宮永咲とは、漫画及びアニメ作品『咲-Saki-』に登場するキャラクターである。
作品の主人公で清澄高校の1年生。麻雀漫画でよくある主役にしてラスボス的な立ち位置のキャラクター。
見た目はとても大人しいのに、麻雀においては異様かつ圧倒的な闘牌シーンで
作品中の対戦相手だけでなく読者をも戦慄させる。
作品中では「清澄の嶺上使い」と呼ばれているが、その存在感からネット界隈での通称は「咲さん」
他にも「清澄の白い悪魔」「嶺上マシーン」など威圧感、恐怖感たっぷりな通り名を付けられることが多い。
ニコニコ動画などコメント投稿可能な動画では「魔王」のコメントが非常に多く投稿される。
とまあ、いろいろ言われているけど普段は清楚な文学少女ですからあまり怖がらないであげてください。
普段はとても気弱ですぐ転んだり迷子になったり泣いたりするステレオタイプのドジっ娘。
他にも泳げない、トイレが近い、意外にはしたない、パソコンはおろか携帯電話も持っていないなどの属性を持つ。
麻雀をしていない時は何かしらの本を読んでいるほどの読書好き。料理はそれなりに出来るらしい。
外見的な特徴としてはショートヘアーの側頭部で髪の毛がツノのように跳ねていて、どこを向いても左右どちらかに必ず「ツノ」の部分が描かれている。
(真横を向くと前髪の位置から前に向かって跳ねる。なお宮永照も同様の特徴を持っている)
制服姿は本来ミニスカートを履くのだが、インターハイ本戦の抽選会日に誤って染谷まこのスカートを履いてしまい 「似合ってるからそのまま履いていい」と皆から言われたことで以降はロングスカートを履くようになる。
可愛らしさより怖ろしさが上がったか言ってはいけない。
気弱なため自分から押すことのできない性格。良くも悪くも他人に対する思いやりが強く、時に大きなお世話となって相手を怒らせてしまうことも。
かつては児童虐待家族麻雀の影響により麻雀から遠ざかっていたが、原村和との対戦を機に積極的となる。強そうな相手がいると壊したくなるワクワクするほどであるが、本当に強い相手の前では怯えたり泣きそうになってしまう。
闘牌時は基本的に無表情で、和了シーンになると笑顔を見せる。しかし原作、アニメ版共に目が笑っていない描写もあって何を考えているのかわからないような印象がある。
天然で突拍子も無い発言をすることがあり、特に天江衣に対し絶妙のタイミングで行った「いっしょに楽しもうよ!!」は有名。あれがなければ衣が勝利していたかもしれないだけに前述の場面は「精神攻撃」とよくコメントされている。
怪物級の実力を持つ相手の気配を感じ取る力が強く、それが原因で失禁や嘔吐しそうになったりもする。
対して彼女自身は迷子になると何故か圧倒的なオーラを放つようで、過去には衣を除く龍門渕高校レギュラー全員の足を止めさせ、阿知賀女子学院のメンバーと遭遇した時は松実玄、赤土晴絵を震え上がらせた。
両親が離婚一歩手前の別居中で現在は父親と一緒に住んでいる。
母と共に上京した白糸台高校の宮永照は実姉。しかし過去になにかがあったようで、仲は冷え切っている模様。
麻雀を通してなら姉と話せるかもしれないという理由で全国大会を目指すことが作中における彼女の命題である。
その割には白糸台高校の試合を見ようとしなかったり、原村和、片岡優希に誘われてAブロック準決勝の試合会場へ行っても身が竦んでしまい入場できなかったりと、相当に根深い確執を抱えている可能性がある。
(本編102局にて、2ページ見開きでその原因と思われる壮絶な回想シーンが描かれている)
須賀京太郎は中学時代のクラスメートで作品中における唯一の男性の友達。しかし彼自身はおっぱい星人であり、何故か片岡優希と無駄にフラグを乱立している状態のため恋愛フラグが立つことは期待できない(されてない)。
原村和は麻雀を通じて友情を深め合う一番の友達。いろんな箇所で百合っぽいシーンが描かれており、アニメではさらに百合っぽさが増強されている。彼女の親友である片岡優希とも仲が良い。
天江衣には「自分を特別な存在から解放してくれた恩人」として懐かれている。本当は彼女のほうが年上なのについ「衣ちゃん」と呼んでしまうことも。
自ら「(牌が)見える」と表現し、竹井久に「超人的」「神か悪魔」と評されるほどの勘と強運を持つ。
この「見える」状態を前提にした点数調整能力・場の支配力・心理戦制圧力は正に圧倒的で、後述する2つの技術で対戦相手を翻弄し最後には蹂躙する。
その神懸り的な闘牌から「魔物」「怪物」と認定され、原村和ばかりが目立つ清澄高校において真の危険人物として他校からマークされている。
なお「見える」のはリアルでの場所限定で、ネット麻雀では(牌が)全く見えず、実力を発揮することが出来ない。
宮永咲の代名詞ともいえる「技」が嶺上開花である。簡単に言うと槓をしてツモった嶺上牌で和了る役のこと。
彼女は槓材を引き込むのと嶺上牌を正確に察知する能力を持ち、1~3巡くらいあれば槓子か刻子が完成するので準備ができたらカン、引いた嶺上牌でそのまま嶺上開花ツモ和了とするのが必勝パターンである。
