SCP-1000-JP 単語


ニコニコ動画でSCP-1000-J…の動画を見に行く

トクベツカイシュウニンム

9.0千文字の記事

対話は続けられる。 -O5-██


SCP-1000-JP - SCP財団exitより,2022/10/13閲覧

SCP-1000-JPとは、シェアード・ワールドSCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。

名は『特別回収任務』。

概要

SCP-1000-JPは、とある小惑星機の付属物である。SCP-1000-JPの付属している探機062-Aは、現時点で一切の遠隔操作を行えず、信号を受信すると、062-Aが試料を採取しようとしていた小惑星2001-AL120の軌に微細ながらを与えてしまうため、体衝突の危険性を鑑みて探機062-Aへの信号送信は当面凍結されている。

もともと2003年に探機062-Aは小惑星2001-AL120から試料を採取しようという『カササギ計画』のために打ち上げられ、財団も費用負担と一部機材の貸与を行ったのだが、約3.1AU (単位。1AUは約1.5億km。)まで飛んだところでとある恒星フレアにより交信途絶。その後も復旧を試みたが、2006年に機体喪失と見なされた。しかし約2年後、探機062-Aから微弱な信号を受信した。普通ならありがたい話なのだが、この時到着予定地点の写真を見て研究者驚愕。なんとその表面は日本列島中央部山岳周辺に酷似しているではないか

こんな写真を送ってくるものだから、撮続行命を送信するのだが、その時わずかに小惑星2001-AL120の軌が変化した。交信を続けるごとにその交信に応じて軌が変化していくことがわかったのだ。財団はこの探機062-Aと小惑星2001-AL120の間の異常な関連をアノマリー認定、財団管轄とした。


ここまでで「ん?」と思っている読者も多かろうが、その疑問はいったん頭の横によけて、続きを読んでいただきたい。

ともかく財団は、探機062-Aを回収せんがため、有人航行計画を立案。『ノストロモ計画』と名付けられたこの計画は、小惑星2001-AL120の表面に、スクラントン現実錨のパネル (以下、SRAパネル) を14基組み上げ、現地で探機062-Aを『収容』してしまおうという計画である。――スクラントン現実錨というものは、「現実改変」を防ぐため、ヒューム値を特定の数値に固定する技術であったはずだ。探機062-Aがなんらかの現実改変を起こしている、と財団は考えたのだろうか。

このノストロモ計画において、人的資の回収は行われない――ようは、人員は使い捨て。現地で死んでくださいという非情な作戦を立案したのである。最も、既に約3.1AU、つまり約4.6億kmもの場所にある小惑星2001-AL120から帰ってくる宇宙など用意できるものではなかったのだろう。接続ナーシサス (乗員2名) と運搬ロードジム (乗員2名)、14基SRAパネルを乗員も含めて送るのだ。

こうして、ミミズに寄生され人ならざるものに変質したSCP-109-JP-Aのエージェント・ジョーンズSCP-515-JP遺伝子汚染され頭部がイエイヌになったエージェント・アッシュ、そしてミシマ博士。この3人には財団への多大な貢献を認め、『F4までの表領域が特別に割り当てられ』るという。この時点では何を言ってるかわからないだろうから、これも頭の横によけておいていただこう。

ともかく3名は遺書を残すことが許された。エージェント・ジョーンズエージェント・アッシュ異形と化した自分たちが職務を全うできることを感謝していたが、ミシマ博士はただひとこと。

君たちを許さない。


SCP-1000-JP - SCP財団exitより,2022/10/13閲覧

こうして3名は接続ナーシサスに乗り込み、小惑星2001-AL120への死出の旅に出たのだ。

だが――

ノストロモ計画の凍結が決定されました。探機062-Aの収容は期限に延期されます。 通達: オルメイヤー計画は継続されます。投入表は増員予定です。


SCP-1000-JP - SCP財団exitより,2022/10/13閲覧

接続船ナーシサス受信情報

ここからは、ミシマ博士の手記が続いていく。ここも、今の時点ではよくわからないであろう描写が続くが流し読みしていただきたい。


閲覧可ファイル: ノストロモ計画(NST+002)およびオルメイヤー計画(OME+001)

