甲鉄城のカバネリとは、WIT STUDIO製作のオリジナルアニメである。
英字版タイトルは「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」
概要
フジテレビ系列局の”ノイタミナ”枠にて2016年4月から放送されたTVアニメ。TV放送に先駆け、全3話を「序章」と題して2016年3月16日から1週間限定で劇場公開した。
舞台は蒸気技術が発達した極東の島国「日ノ本」で、突如現れた不死の怪物「カバネ」との戦いを描くスチームパンクアクション。
最近のテレビアニメではやや珍しいことに、放映当時のネット配信は「Amazonプライム・ビデオ」の1サイトのみの独占配信となっていた。
監督は『進撃の巨人』『ギルティクラウン』などの「荒木哲郎」、シリーズ構成・脚本は『コードギアス 反逆のルルーシュ』などに関わった「大河内一楼」が担当した。他にも、キャラクター原案に『超時空要塞マクロス』『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』などの「美樹本晴彦」、音楽に『機動戦士ガンダムUC』『進撃の巨人』などの「澤野弘之」など豪華スタッフが名を連ねた。
メディアミックスとして、吉田史朗によるコミカライズ版が月刊コミックガーデン2016年6月号より連載。またアニメ本編の前日譚を描いた『小説 甲鉄城のカバネリ 暁』、アニメ本編内容のノベライズ『小説 甲鉄城のカバネリ』上下巻、本編の間に挟まる外伝エピソード『小説 甲鉄城のカバネリ 追憶の邑』などの小説作品もマッグガーデンノベルズから発売された。
また、放映終了後にTV版を纏めた『甲鉄城のカバネリ 総集編』が前後編の劇場上映作品として、前編が2016年12月31日から、後編が2017年1月7日からの2週間限定で公開。1週目来場者プレゼントとして本編の後日談を描いたドラマCD『話劇 甲鉄城のカバネリ 時雨の夢』が数量限定で配布された。
2019年5月10日には新作『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』が劇場公開された。
ストーリー
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の化物が現れた。鋼鉄の被膜に覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。
極東の島国である日ノ本(ひのもと)の人々は、カバネの脅威に対抗すべく各地に「駅」と呼ばれる砦を築き、その中に閉じ籠もることでなんとか生き延びていた。駅を行き来ができるのは分厚い装甲が施された装甲蒸気機関車(通称、駿城(はやじろ))のみであり、互いの駅はそれぞれの生産物を融通しあうことでなんとか生活を保っていた。
製鉄と蒸気機関の生産をなりわいとする顕金駅(あらがねえき)に暮らす蒸気鍛冶の少年、生駒(いこま)。彼はカバネを倒すために独自の武器「ツラヌキ筒(づつ)」を開発しながら、いつか自分の力を発揮できる日が来るのを待ち望んでいた。
そんなある日、前線をくぐり抜けて駿城の一つ甲鉄城(こうてつじょう)が顕金駅にやってくる。車両の清掃整備に駆りだされた生駒は、義務であるカバネ検閲を免除される不思議な少女を目撃する。
その夜、生駒が無名(むめい)と名乗る昼間の少女と再会するなか、顕金駅に駿城が暴走しながら突入してきた。乗務員は全滅し、全てカバネに変わっていたのだ!顕金駅に溢れ出るカバネたち。パニックに襲われる人々の波に逆らうようにして、生駒は走る。今度こそ逃げない、俺は、俺のツラヌキ筒でカバネを倒す!
