ゴジラシリーズに登場する科学者の一覧とは、ゴジラ映画に大体一人は出てくる博士や教授といった肩書の人物をまとめたものである。
嗚呼、こんな記事さえ作らなければ…
昭和ゴジラ一覧(登場順)
ゴジラ (1954年)
- 山根恭平
記念すべきゴジラシリーズに登場する博士第一号。専攻は古生物学。
大戸島での不可解な台風被害を何かの巨大な生き物によるものではないか?という疑惑から
太古の生命に詳しい彼が国会に招致された。
ネクタイをスーツの外に出してしまう癖があるらしく、初登場時にネクタイを直している(この場面は後に佐野史郎がゴジラ2000 ミレニアムでそのままパロディにしている)
そして訪れた大戸島で、島の各地に放射能汚染があることを知り、200万年前のジュラ紀(劇中設定。実際のジュラ紀は約2億年前)に絶滅したはずのトリロバイトという三葉虫を発見、さらにその直後に生きた巨大生物を目撃する。
このことから、彼はこの生物が水爆実験により安住の地を追い出された海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする途中の生物であると推定、仮にこの巨大生物を大戸島の呉爾羅伝説に因み、『ゴジラ』と命名した。
その後、ゴジラに対して自衛隊の駆除作戦が展開されるが、生物学者の彼はこれを快くは思わず、水爆にも耐えたゴジラを現代兵器の類で抹殺できるはずがないと説き何故水爆の放射能にも耐えたのかをもっとじっくり研究すべきだと持論を主張していた。また、水爆の影響でゴジラが光を当てると怒り出すことを警戒していた。
その後、ゴジラは東京を襲撃、東京大空襲以来の惨劇を首都にもたらした。
この頃には考えも変化したのか、ゴジラの保護については特に何も語ることは無くなっていた。
そして、芹沢博士の発明したオキシジェン・デストロイヤーによる、命を懸けた壮絶なゴジラ討伐を見届け、皆が涙に暮れる中、山根は「あのゴジラが、最後の一匹だとは思えない。もし、水爆実験が続けて行われるとしたら、あの、ゴジラの同類が、また、世界のどこかに現れてくるかもしれない…」と、第二のゴジラ誕生を予期しているシーンでこの映画は締めくくられる。
- 芹沢大助
おそらくゴジラシリーズで最も有名な博士。専攻は薬物や酸素などだったらしいが、詳しくは不明。
数あるゴジラ映画の中で唯一、ゴジラを一撃で完全に消滅させることに成功した科学者でもある。
山根博士の娘、恵美子の元婚約者であったが、第二次世界大戦で顔に大きな傷を残し、右眼を失明し現在はほとんどを研究室内で過ごし滅多に外出しないほどになっていた。(白黒映画なので分かりづらいが、顔にはおそらく銃器で負ったと思われる火傷の跡がある。4Kリマスター版ではある程度確認可能。カラーで描かれたポスターではより鮮明に描写されている)
ゴジラが発見されてしばらく後、ドイツ人の科学者が芹沢のプランを完成させていればゴジラ対策は万全であろう、と語っていたという噂を聞きつけた毎朝新聞の記者に対し、自分にはドイツ人の友人などいない、話すことはないから帰ってほしいと追い返してしまうが、同行していた山根恵美子にのみ、絶対に口外しないことを条件に現在の研究成果、即ち悪魔の発明『オキシジェン・デストロイヤー』の効果を見せる。
程なくしてゴジラは首都を壊滅させるが、このあまりの凄惨な状況を見かねた恵美子は現在の恋人である尾形に全てを打ち明けてしまう。
その後、二人はオキシジェン・デストロイヤーをゴジラ討伐に使わせてほしいと嘆願するが、芹沢は断固拒否。しかし、必死の説得に加えてテレビからの乙女の祈りを聞き、ある決意と共に今回一度限りという条件で一切の資料を焼き捨ててゴジラに立ち向かう。
完全な動作には水中操作以外に無いと山根博士を説得すると、自ら潜水服を着用してゴジラの潜む海底に潜り、一瞬の隙をついて同行した尾形を浮上させるとオキシジェン・デストロイヤーを起動。
たちまちゴジラは苦しみだし、尾形に無線で最期のメッセージを伝えると吸気管を切断、自身もゴジラと運命を共にした。
芹沢博士の白衣、眼帯、マッドサイエンティストといった出で立ちは後の「博士っぽいキャラクター」のステレオタイプにもなり、多くの作品で模倣されている。