機062-Aの周囲一帯には、が存在しており、温帯多高温気再現され、メインとしてコケシダが、少数ながら種子植物も存在している。生き物は存在していないが、呼吸可な湿潤空気により気密を着用せずに外活動ができている。この条件から、日本列島中央付近の環境再現されていることがわかる。ただし、「現実強度」だけは脅威の550Hm/cm3普通人間は1Hm程度の現実強度しかなく、異常を持ったエージェント・ジョーンズエージェント・アッシュでさえ、一桁Hm程度の現実強度しか持っていなかった。こうして、ふたりは外見こそそのままだが、獲得していた異常性質は失われた。ミシマ博士はこれを「正常性への希釈」と呼称している。

SRAパネルによる探機062-Aの収容も全く進んでいなかった。着陸ナーシサスと探機062-Aは14.2km離れていて、標高差が2,450mあることから、運搬できない状況だった。また、着陸ナーシサスの正常性への希釈を防ぐためにSRAパネルを7基、3人の睡眠を取るための場所の確保にSRAパネルを7基使用する必要があった。運搬ロードジムは既に正常性に希釈されて後部の積載部品を喪失した。つまりこの時点で計画はもはや当初の形では実行不可能になってしまっていたのだ。

そこでミシマ博士は「そもそも小惑星2001-AL120が『日本』になってしまっている」原因を探ろうとした。そしてついに、ミシマ博士はそれを見つけた。それは探機062-Aの分解中に見つかったものであった。のような形をしているが、そこに電とモデムが接続され、電力が供給されている。通信規格が保全サーバーと一致していることから、ミシマ博士は解析の結果として一種の補助記憶装置であると断定した。そしてこの記憶領域には膨大な情報体が存在し、多数の知性反応が確認された。参照不可領域の存在から、ミシマ博士は「F5までの階層を保存している」、すなわち「高レベルクリアランス職員を内包した中枢領域の予備サーバーである」と結論づけるに至る。この職員の表小惑星2001-AL120現実性に干渉してこの領域を作っているのであれば、SRAパネルで収容することは危険であるため、電を確保して着陸ナーシサスに収容している。

AL120表層上の過剰な正常性が、表の総意なのだとしたら、やはり財団は、異常性を帯びた職員を排除したかったということでしょうか。24年前、私を排除したように。


SCP-1000-JP - SCP財団exitより,2022/10/13閲覧

もうやめようよ

アッシュジョーンズはすでに正常な世界になってしまった。ミシマ博士もそうなるだろう。「私」はいったいどうやってここに来たのか、もはや思い出せない。このにも太陽は昇る。ここは「私」の産まれたなのだから。

ここはこんなにもすばらしい。

どこにいるの?

これが、SCP-1000-JPの報告書である。

……ここまで読んできた読者はさんざん頭を捻ったに違いない。SCP-1000-JPの報告書でありながら、SCP-1000-JPよりも探機062-Aと小惑星2001-AL120についての記載ばかりの報告書。慣れぬ『表』なる単語。接続ナーシサスと運搬ロードジム定員えた人員の送り込み。ミシマ博士の怒り。なぜ小惑星2001-AL120が『日本』になったのか、なんて以前にわからないものが多すぎる。というか、結局SCP-1000-JPとはなんだったのか、がわからないのだ。当然、SCP-1000-JPの異常性についても語られていないのだ。あくまで本報告書には探機062-Aの収容計画とそれにともなう報告のみが載っているだけであるからだ。

さて、上述では省いたが実はとある部分でおかしな点がちらほら散見される。例えば、先述の遺書の件。3人の遺書はそれぞれ「保存書簡-NST-006」「保存書簡-NST-007」「保存書簡-OME-011」となっている。――気づいただろうか。接続ナーシサスからの受信ファイルとして閲覧可ファイル名は「ノストロモ計画(NST+002)およびオルメイヤー計画(OME+001)」となっている。ミシマ博士だけ遺書のファイル名が「保存書簡-OME-011」。つまり、ミシマ博士はノストロモ計画の人員として送り込まれたのではない。ミシマ博士は、オルメイヤー計画なる別の計画の人員として送り込まれたのである。そして、引用部の「ノストロモ計画は凍結します」の部分にもしかけがあり、実はここに0pxの文字でこう書かれているのだ (本記事でも0pxで引用してあるが、再掲しておこう)。

ノストロモ計画の凍結が決定されました。探機062-Aの収容は期限に延期されます。 通達: オルメイヤー計画は継続されます。投入表は増員予定です。


SCP-1000-JP - SCP財団exitより,文字サイズ初版投稿者により変更,2022/10/13閲覧

ノストロモ計画はSRAパネルを別用途に使用せざるを得なかったため断念せざるを得なかったが、オルメイヤー計画は続行されている。つまるところ、オルメイヤー計画とはなんだったのかがわかればこの話は紐解けそうだ。

