1996年クラシック世代

1996年クラシック世代とは、競馬において1993年に生まれ1996年にクラシック競走を走った（旧4歳、現3歳を迎えた）競走馬の世代である。

概要

GIはオークスと天皇賞(秋)の2勝ながら牡馬と互角以上に渡り合い、26年ぶりに牝馬の年度代表馬となり、繁殖牝馬としても大成功を収めた「女帝」エアグルーヴを代表とする世代。

牡馬は、朝日杯3歳Sを勝ったあと骨折で春クラシックを棒に振ったが、秋にJRA史上初の3歳（旧4歳）での天皇賞制覇^[1]を果たしたバブルガムフェロー、皐月賞を勝ったあと秋はダート戦線に向かい盛岡のダービーグランプリを勝った「芝ダート変則二冠馬」イシノサンデー、種牡馬としても成功を収めた菊花賞馬ダンスインザダーク、GⅠは勝てなかったが皐月賞・菊花賞2着などの実績を残したロイヤルタッチが「サンデー四天王」と呼ばれ、キャリア3戦目で日本ダービーを勝ち「和製ラムタラ」と呼ばれたフサイチコンコルドとともにクラシック戦線を盛り上げた。

またこの世代は3歳GⅠにNHKマイルカップと秋華賞が新設された世代でもあり、それぞれタイキフォーチュンとファビラスラフインが初代優勝馬となった。他、世代GⅠ馬には、阪神3歳牝馬S勝ち馬で繁殖牝馬としてブエナビスタをはじめ重賞馬6頭を産んだ名牝ビワハイジ、桜花賞馬ファイトガリバーがいる。

古馬GⅠ馬では、牝馬にエリザベス女王杯勝ち馬エリモシック、短距離GⅠ馬に高松宮記念勝ち馬シンコウフォレストとマサラッキ、ダートではフェブラリーS初代王者でレース中に他馬に噛みつく癖で知られたシンコウウインディと東京大賞典勝ち馬トーヨーシアトル、障害競走のJ・GI馬にはゴーカイとメジロファラオがいる。

他にはダイワテキサス、ローゼンカバリー、ユーセイトップラン、サイレントハンター、ゴーイングスズカ、スギノハヤカゼらが重賞戦線の常連を務めた。1996年10月から1998年7月まではギガトンが毎月どこかで走っていた^[2]。足が超速いことで知られているバンブーピノもこの世代。皐月賞ではマキノプリテンダーが東京大学農学部の実習生産馬ということで話題となった。

地方競馬には史上2頭目となる兵庫アラブ三冠を達成したアラブのケイエスヨシゼンがいる。とはいえ、この世代で最も知名度があった地方馬は首都高2200mのスーパーオトメかもしれない。

この世代は3歳春にタイキフォーチュンが驚愕のレコードを記録し、秋にはバブルガムフェローがJRA史上初となる3歳での天皇賞制覇を成し遂げ、牝馬もファビラスラフインがジャパンカップでハナ差の2着、ヒシナタリーが宝塚記念で4着に入るなど当時の3歳牝馬としては破格の活躍を示し、国際クラシフィケーションでも3歳馬2頭が古馬トップのサクラローレルをおさえて日本馬の1位と2位にランクされるなど早くから最強世代候補としての高い期待を集めた。しかし古馬となってからは成績が伸び悩み、その高かった期待とは裏腹に世代のGI勝利数は世代標準値を下回る結果となってしまった。

勝利馬

中央平地GI級​

世代別GI

競走名	1995年(旧3歳)	1996年(旧4歳)
朝日杯3歳S	バブルガムフェロー
阪神3歳牝馬S	ビワハイジ
皐月賞		イシノサンデー
東京優駿 （日本ダービー）		フサイチコンコルド
菊花賞		ダンスインザダーク
桜花賞		ファイトガリバー
優駿牝馬（オークス）		エアグルーヴ
秋華賞		ファビラスラフイン
NHKマイルカップ		タイキフォーチュン

古馬GI

競走名	1996年(旧4歳)	1997年(旧5歳)	1998年(旧6歳)	1999年(旧7歳)
フェブラリーステークス		シンコウウインディ
天皇賞（春）
安田記念
宝塚記念
高松宮杯(~97)/ 高松宮記念(98~)			シンコウフォレスト	マサラッキ
天皇賞（秋）	バブルガムフェロー	エアグルーヴ
エリザベス女王杯		エリモシック
マイルチャンピオンシップ
ジャパンカップ
スプリンターズステークス
有馬記念

中央障害重賞

競走名	1998(旧6歳)	1999(旧7歳)	2000年(現7歳)	2001年(現8歳)
東京障害特別(春)
阪神障害ステークス(春)
中山大障害(春)
京都大障害(春)
阪神障害ステークス(秋)
東京障害特別（秋)
京都大障害(秋)
中山大障害(秋)(-1999)	ビクトリーアップ
阪神スプリングジャンプ			ファンドリロバリー
中山グランドジャンプ		メジロファラオ	ゴーカイ	ゴーカイ
京都ジャンプステークス
東京ハイジャンプ			ゴーカイ
新潟ジャンプステークス
小倉サマージャンプ				ヒサコーボンバー
阪神ジャンプステークス		ヒサコーボンバー
東京オータムジャンプ		ゴーカイ
京都ハイジャンプ
中山大障害

地方ダートグレード競走GI級

GI格付けは1997年（川崎記念は1998年）から

競走名	1996年(旧4歳)	1997年(旧5歳)	1998年(旧6歳)	1999年(旧7歳)	2000年(旧8歳)
川崎記念
帝王賞
マイルチャンピオンシップ南部杯
東京大賞典		トーヨーシアトル

英クラシック

競走名	1996年(旧4歳)
1000ギニーステークス	Bosra Sham
2000ギニーステークス	Mark of Esteem
オークスステークス	Lady Carla
ダービーステークス	Shaamit
セントレジャーステークス	Shantou

米三冠

競走名	1996年(旧4歳)
ケンタッキーダービー	Grindstone
プリークネスステークス	Louis Quatorze
ベルモントステークス	Editor's Note

代表馬

国内

• イシノサンデー
• エアグルーヴ
• エリモシック
• ゴーイングスズカ
• ゴーカイ
• サイレントハンター
• シンコウウインディ
• シンコウフォレスト
• スーパーオトメ
• タイキフォーチュン
• ダイワテキサス
• ダンスインザダーク
• トーヨーシアトル
• バブルガムフェロー
• ヒシナタリー
• ビワハイジ
• ファイトガリバー
• ファビラスラフイン
• フサイチコンコルド
• マサラッキ
• メジロファラオ
• ユーセイトップラン
• ロイヤルタッチ
• ローゼンカバリー

海外

• アシュカラニ
• アルハース
• インディジェナス
• エリシオ
• オリエンタルエクスプレス
• スピニングワールド
• スキップアウェイ
• フォーマルゴールド
• ボスラシャム
• マイトアンドパワー
• マークオブエスティーム

関連項目

• 競馬
• 競走馬/競走馬の一覧

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脚注

1. *日本競馬会時代の帝室御賞典競走を含めると1937年のハッピーマイト以来2頭目。
2. *22ヶ月で34戦している。