LKprojectとは (エルケープロジェクトとは) [単語記事]

LKprojectとは、「戦極姫」シリーズのキャラクターデザインやそのコミカライズを手掛けている神吉氏が構想するファンタジー世界観、およびその世界観に沿った作品群の総称である。

概要

作者である神吉氏が長年にわたって構想してきたファンタジー世界観に基づいており、一般的なファンタジー世界の中に機械文明やネットワーク技術も並行して発達している独特の世界観で描かれている。

ニコニコ漫画では「呪われ魔法使いと鈍ら騎士」をユーザー投稿で連載していたが、この作品の10年ほど前に前作となる「Lost King dom」を発表している。

あらすじ

数十年ほど前にこの世界に突如出現した「帝国」は、その圧倒的な科学力を以て周辺の王国を併呑していった。

「帝国」の野望は人間世界から国や宗教といった概念を無くし、すべてを平行にすることである。

その世界の中で「帝国」に滅ぼされた王国の再興を志す王家の末裔、また「帝国」の野望を果たすべく自らの計画を推し進めんとする謀略家、そしてそれらに翻弄される若者たちが繰り広げる群像劇である。

エピソード

LostKingdom

「LKproject」の1作目となる作品で、先述した通り「呪われ魔法使いと鈍ら騎士」連載する10年ほど前に公開されたが、未完で終わっているとのこと。

「帝国」に滅ぼされた王国の王女だったナスカ・セツ・エイシャが二人の兄と再会し自身の記憶を取り戻していく内容である。

この作品に登場したキャラクターの多くは次作の「呪われ魔法使いと鈍ら騎士」にも登場している。

呪われ魔法使いと鈍ら騎士

「呪われた少年」マルロット。彼の住んでいた国は「帝国」との争いに敗れ、帝国の一部とされた。
その帝国の中心部にある「帝国学院」に転校した彼は、そこで「騎士になれない少女」イドラと出会う。
動かない二つの歯車が出会ったとき、二人の運命はゆっくりと回り始める……。

倶利伽羅屋の猫

帝都に謎の連続事件が発生。それは帝国の支配におさまらぬ「眠浮」と呼ばれる所に住む「まつろわぬ者達」という者達によるものらしい。
セルヴァとイドラはマルロットの「呪い」の力に対抗できる剣を作ってもらうため、彼を誘い三人で「眠浮」に向かうのだが……。

登場人物

※公式サイトの説明文を借用している箇所もあります。
※ネタバレ箇所は文字の色を反転させています。

2年Iクラスの面々

マルロット・カルメ
「呪われ魔法使いと鈍ら騎士」での主人公。西国にある魔法使いの名家の息子。
自分が魔法を使うと不吉なことが起こるとされ、一切の魔法の使用を禁じられており、代わりに武道を学ぶために帝国学院に編入することになる。
自分の身に起きる不思議な現象のせいで故郷の人たちから呪われていると忌み嫌われ、また自身も自分が呪われた存在であると卑下している。
編入先で騎士になることができない少女イドラと出会い、彼の運命の歯車はゆっくりと回り始める。
イドラ・ヴィオロン
マルロットとは違い帝国出身。
騎士になりたいと常日頃から夢見ているが、自分の振るった剣では物体を切ることが出来ず、そのせいで騎士になることは不適格とされている。
それでも彼女は騎士になる夢を諦めておらず、転校生マルロットと出会うことで運命の歯車がゆっくりと回り出す。
セルヴァ・カイン・エイシャ
マルロットが転校する前の年に帝国学院に留学してきた少年。魔法系を専攻している。
主人公たちと同じ2年I組だが年齢は2歳年上。
帝国語がうまく話せないため高等部に入学しており、話し方にも独特の言い回し（「～である」調など）がある。
普段は冷静を装っているが本性は激情家で不遜。
故郷に双子の弟（セルヴァ・アベル・エイシャ）がいる。
　
クリストファー・エルル
クラス委員で帝国貴族の少年。
クラスの中では成績が良く、魔法系を専攻していながらも文武両道である。
言葉遣いはやや荒いものの温和な性格で、クラスの調整役でもある。
　
アプリコット・マジョルカ
帝国貴族の少女。
帝国以外の人間を「化外（けがい）」と呼んで見下しており、担任のサフィールに何度かたしなめられている。
　
サフィール
2年Iクラスの担任で専攻は言霊学と精霊学。
学生と年齢が近く、面倒見もいいせいか生徒には慕われている。
事務作業が苦手で職員室の自席は散らかっており、セルヴァに「もっとしっかりしろ…て下さい」と突っ込まれることも。
普段はやる気のない人のように見えるが…？

その他の面々

ナスカ・セツ・エイシャ
旧作「LostKindom」での主人公でセルヴァの実妹。
前作の終了後、自身の記憶は取り戻した模様。
帝国学院高等部2年A組所属で武道系を専攻している。
また刀剣技術研究会の創設者であり主将も務めている。
超常的な怪力の持ち主だが方向音痴だったり味音痴だったりといろいろ鈍感なところもある。
葵
サフィールの秘書。背中に羽が生えているあたり、恐らく人間ではないのだろう。
研究室でサフィールに良く懐いており、彼を「さっちゃん」と呼んでいる。
胡　小龍
学生食堂で働いている少年。
和風洋風・甘味から激辛料理まで何でもござれの料理人。
転校初日の生徒に「ハバネロがっつり激辛チャーハン」を振る舞ってからかって歓迎しているようだ。
パトリシア・M・ラ・ディアス
帝国学院の学院長。そしてこの物語の黒幕。
彼女の企む「Lost King dom Project（王国消失計画）」とは要約すれば「人々がそれぞれの場所でそれぞれのルールで好き勝手やってるから世界が混乱して非効率になるので、自分達が人類を秩序に導き効率化させよう」というものであり、名称通り帝国が周辺の王国を滅ぼしているのはそのため。
彼女が語った「Lost King dom Project」の全容こそがこの作品の前作である「Lost King dom」の由来であると作者がTwitterで公言している（そしてパトリシアもわずかながら旧作に登場している）。
クリストファーとサフィールも彼女の部下であり、それぞれが彼女の「盾」と「剣」となって付き従っている。