そしてもうひとつのヒントが『SCP-1000-JPのコンテストテーマ』。SCP-1000-JPはSCP-ENのキリ番コンテストよろしく、コンテスト優勝作品としてこのナンバーを勝ち取っている。そのテーマは『日本』であった。

オルメイヤー計画の記憶

さて、オルメイヤー計画そのものについて、SCP-1000-JPの報告書には一切記述されていない。これは、オルメイヤー計画がSCP-1000-JP収容担当の人間には知らされない極秘情報だからである。このオルメイヤー計画に関する記録書を書いたTaleこそが、『オルメイヤー計画の記憶exit』である。更に後に開されたTale『ノストロモ計画の最後exit』とも合わせて読んでいきたい。

ということでこのTaleを見ていきたいのだが、このTaleを読む上で重要な理解がTale冒頭に記述されている。まず、財団には中央サーバーである"十束"というものがある。この十束にはF1-F5までの表領域と呼ばれる保存領域が存在している。F1-F5というのは人間の人格を5つに分けて、それぞれを「表」として保存するというものだった。なので、以後は「表」と言われたら、データ上に生きている人格であると捉えてほしい。うち、F5そのもののようである。地球に致命的なK-クラスシナリオが起きた時、『十束』のなかの人格たちが導して地球を元に戻すのだ。層ごとに数は減っていき、F5層は549名しかいない。ごと保存されているわけだから、財団のかなり高位の存在であることは予測されよう。

この『十束』をバックアップするために、予備サーバーとして『草薙』が作られた。F5層の最大の問題点は「内包した人数に例してヒューム値が上昇する」という問題点であった。これによって周囲のオブジェクト異常性を失っていく。確保・収容・保護。この理念から何でもかんでも力化させるわけにはいかないのだ。クソトカゲくらいは力化したいだろうが。十束はとりあえずSRAパネルをふんだんに使って現実強度を通常値まで下げたが、予備サーバーを同じ地球に置いておくのも危ない、という議論がなされた。またそもそも地球に何かあったときのためのサーバーであるのに、2つとも地球に置くのもバックアップという観点ではあまりよろしくない。

そんなときに、日本開発社 (YEGA) が探機062-Aを小惑星2001-AL120に送るという「カササギ計画」を立案した。これに対して財団はこれ幸いとカササギ計画に出資する見返りとして、予備サーバーの『草薙』をその小惑星に置いてきてくれと依頼した。この予備サーバー宇宙惑星重力県外に設置しようという計画こそが『オルメイヤー計画』だったのだ。当然、この『草薙』もSRAパネルを取り付けられており、直ちに現実改変を引き起こすことはない――はずだった。

しかし、探機062-Aは恒星フレアを受けてしまう。なんとか小惑星2001-AL120には辿り着くのだが、ヒューム値が跳ね上がってそれが漏れ出した状態の『草薙』によって小惑星2001-AL120の表面は「日本」に塗り替えられてしまったのだ。そしてどういうわけか、地球からの通信をたどり、小惑星2001-AL120ごと探機062-Aが地球に向かってきていた。理由は不明だが、地球小惑星2001-AL120突すればひとたまりもない。財団はまずはなんとかこれを止めようと試みた。

ここで上記のノストロモ計画につながる。財団はとりあえず小惑星2001-AL120表面の現実改変をSCP-1000-JPとして登録。探機062-Aごと収容するのがノストロモ計画であった。こうしてノストロモ計画の作業員としてエージェント・ジョーンズエージェント・アッシュ、ミシマ博士が送り込まれるが、550hmの間において異常を持つ3名は正常性に希釈されてしまう (つまり、消失したということである) 。しかしこのとき、接続ナーシサスに搭載していたもうひとつの予備サーバー「八尺瓊」 と「草薙」の接続に成功。

ここでノストロモ計画は凍結しているが、その後もオルメイヤー計画は「草薙」の復旧という方向で継続されている。ここから表投入がはじまるのだ。

小惑星探査機にも、「たましい」は宿る

旧作業1度では「八尺瓊」に内包されていた表をF4層から3名分「草薙」に投入したが、領域内時間にして2日、実時間10分で知性反応が消失。このとき、小惑星2001-AL120の軌が変わった。