何故かカンドラが乗ったことは一度も無いが、能力の弱点や制約であるかは不明。
また能力の応用としてカンドラを増やし他家の打点を跳ね上げさせ敵の注意を反らす、大明槓をしてツモをズラす、相手に搶槓させることで意図的な差し込みを行う、相手が直撃させるよう仕組んだ当たり牌を槓で抱え込み嶺上牌でカウンターを取るなどの芸当も見せている。
役の性質上、暗槓・明槓・加槓のどこからでも和了を狙える、王牌から牌を引くため支配能力の影響を受けにくい、連槓できれば1ターンで最高4枚のドローができるため手役を一瞬で変化させられる、責任払いルールが適用されていれば狙った相手から直撃を取ったりできるなど、トリッキーかつ自在性が非常に高いのが特徴。
弱点はカンできなければ意味が無いこと、嶺上牌を正確に察知するあまり自分より先に牌を取られたら狙っていた役が成立しなくなること。手を読まれて搶槓されるリスクが常に付きまとうなどがある。
本来ならば槓子を作るのにも一苦労、ましてや嶺上牌が有効になるなんて無いのが普通なのに、咲の場合は絶対にありえないほどの頻度で嶺上開花を和了っているため逆にそれをしないことで驚かれたり、嶺上開花を「得意技」として認識されたりするというおかしな現象が起こっている。
しかしその「ありえない」状況から強烈な一手を放つことが咲の闘牌なので、今後も彼女は嶺上開花を頻繁に披露するものと思われる。
嶺上開花が代名詞なら、こちらは咲の真骨頂である技術。
簡単に説明すると終局時に自分のスコアがプラスマイナスゼロになるよう点数を調整すること。
具体的には25000点スタートの30000点返しを基本に半荘勝負を29600点~30500点で終局させることであり、東風戦や赤ドラ、ウマオカありの条件でもプラスマイナスゼロを成立させているので余程の変則ルールでもなければどんな状況でも達成できる模様。
そのためには高い手を張っても崩したり、安易に振り込むことも厭わないため勝負に真剣な人には嫌味に取られる事がある。
(ネット界隈では近年「舐めプレイ」と揶揄されている模様。実際その通りなのだが言われた相手が不快に思う事もあるので安易な使用には注意されたい)
これらは幼少時に負けるとお年玉(アニメではお菓子)を奪われ、勝つと怒られるという理不尽な家族麻雀の状況下で培われたもので、作品中では現在のところこれを意図的に妨害できた者は一人もいない。
「プラスマイナスゼロなんて簡単そうじゃないか」と嘲笑する人もいるかもしれないが、ハッキリ言って狙ってやることは普通に勝つより全然難しい。もしも咲みたいに狙ってのプラスマイナスゼロをリアルで3連続以上達成できるようであればその人はプロをも超えた史上最強の雀士になれると思われる。
しかしこの技術、ある側面で致命的な弱点が存在する。
前述したように「勝つことも負けることもしない」いわゆる究極の接待プレイであるため勝ち上がりが基本である大会においては足枷にしかならず、結果として敗退してしまう可能性が高いことである。
(29600点~30500点の範囲内のため、前述の半荘勝負の場合はプラス4600~5500点しか稼げない事になる)
だったらそんなことしなければいいだけの話だが、彼女の場合は無意識レベルで染み付いてしまい、他の打ち方ができなくなったという厄介な状況となってしまっている。
この事は咲本人も承知しており、「プラスマイナスゼロではトップになれない」と言っている。
ならばと竹井久はその状態でも勝てるように「自分は1000点、他家は33000点の状態を仮定してスタートする」方法を授け、以降は基本的にその仮定での点数で戦っている。
だがこれもかなりの強者に囲まれた状況では(牌が)見えなくなるほどに無理が出てしまうようで、インターハイ本戦では第2回戦において109700点の1位抜け
(大会は10万点スタートのため、25000点スタートの半荘勝負に見立てた場合のスコアで前半戦プラス5500点、後半戦プラス10100点で2連続プラスマイナスゼロ達成)
という、真実に気付いた末原恭子や読者の大半が戦慄するほどの得点調整能力を発揮しておきながら真相は途中から通常のプラスマイナスゼロへ切り替えざるを得なくなったと試合後に控え室で明かしたことで判明した。
具体的に言えば「靴下を脱ぐ」ことにより自分が一番麻雀を楽しんで打っていた頃を思い出すこと。
おそらくは前述のプラスマイナスゼロを身に付ける前の頃であり、遠慮なく勝っていた時に戻ることを示している。
すなわち安全装置が外されたことに等しく、そこからの闘牌は対戦相手を否応無く支配し圧倒するほどの強さを発揮している。
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最終更新:2024/05/03(金) 05:00
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