納谷悟朗とは、テアトル・エコー所属の俳優・声優・舞台演出家である。1929年11月17日生まれ。
なお納谷六朗は彼の実弟で同じく俳優・声優である。
吹き替えの創生期から活躍するベテラン。『ルパン三世』シリーズの銭形警部、『風の谷のナウシカ』のユパ、『宇宙戦艦ヤマト』の沖田艦長等が有名であるが、他にも特撮への出演およびナレーション、洋画の吹き替えなども幅広くこなしている。
多くのベテラン同様に「声優である以前に俳優である」ことにこだわりを持つ。実際、「舞台の役を与えられたのと同じ感覚でやっていた」と語っており、『ルパン』や『ヤマト』に関するインタビューでも、「“声優”という呼び方は許さない」とほぼ毎度開口一番に発しているという。とあるインタビュー取材で“声優の納谷悟朗さん”と紹介された途端に、怒って取材を断ったという逸話がある。
また、舞台経験がないまま声優になる人達に対しては「舞台経験をした方がいい。」とアドバイスを送っている他、舞台に立つ声優には積極的に支援している。
ルパン三世TV第1シリーズから2010年のテレビスペシャル『the last job』にかけて39年間銭形警部を演じ続けてきた。
納谷の地声は澄んでいる方だが、銭形を演じる時は濁声で喋っている。(これは他の役作りでも同じ事である)
その一方で「銭形はいつまでも歳を取らないけど、僕は年々歳を取っていくので、合わせるのが少し辛い。」と長年担当している事からの苦労も語っていた。
その後銭形役は2011年のルパンスペシャル『血の刻印 〜永遠のMermaid〜』からは山寺宏一が後任となったが、今後の機会があればまた銭形をやりたいと述べていたが、2012年に発売された『ルパン三世 Master File 』に収録されている短編アニメ『ルパン一家勢揃い』で再び銭形役で再登板している。
納谷がとりわけ公私共に親交が深い役者仲間は、同じくテアトル・エコーに所属していた初代・ルパン役の山田康雄であった。2人は「ルパン三世」や多くの洋画の吹き替えで良く共演したり、仕事を終えては遊びに行ったり、借りておいた千葉の上総湊にある海の家に帰っては一緒に飲んでいたという。
1995年に山田が急逝した際、彼の葬儀で弔辞を担当したのも納谷であった。
納谷は山田に遺影に向かって銭形がルパンに怒鳴るような口調で「おいルパン、これから俺は誰を追い続ければいいんだ」「お前が死んだら俺は誰を追いかけりゃいいんだ」と涙ながらに呼びかけたという。
その内容は1st最終話の「黄金の大勝負」や2nd32話の「ルパンは二度死ぬ」を思い起こさせるものだった。
山田亡き後のルパンでは山田に代わって作品の重鎮として、特にルパン後任の栗田貫一のことはよく気にかけていた。(「くたばれ!ノストラダムス」で栗田が戸惑う中、納谷から「お前でいいんだ!やってくれ‼」という言葉をかけたという)。テレビのルパン特集でも顔出しで「いつか絶対捕まえるからな」などと登場したこともあった。
また、ヤマトやルパンに触れる前の世代には『仮面ライダー』シリーズに登場する敵組織の首領役がお馴染みであった。毎度のごとく、声のみで指令を発し、最終回近くで姿を現し、歴代仮面ライダーとの激闘を繰り広げた。仮面ライダーストロンガーでは本来の姿である<岩石大首領>として登場。その後の組織には作品設定によって関わりがあったりなかったりまちまちだが、仮面ライダーBlack RXまで昭和ライダーのラスボスたる風格を確固たるものとしていた。平成ライダーでは一部映画で納谷の声による首領が登場するが、高齢のためか、台詞は少なめだった。この他にも特撮では『怪獣大戦争』のグレンや『ウルトラマンA』のAを担当している。
晩年は度重なる体調不良によって2008年で俳優業を引退し、2012年までは声優業を休止して入退院を繰り返すなど、体力的にも役者としての活動にも響いていた。
そして2013年3月5日午前3時、慢性呼吸不全により自宅で死去した。享年83。
山田康雄の死から18年後の同じ3月に、ルパンファミリーとしては、山田の次に亡くなった。
なお、「ルパンVS複製人間」の作中のある場面に二人のこんなやり取りがある。
ルパン「見上げたしつこさだね。いや、俺はさぁ、確か死んだはずじゃなかったっけか?」
銭形「馬鹿もん!!お前がたとえ100回死のうとそんなことは問題ではない。ルパンという人間がいる限り、私は日夜永遠に追い続ける義務があるのだよ。」
今頃二人はきっと天国で生前つかなかった追いかけっこの決着を争っていることだろう。
通夜と葬儀は親族のみで済ませ、同年5月21日に別れの会が営まれた。役者仲間とファンを合わせておよそ300人 が恵比寿・エコー劇場を訪れ、その中にはルパン役の栗田貫一をはじめ、原作者のモンキー・パンチ、銭形役を引き継いだ山寺宏一、アニメ「青いブリンク」で共演した野沢雅子もいた。
栗田はルパンの声で「とっつあん、さみしいねぇ、ずっと追いかけてもらいたかったぜ」と別れの言葉を述べた。
野沢からは「頑張るからあちらの世界から絶対見ていてねと、お約束してきました」と想いを寄せていた。
掲示板
187 ななしのよっしん
2022/04/15(金) 16:10:45 ID: f/lFCQzY3Q
>>186
この方に限らないんだけど、渋い声の声優さんや重い声の人って亡くなったりして減っていってる気はする
188 ななしのよっしん
2022/08/30(火) 14:15:22 ID: vicveVpfiq
納谷さんが明確に「衰えた」ていうのが目に見えるようになったのっていつ頃だろう?
ルパンに限って言えば、90年代は全盛期と比べるとハリが無くなり始めたけどまだ滑舌はしっかりしてたけど、2000年のアルカトラズコネクション入った辺りから滑舌も怪しくなり始めたって感じがする。
他の作品だとメルカッツ提督とかは割と最後まで重厚な演技を維持してたが、同時期にやってたPS版ヤマトの沖田艦長がヨボヨボのおじいちゃんみたいになってたな。
となると90後半〜00年代前半あたりからか?
189 ななしのよっしん
2023/01/28(土) 12:54:44 ID: 9UX6DCPsbg
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最終更新:2024/10/07(月) 14:00
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