ワーラウェイ(Whirlaway)とは、1938年生まれのアメリカの競走馬。栗毛の牡馬。
コーナリングが下手くそなうえ真っ直ぐ走らない野郎だったが、米国三冠+もう一冠達成した稀代の癖馬。
名前は「Whirl Away」から、意味は「渦を巻いて飛んでいく、つむじ風」とか。
父Blenheim、母Dustwhirl、母父Sweepという血統。
父ブレニムは英ダービー馬で、種牡馬としても英と米でダービー馬を輩出した名種牡馬。母ダストワールは不出走。母父スウィープは2度のリーディングサイアーを獲得し、更に母父として本馬の他ウォーアドミラルを輩出。近親に重賞馬が多数おり、また母とその姉妹の牝系も大きな広がりを見せており、シンボリクリスエスが遠戚にいる。
米国ケンタッキー州の大牧場、カルメットファームに産まれ、若い頃からブレニム産駒特有の気性が荒い馬であった一方で、優秀な心肺機能の有する疲れ知らずな馬であった。
そんな彼だが「真っ直ぐ走らず外ラチに向かう」という競走馬にあるまじき欠点を持っていたそこの阿寒湖特別さんなに笑ってんすか。また近くに馬が居ないと気を抜いて走らなくなる性格を持ち、レースではゴツいブリンカーを着用して後方から追い込むor一気にまくり上げるレーススタイルをとったエリモダンディーさんそこのシルクジャスティス連れてって下さい、メジロブライトさんあんたはズブいだけです。
と言うわけでベン・ジョーンズ師の我慢強い育成によって、直線では自身が手がけた馬では最速と言わしめるほどの快速を誇った。代わりにコーナーを真っ直ぐ走ろうとしたため、今度はコーナリングが下手になってしまった。
1940年6月にデビューすると勝利と敗北を繰り返し、2歳シーズンは16戦7勝。勝利の中に米国有数の2歳戦であるホープフルSやブリーダーズフューチュリティSが含まれ、最優秀2歳牡馬を受賞した。
ケンタッキーダービー本番前に2連敗を喫したが1番人気に支持される。レース前日の調教でブリンカーに小さな穴を空け、本馬から見える距離に小さなポニーを置いて調教をかけたところ上手く走った為、このレースからブリンカーを装着してレースに臨んだ。
レースでは後方に控えて向こう正面から仕掛け始め、直線入口で先頭集団を纏めて差しきるとそのまま独走態勢に入り、最終的に8馬身差、2分1秒4のレコードタイムで圧勝。あまりのワンサイドぶりに薬物疑惑まで飛び出す有様だったがもちろん陰性だった。このレースではブリンカー効果からかコーナリングは比較的スムーズに行えた。
続くプリークネスSでは大きく出遅れたためノリポツン状態になったが、やはり向こう正面からスパートを掛けて直線入口先頭からの押し切り勝ちを収める。着差は5馬身半。
最後のベルモントSへ向かう前に1回叩き(当時は1ヶ月空いていたので、ベルモントS前に1回叩く事もあった、なお古馬混合戦で勝った)、回避馬続出の中4頭立てで行われたレースではスローペースの中向こう正面で先頭に立つが、お構いなしにいつも通り加速。最後は流すだけで悠々三冠を達成した。
それ以後も休み無く走り続け、当時別定重量戦だったトラヴァーズSでは最大斤量130ポンド(約59kg)を背負いながらやっぱり悠々勝利を飾り、三冠に合わせてもう一冠、四冠を制し、その後も走り続けて3歳シーズンを20戦13勝で終了。もちろん最優秀3歳牡馬を受賞し、年度代表馬にもなった。
頑健な本馬は以後も走り続け、ハンデキャップ競走でトップハンデを背負いつつレコード勝利を数回したり、本馬が3歳の時に年度代表馬の座を争った1歳下のアルサブとマッチレースをしたり(ハナ差で敗れた)、米国最大の古馬戦ジョッキークラブ金杯を優勝、ピムリコ競馬場のステークス競走を「単走」するなど数々の逸話と勝利を積み重ね、1943年の6月をもって引退した。
通算成績は60戦32勝。ハンデ競走で最大斤量を背負わされ、真っ直ぐ走らず外ラチに向かったり馬群に突っ込んだりする悪癖を見せつつも勝ち星を重ね、また少頭数のレースが多いとはいえ90%以上の複勝率を誇るなど、豪快なのに安定感ある成績を残している。気性は荒くて真っ直ぐ走らなくても、走ること自体は結構好きだったようだ。
ちなみに4歳まで現役を続行した三冠馬は13頭中7頭いるが、3~4歳の2年間で複勝率100%だったのは本馬とオマハのみ。2年間で42戦はオマハ(13戦)の3倍以上という規格外の数字である。
引退後アメリカで種牡馬入りし、本馬を気に入ったマルセル・ブサックにより1951年からフランスで種牡馬生活を送った。種牡馬としてCCAオークス優勝馬スキャタードをはじめ複数のステークス優勝馬を出した。後継種牡馬は出なかったが、牝系の中に名前は残り、時々活躍馬を出している。
1953年、フランス供用中に死亡。享年15歳だった。遺骸は一度フランスで葬られたが、後にアメリカへ返還され再度埋葬されている。
地面に付きそうなほど長くてもっふもふな尻尾を持っており、「Mr. Longtail(尾長氏)」といった愛称で親しまれた。時勢が第二次世界戦の火蓋が切られた頃であり、一気呵成の末脚でぶった切る豪快なレース展開も相まって全米のヒーロー的人気を博した。
Blenheim 1927 黒鹿毛 |
Blandford 1919 黒鹿毛 |
Swynford | John o' Gaunt |
Canterbury Pilgrim | |||
Blanche | White Eagle | ||
Black Cherry | |||
Malva 1919 黒鹿毛 |
Charles O'Malley | Desmond | |
Goody Two-Shoes | |||
Wild Arum | Robert le Diable | ||
Marliacea | |||
Dustwhirl 1926 鹿毛 FNo.8-h |
Sweep 1907 黒鹿毛 |
Ben Brush | Bramble |
Roseville | |||
Pink Domino | Domino | ||
Belle Rose | |||
Ormonda 1916 栗毛 |
Superman | Commando | |
Anomaly | |||
Princess Ormonde | Ormondale | ||
Ophirdale | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Domino 4×5(9.38%)、Isinglass 5×5(6.25%)
出遅れ→向こう正面加速→4角先団→押し切り。なんたるワンサイドゲーム。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/27(金) 01:00
最終更新:2024/12/27(金) 01:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。