―――こうして、本当に輝く男になるための生駒の戦いが始まるのだった。
※公式サイト「INTRODUCTION」より引用
登場人物
- 生駒(いこま) - CV:畠中祐
- 本作の主人公。顕金駅に住む蒸気鍛冶の少年。17歳。
過去にカバネの襲撃により住んでいた街は壊滅、両親も失う。
その時妹を守れなかった事から、打倒カバネ及び「自分可愛さに他人を見捨てる」事を由としない信条を持つ。
また、疑わしい人物や善人と呼べない者相手でも、無抵抗である者へ攻撃する事を嫌う。
カバネに対抗するために「ツラヌキ筒」を始めとする独自の武器を開発している。顕金駅がカバネに襲撃された際に、カバネに噛まれながらもツラヌキ筒でのカバネ撃退に成功、自ら開発したカバネウィルスの侵食を阻止する首輪を嵌めることで一命を取り留める。しかし、その代わりに人でもカバネでもない「カバネリ」となってしまう。
- 無名(むめい) - CV:千本木彩花
- 甲鉄城に乗って顕金駅にやってきたカバネリの少女。生駒を珍しい同属として扱ったりする。
可愛らしい見た目に反して1人でもカバネを圧倒するほどの戦闘能力を持つが、一定時間全力で戦うと強制的に眠ってしまう。
非戦闘時は、甲鉄城の子供たちと遊んでいたり、生駒に稽古や戦闘訓練をつけている一面も見られるなど、12歳にして中々の面倒見の良さを見せる。
生駒は当初無名に死んだ妹の影を重ねていた。
- 四方川 菖蒲(よもかわ あやめ) - CV:内田真礼
- 顕金駅を治める四方川家の惣領(跡取り)。
不在の父に代わり、顕金駅の民を率いて甲鉄城に乗り込む。
常に領民の安全を願う領主の鑑の様な心の持ち主で、荒事になってもうろたえない胆力の持ち主。
カバネとの戦いの時は守られる立場だが、自らも蒸気式の強弓を用いて戦線に出るなど非常に勇敢である。
- 来栖(くるす) - CV:増田俊樹
- 四方川家に仕える武士。
剣の腕は一流で忠義に厚い、武人らしい人物。その忠義ゆえ頑固で融通の利かない所が玉に瑕。
諸々の理由でカバネリをかなり疑っていたが、共闘する内に仲間と認めるようになる。
当初は他と同じく通常の銃を使っていたが、吉備土の進言から刀でカバネの首を飛ばす戦いを主としている。
常に菖蒲の身を気遣い、必ず彼が警護についている。
- 逞生(たくみ) - CV:梶裕貴
- 顕金駅に暮らす蒸気鍛冶の少年で、生駒の友人。
無鉄砲で危なっかしい生駒に半ば呆れつつも、若干の憧れを抱いている。
生駒と共にカバネについて調べ、ツラヌキ筒の開発や「カバネ化が祟りなどではなくウイルスによるもの」だという見解を共有している。
当初こそカバネリ化した生駒を怖がってしまったが、すぐに思い直し彼を助け出すに至った。
戦闘にも砲筒を用いて参加する。
- 鰍(かじか) - CV:沖佳苗
- 顕金駅に暮らす蒸気鍛冶の少女。
明るく気丈な性格で、甲鉄城の家事や子守を率先して行っている。
基本的に誰も頭が上がらないが、それを利用して威張ったりはしない。
無名を信用し、「血」の提供を真っ先に申し出た。
買い物上手。
- 侑那(ゆきな) - CV:伊瀬茉莉也
- 日ノ本各地に物資を運んで回る甲鉄城の乗務員。
男勝りで職人気質な女丈夫。
冒頭では見習い扱いだったが、1人で甲鉄城の運転を無難に取り仕切ってみせている。
咄嗟の判断が冴えるタイプ。
- 巣刈(すかり) - CV:逢坂良太
- 顕金駅に暮らす蒸気鍛冶の少年。
生駒達より若干年下で、彼も過去にカバネの襲撃に遭った様だ。
常に斜に構えた態度を取るが、侑那には弱い。
- 吉備土(きびと) - CV:佐藤健輔
- 四方川家に仕える大柄な武士。
温厚な性格で、武士の中では比較的話が分かる人物。
カバネリの2人についても受け入れる姿勢を早くに見せていた。
来栖とは仲が良いらしく、接近戦が有効である旨を進言したりしている。
- 鈴木(すずき) - CV:マックスウェル・パワーズ
- 美馬(びば) - CV:宮野真守
- カバネ退治のために組織された独立部隊「狩方衆」の総長を務める若き英雄。無名からは兄様と呼び慕われている。
将軍の長男だが、現在は勘当されている身。
一見すると総長としての器を備えた、非の打ち所の無いイケメンなのだが・・・・・・
主題歌
- オープニング主題歌「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」
- 歌 : EGOIST
- エンディング主題歌「ninelie」
- 歌 : Aimer with chelly (EGOIST)
スタッフ
関連動画
関連項目
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