紀の川市(きのかわし)とは、和歌山県の紀の川沿いにある都市である。人口は約6万ほど。
平成の大合併によって那賀郡にあった5町、打田町、粉河町、那賀町と貴志川町、桃山町が対等合併した都市であり、紀の川沿いにあった3町が音頭をとっていたことからこの名前が付けられた。なお、当初は那賀郡で最大の人口を誇った岩出町にも声を掛けていたが、和歌山市、大阪市のベッドタウンとして人口5万人を超えていた同町は単独市制を勧めたことで、交渉が不発に終わる。代わりに当初合併の意図はなかった貴志川町と桃山町に、旧町名を字に残すという条件のもとに合併した経緯がある。そのため、和歌山県内から那賀郡は消滅したが、今も岩出市と紀の川市を慣例的に那賀地方と呼んでいる。
打田町、粉河町は国道24号線沿いのベッドタウンや商業中心地として開けており、また西国三十三箇所霊場の第3番札所「粉河寺」の門前町としても発展した。一方で貴志川町は貴志川線の沿線を中心に、和歌山市のベッドタウンとして発展している。そして有名なたま電車やたま駅長で有名な和歌山電鉄貴志川線の貴志駅があるのはこの紀の川市貴志川町である。ほかに貴志川町上流の貴志川はホタルの生息でも知られる。打田にはパラグライダーが盛んな観音山などがある。郷土出身の有名人として『華岡青洲の妻』で知られ、世界初の麻酔手術を行った医師、華岡青洲や北海道日本ハムファイターズの西川遥輝などがいる。
農業が盛んであり、特に隣のかつらぎ町と並び果樹産業が盛んである。はっさくは全国1位、いちじくは全国2位、キウイは全国3位、桃、柿も全国上位、いちごは県内1位である。ほかにみかん、梅、ブドウ、ブルーベリー、梨やリンゴまでも作っている場所があり、パイナップル以外は作れる町ともいわれたりしている。特に、柿は紀の川柿と呼ばれ、平核無の実を、糖分で真っ黒になるまで完熟させたもので、極上品は「黒あま」と呼ばれる逸品である。
その果物をアピールした戦略に、直売所販売や市場出荷のほか、「ぷる博」と呼ばれる果物を通した、食と体験イベントを毎年実施しており、関西から多くの観光客が訪れる。なぜ、「ぷる」なのかは後述。
紀の川市のマスコット(ゆるキャラ)として、「紀の川ぷるぷる娘」と呼ばれる、頭に果物をかたどった6人の妖精がおり、それぞれ名前をイチゴに見立てた「いちごっぷる」、桃の「ももぷる」、いちじくの「じくぷる」、はっさくの「さくぷる」、キウイの「きうぷる」、そして柿の「かきぷる」がいる。他にみかん、梅なども栽培している中で、なぜこの6人で、そしてなぜこの6つの果物なのかは…この6人は2つの大きな役割があり、観光と農業方面へのPRキャラでもある点が大きい。
観光パンフレットには彼女たちが全面に押し出されて、それぞれの名所を紹介している。また、前述した「ぷる博」はそんなぷるぷる娘を使った体験型観光イベントであり、同時に京阪神圏や和歌山市から紀の川市の果物をPRする目的が強い。また、彼女たちがどちらかというと女性受けするような少女漫画風の顔(いわゆる萌え系とは真逆の系統)にしてあるのも、主要客である女性へのPRが中心となっているからである。実はLINEスタンプといったグッズもある。
また、彼女らは観光PRだけでなく、京阪神や京浜の市場に出かけることも多く、そこで現地のバイヤーなどに産地をPRする大事な役割を持っているからであり、この6つの果樹は特に、県外への市場出荷が多い、戦略的な農作物であることが関係している(裏を返せば、紀の川市は器用貧乏な一面もあり、はっさくは国内首位なのに、県内では有田、県外では広島に知名度で負けている、いちじくは愛知、キウイは愛媛や福岡、柿は奈良や県内の九度山、桃は西日本では岡山など知名度戦略で大きな後れをとっていたからである)。
また、この6つが選ばれたのは旧5町の特産物であったことも無関係ではないようで、イチゴは貴志川町や打田町、桃は桃山町や粉河町、イチジクは打田町、はっさくは粉河町、キウイは那賀町や粉河町、柿は粉河町や那賀町の特産品であった。つまり、旧5町の団結力を示しているともいわれているようである。
なお、お隣のかつらぎ町にも果物をかたどった5人のゆるキャラがいるが、ほぼ同時に始まっているので、どちらかがネタをパクったということはなさそうだ。
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1 ななしのよっしん
2021/10/06(水) 03:49:45 ID: eV2l67m1wN
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最終更新:2024/12/01(日) 21:00
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