クトゥルフ(Cthulhu)とは、クトゥルフ神話に登場する神話生物の名称である。「クトゥルー」とも呼ばれる。
「クトゥルフ」神話と神話体系の名称に冠せられるほど代表的な神性。その名前は本来人間には発音不能な呼称を便宜的に表記したものであるため、英語でもCathulu, Kutulu, Q'thulu, Thu Thu, Thuluなど複数の綴りが存在する。軟体動物がモチーフとされており、蛸のような頭部、蝙蝠のような翼、無数の触腕と巨大な鉤爪のある手足を持っている。
太古の昔、クトゥルフとその眷属の住まいである古代都市ルルイエが海底に沈み、クトゥルフは深き眠りにつくこととなった。(星辰の影響による天変地異や、地球規模の地殻変動によるものとも、旧神による封印とも言われている)
星辰の位置が揃い、旧支配者の復活の条件が迫るとルルイエはふたたび海上に姿を現し、同時にクトゥルーの思念波が世界中を満たし、悪夢や怪事、暴動が頻発すると伝えられている。「クトゥルフの呼び声」では、1925年3月1日に地震と嵐と共に悪夢や秘密教団の蠢動が始まり、3月23日にルルイエが海上に姿を現している。
普段は海水に遮られているが、時折クトゥルフの思念波を受けて悪夢を見たり、精神が錯乱する者もいる。さらに、星辰の変化や地殻変動によりルルイエが浮上すると、クトゥルーの思念波が全世界に伝播され、感受性の高い人間は精神に深刻な影響を受け、悪夢にうなされたり、精神が崩壊したり、最悪自殺することもある。
――それらは一時的な浮上にすぎず、数日でまた海底へと沈むのだが、ルルイエが完全に浮上するとどうなるのかというと……端的に言えば人類が終わる。(その辺りはロバート・ブロック著「アーカム計画」に描かれている。ルルイエ浮上状態では「時は止まり、死が死に絶える」らしい)
H.P.ラヴクラフト著「クトゥルフの呼び声」にて初めて登場し、眷属である深きものどもに崇拝されている様は、「インスマウスを覆う影」でみることができる。
オーガスト・ダーレスの体系づけにおいては、旧支配者の一柱で、「水」を象徴し、「風」の象徴であるハスターとは対立するものとされた。また、旧神によってルルイエごと地殻の下に封印されたとされている。
遥か昔、宇宙の遥か彼方より眷属達と地球に飛来したのちに太平洋の大陸を住処として、そこに自らの都市となるルルイエを建築しようとした。しかしそれよりも更に昔から地球を住処としていた古のもの達と遭遇し、地球の支配権を争う大規模な戦争が起こった。長い戦いの果てに古のもの達との停戦協定を結び戦争は終わりを告げた。その後長い年月の間クトゥルフ達の天下が訪れた――と記されている。
クトゥルフは印象的なモチーフとしてよく彫像などで現されるように翼を持つタコ頭の姿をしているが、その実、不定形の姿をした伸縮自在の存在であり、触手は何メートルも伸ばすことができるだろう。
クトゥルフの眠るルルイエには多くのクトゥルフの眷属が眠っており、クトゥルフはそれらの王であり、指導者であり、司祭である。クトゥルフが目覚めたとき、それらも目覚めることになるだろう。それらの眷属に関しては”眷族”の項で記すこととする。
クトゥルフは惑星ゾスからやってきたといわれ、その星には配偶者であるイダ=ヤアアがいるとされる。クトゥルフはゾスでゾス三神といわれるガタノソア、イソグサ、ゾス=オムモグとクティーラを産み出し、他の数多の眷属とともに地球に飛来したとされている。また、クトゥルフの配偶者はほかにもスクタイとカソグサがおり、カソグサはヌクトルーとヌクト―サを産み出したというが、詳しくは”クトゥルフの血縁”を参照されたし。
クトゥルフに対しての崇拝は広く知られ、旧支配者のなかでの知名度はトップクラスと言ってよいだろう。さまざまな部族がクトゥルフを信仰しており、主に水辺や浜辺の近くの村々で崇拝されているという。特にイヌイットやルイジアナなどでの信仰が確認されている。
古くからの信仰はクトゥルフ自体の名称に多くの変化を生み出し、数多の名前を持つものになったという。
「銀の黄昏教団」はクトゥルフとヨグ=ソトースを崇拝している珍しい教団の例である。
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん
Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn
――「死せるクトゥルー、ルルイエの館にて、夢見るままに待ちいたり」 の意味
いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!
Ia! Ia! Cthulhu fhtagn!
――クトゥルフを讃えるときに使われる言葉
窓に!窓に!
The window! The window!