2度ではF4層から5名の表を「草薙」へ投入。今度は実時間35分で消失したが、領域内時間にして7日であり、表たちはデータを送る余裕はあったようだ。く、「小惑星2001-AL120表面と同様に、「草薙」の表領域内にも日本列島中央部が再現されていて、山頂に日本列島中央部を再現している財団職員の表も複数いた。ただし小惑星2001-AL120の軌修正を行っている表の由来は不明だ」ということ。

1人多い。


SCP-1000-JP - SCP財団exitより,2022/10/13閲覧

聡明な読者はもうお気づきのことだろう。そう、F5層の表は549名しかいない。表の数をx、ヒューム値をyとするならy=x、グラフにすれば右斜45°になる単純なグラフが成り立つはずなのに、実際のヒューム値は550hm。ひとり多いのだ。

このとき財団が「八尺瓊」に「「草薙」に表を送れ」と示しているときの信号を、「草薙」の内部の表が逆探知して地球に向かっているようだというのが判明した。

3度、今度はノストロモ計画のメンバーと同じ表を「八尺瓊」から「草薙」に送ってみた。30日、領域内時間にして24年過ぎても尚その表は生きていた。隠すこともなかろう、ミシマ博士の表である。

ミシマ博士の表は、山頂に辿り着いた。そしてそこで「探機062-Aの形態」をとる表を見つけた。中には表サーバーが存在し、の形に偽装されていた。それを接続ナーシサスと接続したミシマ博士は、自身の意識も接続する。そうして送ってきたメッセージは、だいたいは先述のものと同じなのだが、ところどころで「SRAパネル?」「アッシュジョーンズとは一体のことなのでしょうか」などと別の意識が混入している。

雑に言えば、ノストロモ計画で実際に現地に辿り着いた (そして草薙に取り込まれた) ミシマ博士の表と、「八尺瓊」にもともと保存され、「草薙」に投入されたミシマ博士の表の意識が混ざってしまっているのだ。

これをそのまま載せれば、SCP-1000-JPの報告書を読んだだけでも違和感に気付く職員も多い。オルメイヤー計画については財団高位職員のみが知っているべきトップシークレットなので、なるべく違和感のないように都合の悪い部分を消去したのである。

ミシマ博士エージェント・アッシュエージェント・ジョーンズの表と出会い、2人から励ましと、「軌修正を行っている表は純で強固な意思であり、々が産み出した、よく知るなにか」であることを告げられる。そしてこのタイミングでその表とも対話を行っているのだ。

そして、もうひとつ、ミシマ博士2人以外にも増えた表が存在していて、その表もこのなかで対話している。549名しかいないはずのF5の550人、「小惑星2001-AL120の軌を修正している」表。――否、もっと正確に言えば、「地球小惑星2001-AL120のサンプルを持ち帰る動機のある表」。ノストロモ計画のメンバー全員現地で自殺するつもりであったし、「草薙」と「八尺瓊」の表地球に帰る理由なんてい。そう、小惑星2001-AL120を操作し、地球に向かっているのは、紛れもなく探機062-AのF5――探機062-Aの「」であった。「草薙」内部の現実改変は、モノにもが宿るという日本文化 (擬人化) をした。5つのエラーが信号に混ざっているが、この画像ファイルUnicode文字番号から復号すると「映像記憶」「感覚記憶」「実感」「自発意志」「」と分かる。F1-F5に対応しているのだろうが、探機062-AもF1から順にF5までの表を獲得したのだ。

ミシマ博士は、探機062-Aの表に語りかける。もう、持って帰らなくていいんだよ。だが、探機062-Aはプログラム故に、「純で強固な意思」を有する。そして、彼は「帰る」のではない。探機062-Aのは「小惑星2001-AL120でうまれた」のだから、彼にとっては地球は「行く場所」なのだ。このすれ違いでうまく行ってないのだが、財団はとりあえず信号をむやみに送って地球接近をめるのではなく、ミシマ博士に探機062-Aとの対話を行わせることで、制御出来ないかと考えている。故に、「対話は続けられる」。

余談

関連動画

関連コミュニティ・チャンネル

ニコニコミュニティは2024年8月に終了しました。

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
あいあか[単語]

提供: 骨皮筋右衛門

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/12/19(金) 12:00

ほめられた記事

最終更新:2025/12/19(金) 12:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP