弱肉強食幻想郷とは、最底辺P改め首振りPによる東方二次創作作品である。
第1~3部及び最後編の四部構成であり、完結済みである。
1,2部は単独で完結したストーリーとして楽しめるが、3部以降は1,2部のストーリを踏まえた上で連続での視聴が望ましい。
ストーリーの核心に触れるネタバレ部分は[]内を反転してあります
映像技術
3DCGソフトのcarraraを使った3Dアニメーション作品であり、3~4等身にデフォルメされたキャラクターによるドラマが展開される。前作「宴会の鬼」に引き続き、原作に忠実かつ3Dに拡張された弾幕によるアクションやモーションによる豊かな表現は健在であり、回を重ねるごとに技術に磨きをかける作者のこだわりは圧巻である。更に今作では、音声合成ソフトによるフルボイス化を実現しており、進化した表情変化と相まってキャラクターの心情をより豊かに表現している。
シナリオ
(多分)主人公の霊夢が何かをやらかして、周囲の登場人物がそれに巻き込まれるという流れを基本とした作品である。基本的にはギャグや風刺を主体としており、もちろんうんこネタも欠かさず盛り込まれている。一方で人喰い妖怪と人間が共存する幻想郷の矛盾という、原作では余り触れられない設定の裏側を主題としており、差別や社会格差、思想闘争などのテーマもデフォルメされながらも盛り込まれるなど、少し重い要素も含まれている(特にこれらの要素は、「やっと本題に入ります」と宣言された第3部以降顕著である)。これらの要素が自然に混ざり合い、テンポの良いシナリオ運びによって人を引き付けるエンタテイメント性の高い作品となっている。構成力も見事であり、実に四年に渡る連載ながら非情に整合性の取れたシナリオが練られている。
また、サブタイトルやストーリーの随所に藤子・F・不二雄作品の影響が多く見られるのも特徴である。
音楽
この作品を印象づける最も特徴的な部分が音楽であり、全てが首振りP本人による東方自作アレンジである。 自作故に映像に合わせた曲調や盛り上がりのタイミングが調整されており、これにより音楽と映像がマッチした素晴らしい演出を随所に見ることができる。曲の一部はオリジナル歌詞のVOCALOIDによる歌付きであり、この詩もまた評価の高いものになっている。なお、自作の東方アレンジ音楽は氏のニコニ・コモンズページで配布されている。
妖怪は弱い人間を襲って喰らい、強い人間はその悪い妖怪を退治する。
そんな血で血を洗う弱肉強食の幻想郷は、スペルカードルールの導入によって既に過去のものとなっていた。そんな中、もともと妖怪退治を生業としてきた博麗の巫女である博麗霊夢は、妖怪と死闘を繰り広げてきた先代たちに強い憧れを抱くようになっていた。
<第1部>弱肉強食幻想郷
普通の魔法使いである霧雨魔理沙は、霊夢に誘われ暇つぶしに「悪い人喰い妖怪」を退治に出かけた。手始めにルーミアを襲撃スペルカードルールで退治するが、霊夢は弱すぎて期待外れだと吐き捨てる。一方コテンパにやられたルーミアは、森を歩いている途中にハサミが落ちているのを発見する。
<第2部>弱肉強食幻想郷 地底編
[前作で地底追放となった霊夢は、そこで鬼の星熊勇儀たちと出会い、彼女の会社である大江山本舗で"水商売(強盗)"を始める。しかしその最中、地底のヒエラルキーの頂点に君臨する地霊殿の火焔猫燐に手を出してしまい、大江山本舗は解散に追い込まれる。再びすべてを失った霊夢であったが、太陽とエネルギーを地上の神に独占され、地上の妖怪によって迫害される地底の実情を見て、こう囁く「太陽が、欲しくない?」。]
<第3部>弱肉強食幻想郷 冥界編
[博麗神社にて、鬼の伊吹萃香と勇儀とともに酒盛りをしていた霊夢は、ちょっとした拍子で頭を打って卒倒する。その様子を見ていたチルノによって噂は広まり、神社は妖怪たちが集まってのどんちゃん騒ぎの様相を呈していた。しかし、八雲紫らが駆けつけたことで、霊夢の危篤が告げられると場の空気は一転。急遽召喚した医者の八意永琳は、診察の後こう言い放つ「もう、手遅れです」。幻想郷最大の異変が、始まった。]
<完結編>弱肉強食幻想郷 最後編
[幻想郷は滅亡した!だが一部の妖怪はまだ滅んでいなかった!復活した豊聡耳神子らは、生き残りであるアリス・マーガトロイドに連れられ、永遠亭の地下施設へと赴くが・・・]
多すぎるため、主人公っぽい人のみを列挙。なお、作者曰くみんなが主人公らしい。
博麗霊夢
本作の主人公。巫女としての力を試すため、妖怪との本気の戦いを渇望する狂人。投コメから、モデルは餓狼伝の丹羽文七であると思われる。中二病の範疇では収まらない尋常ならざるカリスマを持っており、どれほど非道な行いをしようと(妖怪からの)人望は厚かったりする。また、自分の理論を早口でまくし立てることで聴衆に思考する隙を与えず、同意を求め易い普遍的な問の際にゆっくりと語りかけるように喋ることで、自分の超理論を相手に信じさせるという演説のテクニックも心得ている。
チルノ
主人公その2。妖精大戦争にて、仲間も友達(妖精だけど)も皆殺しにした本物の修羅である。霊夢にとって最大の理解者であり、良きライバル。
ルーミア
妖怪サイドの主人公。霊夢に虐待された後、落ちていたハサミを拾った事から全てが始まった。
霧雨魔理沙
常識的観点から見た場合の主人公。霊夢に振り回されてばかりだが、やるときはやる。また、わりといい子。
星熊勇儀
2部より登場。前作「宴会の鬼」の設定を引きずっており、一文無しになった後地底で新しいビジネスを始めたが...
マエリベリー・ハーン
3部より登場。幻想郷に迷い込んだ外来人。
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現在ハウザー氏の呼びかけで「わたしの選ぶ弱肉強食ベストシーン」企画が静画にて進行中。詳しくは右の静画を参照。(ちなみに画力・映像制作技術のない筆者のベストはハサミを持って喜ぶルーミアのシーン) |
あなたに ありがとう
掲示板
75 ななしのよっしん
2019/03/05(火) 13:04:39 ID: ERhRMFg7ow
最後あっさり大円団になったのはびっくりだけど
ホントおもしろかった
76 ななしのよっしん
2019/10/10(木) 08:39:37 ID: 2OkGCQkdBU
二次でよくある「結局、妖怪って人間たべるの?」っていう問題を
わざと誇張した設定にした結果、どんどん混乱する世界を、
原作を再現することで回復するって段取りがすげー見事。
いい意味で「いい加減だからこそ幻想郷は成り立ってる」っていうのを
描いてるのが本当に東方らしい。
二次創作とか設定厨的な思考の結果、妙に深刻な表現や結論になって
しまいがちだけど、それって東方らしくないんだよな。
なんでスペルカードがあるのか、なんで霊夢魔理沙が主人公なのかって
ことが本当によくわかってて感動したよ。
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最終更新:2024/12/26(木) 20:00
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