――H.P.ラヴクラフト著「ダゴン」 より、主人公が謎の失踪を遂げた際に残した言葉
眷属には「右腕」のムナガラー(M'nagalah)、”父なる”ダゴン(Dagon)、”母なる”ハイドラ(Hydra)、水棲生物「深きものども(Deep Ones)」などがいる。他にもガタノトアを代表としたゾスの三神と呼ばれる存在などを子に持つ。
クトゥルフ神話TRPGで、クトゥルフの化身として設定されているものを記載する。うち二つはTRPGオリジナル、もう一つは神話外の小説から取り入れられたものである
ケイオシアム社の「マレウス・モンストロルム ハロウィーン・モンスターコンテスト」(2004年開催) 1位入賞作 → 告知ページ & 結果発表ページ
作者はブルース・L.プリディ(Bruce L. Priddy)。なお大賞はチャド・J. ボウザーの「蒼白の踊り手」。
ホホジロザメの先祖であるメガロドンなどに似ているが大きさは優にその倍はある存在である。つまり40メートルほどの大きさがあるということか。ほぇ~。
常に空腹で、常に怒りに満ちているという。そんなに怒って何をしている。
この存在は『ポナペ経典 (Ponape Scripture)』によって示唆されているがクトゥルフの化身だという。
深きものはこの存在を召喚することができるといわれるが制御することができないため、恐ろしい結末を迎えることになるという。主に深きものに害を与える人間に対して対抗するために召喚され、海岸にある街や大型船を襲うといわれている。
この存在はポリネシアやハワイで知られ、様々な名前で呼ばれてるという。かつては海の恐怖として人身御供が行なわれ、その怒りを鎮める儀式を行っていたという。また、深きものに信仰されている。
この化身についてはあまり知られていない(だって登場小説が一つしかないし)が青や緑や黄色に輝く霧のような姿をしているという。上記の二つ名は魔導書『怪物とその眷属 (Monstres and Their Kynde)』に載っているという設定。
アフリカや南米などに住む原始的な民族によって崇拝され、文明の破壊と自然への回帰を求めているという。そのときにはワニやサメに生贄を捧げているという。ビーモスは果たしてそんなことを望むのだろうか。
この化身は物理的に行動するわけではなく、夢やテレパシーを通して顕現する存在である。そして海や沼の近くにいるとよりその影響を受け、動物や人間の心を読んで支配するという。その影響は徐々に進行し不明確な夢として現われることだろう。
下記登場作品は、クトゥルフ神話とは無関係のホラー小説だが、ロバート・M・プライス編の短編集『Tales of the Lovecraft Mythos』(未訳、1992年)に収録されたことで神話体系に関連付けられることになった。TRPGでクトゥルフの化身とされた経緯はよく分からない。
登場作品:『The Scourge of B'Moth』-バートラム・ラッセル
クトゥルフ神話の関連項目 | |
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旧支配者 | クトゥルフ | ハスター | クトゥグア | ツァトゥグア | ダゴン | アトラク=ナクア | ロイガーとツァール |
外なる神 | アザトース | ヨグ=ソトース | シュブ=ニグラス | ナイアルラトホテップ |
旧神 | ノーデンス | バステト | ヴォルヴァドス | ヒュプノス |
その他種族 | イスの大いなる種族 | 古のもの | ミ=ゴ | イタカ | ティンダロスの猟犬 | シャンタク鳥 | バイアクヘー | 深きものども | ショゴス | ナイトゴーント | ムーンビースト |
地名 | アーカム | ミスカトニック大学 | インスマウス | ルルイエ | ダンウィッチ | 狂気山脈 | ン・カイ | ユゴス | ン・ガイの森 |カダス | レン高原 | ハイパーボリア | |
魔導書 | ネクロノミコン | エイボンの書 | 黄衣の王 | 屍食教典儀 | 水神クタアト | セラエノ断章 | ナコト写本 | 無名祭祀書 | 妖蛆の秘密 | ルルイエ異本 |
アイテム | エルダーサイン | アルハザードのランプ | 輝くトラペゾヘドロン | 銀の鍵 |
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掲示板
425 ななしのよっしん
2022/09/28(水) 16:57:38 ID: Kt76Dh04Jt
ブシュカン見てると緑色で房付きのダマだからクトゥルフ様連想してしまったんだよな
426 ななしのよっしん
2023/12/27(水) 17:00:23 ID: NpQNVGxZfF
呪術廻戦にダゴンが元ネタの名前の奴がいるけど見た目はどう見てもクトゥルフのほうが近い
427 ななしのよっしん
2024/11/15(金) 05:23:05 ID: P+MEkTHBaD
>>417
原作的な描写としては「寝ぼけた状態のクトゥルフと接近・遭遇したなら(運が良ければ)漁船の体当たりで一時的に撃退する事もできます」くらいにしか書かれてないし完全覚醒状態のクトゥルフがどの程度の硬さなのかも分からないのと
単純な硬さとして「漁船体当たりで撃破可能」としてもどの程度の時間で復活するのかも定かではないから
STGの自機よろしく「核でも漁船でもライフ1個分」みたいな意味で人類が進歩して得た火力が少々高くなっても大して意味を持たないのかもしれないという意味で
「一応は撃退の余地が描かれていて・それが本質的に無意味」という怖さはあんまり変わってない気も
(隙があれば人類全滅ENDに持ち込めちゃうし)
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最終更新:2025/01/23(木) 00:00
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