また、彼の名前はモンスターバースシリーズに登場する芹沢一族の元にもなった。
ゴジラの逆襲
- 山根恭平
前作に登場した山根博士が役者もそのままに続投。
首都を壊滅させたゴジラの同類が自身の予言通りに再度出現したことでゴジラ対策の専門家として招致された。
しかし、現状有効なゴジラ対策は、芹沢博士のオキシジェン・デストロイヤーが無い以上、徹底的な灯火管制でやり過ごすしかないことを語るのみであった。
昭和ゴジラシリーズで「役者も役柄も同じ人物での再登場」はこの山根博士だけである。
キングコング対ゴジラ
- 重沢
生物工学博士。下の名前は設定されていないため不明。
ゴジラとキングコングの勝負の行方を予測するほか、かつてスイスの実例として落雷に遭った郵便配達員が蓄電池のような身体になった、というエピソードからキングコングが100万ボルト作戦の副産物で、帯電体質となったことを瞬時に見抜くなど、それなりに博識。
ラストでは「今の僕に言えることは、人間は改めて動植物の自然に適用する生命力に学ぶべきだ」というわかったようなよくわからないような言葉でこの映画を締めくくる。
モスラ対ゴジラ
- 三浦
動物学博士。彼も下の名前は不明。
静之浦に漂着した巨大な卵と倉田浜で見つかった何かの皮膚片を調査していた。
三大怪獣 地球最大の決戦
- 塚本
精神医学博士。やはり下の名前は不明。
セルジナのサルノ王女の鑑定を担当するが、金星人を名乗る彼女がただの精神疾患や記憶障害ではないことに次第に気づいていく。
怪獣大戦争
- 桜井
地球連合宇宙局の科学者で、X星探査の責任者。
終始、X星調査員のグレンと富士に対して威厳をかざしていた。
全てが解決したラストでは彼らにX星の再調査を命じている。
- 鳥居哲男
一般の発明家。ハルノの恋人でもあるが、収入は安定しておらず、ボロアパートで今でいうところの防犯ブザーにあたるレディ・ガードの研究を行っていた。
後にその音波がX星人の弱点であることが判明したことで、彼もX星人の陰謀に巻き込まれることとなる。
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
- 名無しの白衣の男
テロ組織赤イ竹お抱えの科学者。アジトに乗り込んできた吉村らに「このスイッチを押せば核爆発でレッチ島は滅びる」と警戒するも、ゴジラがアジトを壊滅させ、その際に瓦礫の下敷きとなり「あと2時間でこの島は地球上から消える」と言い残し絶命。その後、吉村らはモスラに協力を仰いでの脱出作戦を展開することとなる。なお、赤イ竹の幹部らは、一足先にアジトを放棄して海に逃げ出したが、黄色い汁が偽物である事に気付かないまま出航したため、エビラの餌食となってしまった。
怪獣島の決戦 ゴジラの息子
- 楠見
南海の孤島ゾルゲル島にて来たるべき人口増加による食糧危機を解決するべく、地球の気象を人工的に変化させる「シャーベット計画」を監督している科学者。
劇中でも実際に指摘されていた神の領域とも言える天候を人の手で制御する事のリスクバトラ切れそうも承知しているが、人類の未来のために計画を推し進めている。しかし、島中を飛び交う謎の怪電波のせいで研究は遅々として進まず、いざ実験を実施した際にもその怪電波によって実験は失敗、島の環境を大きく変動させてしまう。加えてその怪電波の正体はゴジラの息子であるミニラの誘導電波であり、それに引き付けられて島に上陸したゴジラによって研究本部も壊滅に追いやられるという憂き目に遭う。
それでもめげすに設備の一部を他所に移して研究を再開し、ゴジラ親子と真の島の主クモンガが争う中で最後の実験を敢行、ついに熱帯の島に雪を降らせる事に成功した。 実験の完遂を見届けると、救助に来た潜水艦に乗って仲間たちと共に島を後にした。
ゴジラ対ヘドラ
- 矢野徹
海洋汚染が著しい静岡県駿河湾の生態調査をしている海洋生物学者。
ある時、漁師が採ってきたオタマジャクシのような未知の生物と最近巷を騒がしている海の巨大怪獣との関連性を疑って自ら海に出て調査を行うが、そこでその生物に襲われて顔面に酷い傷を負わされてしまう(後にその生物は息子の研によってヘドラと名付けられる)。
そんな状態になってなお精力的にヘドラの研究を続け、その恐ろしく悍ましい性質と能力の一端を知る事となり、やがて成長したヘドラによる被害と犠牲が拡大していく中で超高圧の電磁放射でヘドラの細胞を再生不可能なまでに破壊できる事を突き止め、自衛隊にその理論を応用した巨大電熱板を作らせる。自衛隊の手ではなかなかヘドラを電極板の中に誘導できなかったが、先にヘドラと争っていたゴジラが自ら電極板を利用してヘドラに大ダメージを与えて行き、遂にヘドラ殲滅を果たす。
今回のゴジラの勝利は彼が生み出した電熱板の存在が非常に大きく、彼が居なければゴジラはもっと苦戦していたか最悪敗れていたであろうと思われる。
ゴジラ対メガロ
- 伊吹吾郎
ロボット工学および電子工学を専攻している研究者で、独自に生活支援用ドロイドであるジェットジャガーの製作を行っていた。
しかし、彼の技術と知識に目をつけていた地上への報復を企むシートピア海底王国の工作員によってジェットジャガーの完成直後に拉致され、さらにジェットジャガーも奪われてしまう。そのジェットジャガーはシートピアが地上に送り込んだメガロの誘導に使われ、自身はコンテナに載せられてシートピアに連れて行かれそうになるが、途中でメガロのポカによって監禁からの脱出に成功、自衛隊と合流して予備の制御システムでジェットジャガーを奪還し、ジェットジャガーに地上を守るらせるべくゴジラを呼び寄せるよう命令する。
命令を果たして研究所に帰還したジェットジャガーであったが、ジェットジャガーはいつの間にか自我を獲得して自らメガロの下に向かい、あまつさえ巨大化まで果たしてメガロと交戦を開始。これを伊吹本人は「ジェットジャガーに芽生えた正義の心が彼を巨大化させた」と全く理屈を伴っていない解釈している。
やがてゴジラとガイガンも入り混じっての激戦の果にゴジラ&ジャガーが勝利、戦いを終えたジャガーは自我を捨てただのロボットに戻ったため、帰宅する際には改めて指示を下している。
ゴジラ対メカゴジラ
- 宮島秀人
宇宙工学の科学者でノーベル賞受賞歴もある権威。
清水正彦が沖縄の洞窟で拾った金属片およびその兄の敬介がゴジラとアンギラスが戦った現場で見つけた物質を地球に存在しないスペースチタニウムであると分析する。町中で暴れるゴジラの所に駆けつけると、そこに現れたもう一頭のゴジラとの戦いを目撃、その戦いの中で片方は何者かに作られたメカニックと見抜き、事実一方はブラックホール第三惑星人が生み出したメカゴジラである事が判明する。そのメカゴジラがゴジラとの戦いで損傷したため、彼の技術に目をつけたBH第三惑星人に拉致されて自身の娘の命と引換えにその修理に協力するよう要求され、それの修理が終わると娘ともども殺されそうになるが、ICPOの南原や敬介の手引で救出される。今度は自らメカゴジラを破壊すべく、仲間と共にBH第三惑星人の基地に再び乗り込むがあえなく捕らえられてしまう。
だが、BH第三惑星人がゴジラとメカゴジラの戦いに気を向けている間に密かに機を伺い、メカゴジラが敗れて相手が混乱している隙を突いて電子機機器を狂わせる道具を使い司令室のコンピューターを破壊、拘束からも抜け出して敵の基地から脱出、生還した。
- 和倉
城北大学の教授で、清水兄弟の叔父に当たる。
沖縄で発見されたシーサーの置物に掘られた暗号文の解析を担当。まもなくその解読に成功し、沖縄に眠る神獣キングシーサーの復活方法を突き止める。
メカゴジラの逆襲
- 真船信三
かつてチタノザウルスという恐竜を発見し、それをコントロールしようと提唱した事を異端視されて学会を追放された理学者。
この時の経験のせいで人格が歪んでおり、その学会を見返すべく、チタノザウルスのコントロール研究を進めていたが、その過程で事故を起こし娘の桂を失う。そこにブラックホール第三惑星人が接触してきて桂のサイボーグ蘇生と引き換えに彼らへの協力を約束。遂にコントロールに成功したチタノザウルスを操って、桂とのシステムリンクで動くようになったメカゴジラIIと共に地球を攻撃する。
しかし、戦いの中でチタノザウルスが超音波に弱い事を突き止められ、さらに一之瀬との交流を経た桂の改心など想定外の事態が続き、最後はBH第3惑星人と人類の攻防の混乱の中でBH第3惑星人に誤射され、桂の名を呼びながら命を落とした。
関連項目