではない。
処分にもお金がかかり、またひとつひとつが手作りのため心理的に捨てづらい。
親しい人や家や財産を失ったレベルの落ち込んだ気持ちが癒えるかと言えば…微妙。
折り紙は広げても大した大きさにならなため、転用が難しい。
- 衛生を目的として製造された製品でないため、衛生面にも限度がある。
- トイレットペーパーの代用にはならない。
  - 硬く水に溶けないため、トイレの配管を詰まらせる可能性がある。
紙として利用するのであれば新聞紙のほうが大きさ・材質共に汎用性が高い。
新聞紙は災害時も大活躍 | 新聞配達コラム | 新聞配達求人「新聞配達ワーク」 (news-boy.com)
防災！避難時の必需品！今回は「新聞紙」です。 | 山猫おソーラーの備えるブログ (fxproject-blog.com)
新聞紙で暖をとる - 防災手帳(notebook) | Yahoo!天気・災害
- 古新聞として各家庭で読み古しを備蓄されやすく、近隣市町村からも集めやすい。
  - パッと広げられ、両手ほどの面積の紙が一瞬で手に入る。
- 千羽鶴は折り鶴として既に固く折られてしまっており、糸を通す穴も開いている。（耐久性低下）
  - ちまちま破れないように展開して延ばす手間がある。
  - 個々の折り紙が小さいため、展開した手間の割に利用可能範囲が小さい。
（その他、デメリットがあれば追加してください）

「炊事や暖房の燃料にすればいいのでは？」という意見もあるが、低温での焼却は有害なダイオキシン類が発生する（発生防止のため、800℃以上での焼却が義務付けられている）。折り紙に使われている化学薬品やインクを燃やした煙も無臭・無害ではなく、有害な煙を吸引した事で体調を崩せば医療機関に負担をかけることになる。被災によって医療機関・設備が機能していない場合もある。^[1]

妙案で「一万円札で千羽鶴を折ればいいのでは？」という意見もあるが、やはりちまちま破れないように展開して延ばす手間があり、一万円札に穴を開けて糸を通すわけにはいかない。^[2]長方形で鶴が折れるかといった問題は別として万札で作られた超高額の千羽鶴では防犯上の問題も出てしまうなど、手間の割に相手側の手間・リスクも多く紙幣も傷んでしまう。…普通に募金したほうが無駄な手間とリスクがない。

「家族友人を失い、希望が持てない」　→　千羽鶴
「水や食料、必要な物資が足りない」　→　千羽鶴

これでは被災者への嫌がらせである。

「千羽鶴はいらない」に対する批判

「いらないとか言わないでほしい」「みんなで祈りを込めて折ったものなのに」
「千羽鶴を送った人の善意や気持ちを考えてほしい」
「まず貰えることに感謝するべきではないのか？」

優先されるべきは送った本人ではなく
現地、被災地で心身ともにボロボロな人達の気持ちではないだろうか？

それでも腹立たしいという方は一度
双方の状態を比較してみてはいかがだろうか？

	千羽鶴の送り主	被災者
水・食料・物資	いくらでもある真夜中でもコンビニに行けばある少なくとも水道を捻れば水が出る	ない or 入手が大変少ない物資を大勢で分け合うパニックや喧嘩が起きる可能性も
電気・ガス・水道	使えて快適	使えない
暖房・冷房	使えて快適	使えない夏は暑く、冬は寒い酷暑・厳冬の気候では命に関わる
自宅・職場・財産	何ともない	破壊 or 甚大な被害職を失う可能性もある避難所でプライバシーが無いことも
携帯・スマホ・ネット	電話もメールも使用可能ネットもSNSもソシャゲもやり放題 Amazonに頼めば何でも揃う	繋がらない^[3] 県外の親戚とも連絡を取れない
情報収集	ネットやニュースで取り放題	家族や周囲の状況確認すらもままならない状態
夜	明るい	真っ暗
風呂	入れて快適	入れず汗や汚れで不快潤沢に使える水がない
日常風景	変わらない	変わり果てる汚泥や瓦礫・遺体の片付けなど
家族・親戚・友人	何ともない	死亡または行方不明生きていても連絡が取れない目の前で失ったケースもある
送った/送られた感想	いいことした俺かっけー（自己満足）	なんだこれ… （困惑）
到着後の感想への応答	感謝しろよ！何様のつもりだ！貰えたことに感謝すべきだろ… 傲慢な被災者どもめ、人間性改めろ	・・・
ストレス	被災者の態度がストレス SNSで悪口を書き込む余裕がある	家族・友人・家・財産を失ったり将来の不安で甚大なストレス
精神的余裕	余裕	心身共にボロボロ余震や津波に怯える災害時の記憶がフラッシュバック自殺を考える方もいる（関連自殺）
		※他にもあれば追加してください