破壊神マグちゃんとは (ハカイシンマグチャンとは) [単語記事]

破壊神マグちゃんとは、『週刊少年ジャンプ』にて連載された上木敬による漫画である。

概要

2020年29号から2022年10号まで連載。完結後『ジャンプ GIGA 2022 Spring』に本編追加エピソード掲載。

600年前に聖騎士団によって封印されてしまった破壊神マグ＝メヌエクは現代日本で宮薙流々によって封印を解かれるが、弱体化しており手のひらサイズまで縮んでしまった。

流々に「マグちゃん」と名付けられて同居する事となったマグ＝メヌエクと他の邪神や聖騎士団達と繰り広げられるバトル…ではなくそれっぽい描写のある日常コメディ漫画。

登場キャラクター

上位存在

第一柱『破壊』のマグ＝メヌエク（マグちゃん）
この物語の主人公。見た目はピンク色で一つ目のメンダコだが、元々は『上位存在』と呼ばれる太古から存在する世界の支配者であり、『破壊』の権能を持つ。
混沌教団なる邪教の集団に信仰されており、今から600年程前に現世へと召喚されたが、聖騎士団との戦いの末に封印の宝珠に封じられてしまった。紆余曲折あって、もう一人の主人公である流々が封印の宝珠を破壊してしまった事で現世に復活するが、封印の影響で弱体化――それがメンダコのような珍妙なマスコットめいた姿の理由である。
現在は、肉体を復活させ嘗ての存在を取り戻すために、流々の家に居候しながら日々糧となる食料(主に納豆)を吸収中。ただし弱体化の影響で高い栄養素の物を一度に吸収すると力を制御できず爆散してしまうため、復活までの道のりは長そうである。
元々が人間よりも上位の存在であるため人間の事は『下等生物(ニンゲン)』と呼び尊大に振る舞う。が、世間知らずであったり変に面倒見が良いせいで、基本的に周囲の人々から畏敬の念を向けられる事はないものの、良き隣人としての付き合いではある。
食レポが不味そう(味には言及せず栄養価と食感への所感しか述べない)だったりネーミングセンスが厳つかったり(信徒獲得の為のおともだち帳を『破滅使徒血盟の書』と号するなど)センスは神様ナイズ。
なお、作者は登場人物について『クトゥルフ神話』がモチーフになっていると語っており、マグちゃんの場合恐らくモデルはクトゥルフ(ただし見た目に限った話であり、能力はまた別)。ボイスコミック版声優：藤倉光。
第二柱『久遠』のユピスス（ユッピー）ボイスコミック版声優：高嶋孝輔。
第三柱『運命』のミュスカー（ミュっさま）
第四柱『節理』のウーネラス（ウネさん）
第五柱『狂乱』のナプターク（ナプタくん）ボイスコミック版声優：岡林史泰。
第六柱『夢幻』のノス＝コシュ（ノスコさん、ノス公）

無位『暗湛』のゾンゼ＝ゲ（ウニ助）
無位『金剛』のグ＝ラ（グラッシー）
無位『亜空』のニニツィ（ニニっち）
無位『忘却』のシュロ＝シモー（シュロ氏）

下等生物（ニンゲン）

宮薙流々
この物語のもう一人の主人公。中学生ながらも一人暮らしをしている、しっかりした女の子。生活費を節約するためにしばしば潮干狩りや釣りで食料を賄う事があり、マグちゃんと出会ったのも潮干狩りの時にうっかり封印の宝珠を掘り出してしまったためである。
天真爛漫であり、誰に対しても概ね友好的に接する。若干理解力が低いところがあるらしく、『うほほい時空』など呼ばれることも。
小さい頃に父親と死別し、流々と自身を養うために母は少しでも稼ごうと海外で働いているため、本来は年相応に寂しがったり甘えたがったりしているのだが、『良い子でいないといけない』とそうした本音を抑圧する事も多い。
マグちゃんからは信徒と見做されており、「まるで知性を感じない物言い」など失礼な評価を下される事があるものの、家族のような関係性を築きつつある。
やや恋愛的に鈍感なところがあるらしく、錬に恋心を向けられているのに全く気づいていない(デートに誘われてもデートと認識していない)。
名前のモチーフは恐らく『ルルイエ』からか。ボイスコミック版声優：北奈つき。
藤沢錬
流々の同級生で幼馴染。学校がない日は実家であるふじさわ食堂の手伝いをしていることも多い真面目な少年。流々の事が好きで、きっかけを作ってはデートに誘ったりしているが、肝心の流々が鈍感なため今一気持ちに気付いてもらえない。
『上位存在』達に関してはあまり良い印象を受けてはいないものの少しずつ態度が軟化してきている。また、ギャグ・コメディジャンルの当漫画に於いて基本的にはツッコミ要員であるが、流々の事が絡むとその限りではない。
色々あって『上位存在』の一柱であるナプタークが食堂でバイトしており、何かと面倒を見ている。
名前のモチーフは恐らく『レン高原』からか。ボイスコミック版声優：小黒幸希。
藤沢鱗
錬の姉。いつも気怠げにしており基本面倒くさがり。いかに楽して生きるかを考えて適度にサボっている。錬の流々への気持ちには気が付いているものの、同時に流々の鈍感さにも気が付いているので「死ぬほど脈無いから期待すんな」と内心思っている。
趣味は流々へ餌付けする事と流々を甘やかすこと。
イズマ・キサラギ
 聖騎士団の末裔にして『バトル世界の住人』『世界観を間違えた人』などと呼ばれる少年。『上位存在』達を根絶やしにする事を目的としている真面目なイケメン。聖剣を使ったり必殺技を使ったり世界観がガチ。
ただ必殺技名が「疾風スラッシュ」だったりセンスがちょっと残念である。
学生服を着ているが、これは『真人間のコスプレ』として渡されたものであり、本人は聖騎士団で育ったため、どの程度の教育課程を受けているかも不明。その為、世間知らず以前に常識すら怪しいところがある。
マグちゃん含む『上位存在』を滅する為に幾度となく挑むが、その力の差の前に何度も返り討ちにあっており、現在はマグちゃん及び流々の監視の目的で彼女達の通う中学校に転校している(ただし本人は16歳)。
セイラ・キサラギ
イズマの妹。聖騎士団新人団員。
閼伽村奏
愛倉第一中学の理科教師。混沌教団所属。混沌舞踏の名手。
尾瀬唯歌
悪童
小深山桔梗
闇の探究者

眷属

血濡れし漆黒の猟犬（チヌ）
狂乱の軍勢（ヤドカリーズ）
海原の覇者
白翼の運び手

本誌連載完結後

他作品への降臨

『週刊少年ジャンプ』2022年11号にて全世界の下等生物を涙と感動で包む最終回を迎えた本作であったが、その涙も乾かぬ翌12号、伊原大貴『守れ！しゅごまる』第11話「邪の神と守れ！しゅごまる」内に主人公・鉄虎守護丸の召喚によりマグちゃん・ナプタくん・ウネさんの三柱が降臨。ヒロイン・王城さなぎとジャンプ読者を笑いと困惑の渦に叩き込みつつ、ページ数の半分以上を支配完了した。上位存在にしてみれば作品間次元移動など児戯に等しいのであろう。