(父さんとの約束を果たすとか言っておいて、何もできやしない…)
『けど…』
『けど、それでも守りたい…』
『たとえ父さんみたいになれなくても…』
『君の意志、私に届いた』
『今ある運命を切り拓くというのなら、私の名を呼べ!』
『私の名は…!』
『……』
ファルセイバーとは、ゲーム『スーパーロボット大戦BX』に登場する、バンプレストオリジナルの勇者ロボである。
概要
※ネタバレ要素を含むので観覧注意!!※
ファルセイバーは『スーパーロボット大戦BX』に登場する主人公機である。
彼はバンプレストオリジナルとしては珍しい、自らの意思を持つ「生きているスーパーロボット」であり、適合者である同作主人公ヨウタ・ヒイラギと融合し、謎の組織「デストルーク」と激しい戦いを繰り広げていく。
初めて情報が公開された時から「勇者ロボっぽい」と噂されていた彼らであるが、いざ蓋を開けてみると
等々、それっぽいどころか最初から最後までバンプレストオリジナル勇者ロボとして走り抜けてみせた。
前作が正統派軍人系主人公かと思ったら必殺仕事人だったというポルナレフ状態な変化球主人公だったため、このあまりにもドストレートな展開は前作とは真逆の意味でプレイヤーを驚かせた。
専用BGM「君と共に」も非常に爽やかな曲調であり、そのまま歌詞が付いてOP曲になっても違和感がないくらい勇者シリーズっぽい。
また設定だけでなく、ファルセイバーの機体デザインはもっぱら「甲冑を着た騎士」であり、通常のラスボスであるバルギアス・ドラグーンは「漆黒の龍」のようなデザインであるなど、ファンタジー的な意味での勇者の要素も持っており、二重の意味で『勇者』な存在である。
公式ラジオのうずまきWAVEでも「ぶっちゃけた話勇者シリーズ」との発言があり、現在ファンの間では完全にバンプレ版勇者ロボとして扱われている。
関連人物
ヨウタ・ヒイラギ
『乗り越えてみせる…!みんなを守るために…!』
主人公。CVは松岡禎丞。
17歳の快活な性格をした少年で、年齢よりも大人な印象を与えるしっかり者。
機動兵器に対して子供じみた憧れはないが、日本を守ってくれているスーパーロボット軍団や、治安を守る地球連邦軍に対しては尊敬の念を抱いている。
交わした約束は必ず守ることを信条としており、中でも亡き父と最後に交わした「家族を守る」という約束は彼の大きな行動指針となっている。
デストルーク襲撃時にその強い意志がファルセイバーに届き、彼の融合者として戦いに身を投じることとなる。
しかしファルセイバーの融合者としての適性ははっきり言って低く、彼からも初陣後に「もう2度と融合はしない」とばっさり切り捨てられるが、「ハンデがあるなら、それを乗り越えられるだけの男に変わってみせる」と説得。クロスやアカツキらの指導や自身の努力もあって、言葉通り強く強く成長していく。
ファルセイバーと融合できること以外にはこれといった特殊能力のない一般人だが、交わした約束と残された想いを背負って絶望から這い上がる「勇気」を持ち、ファルセイバー達と共に幾度となく窮地を乗り越え運命を切り拓いていく。最終決戦においてはファルセイバーが諸事情により追加武装等がないほとんど初期と変わらない状態に陥ってしまうが、そんなことをものともしないような力強い啖呵を切っており、彼の成長を強く感じさせた。
実直な性格からか、版権作品のキャラクター達ともよく絡む。中でもゴーグの田神悠宇とOOの沙慈・クロスロードは物語開始前からの親しい友人である。
居候兼義妹のユキとは、時々彼女の天然さに振り回されることはあれど基本的に仲は良く、作中でも特に大きな喧嘩はしなかった。ただし恋愛的な描写は皆無と言っていいほどなかったため、彼女に対し家族以上の感情を持っているかどうかは今のところ不明。
ユキ・ヒイラギ
『?あげないよ?これ、わたしのだから』
ヒロイン。CVは中原麻衣。
半年前からヨウタの家に居候をしている記憶喪失の少女。推定年齢14歳。
記憶が無いながらも、それを感じさせない明るく真っ直ぐな性格で、落ち込んでいる人を見ると励ましにいく優しさも持つ。記憶喪失前から持っていた謎の石を大切にしている。
記憶喪失のため一般常識にとにかく疎く、マイペースな行動を繰り返すので周囲からは天然と思われている。
新しいことに触れるたびに上記のセリフとともに記憶していくが、結構間違った方向で覚えてしまった知識も多く、よくヨウタにツッコミを入れられる。一方で、極端に古く出自曖昧な遺跡や文明などには特に興味を示し、自ら学ぼうとする姿勢を見せるという意外な一面もある。
また好奇心旺盛かつ羞恥心が薄いため、どこぞの地獄のお姉さんたちの衣装に憧れ、友人のウェンディとともにその衣装を着たこともある。一枚絵はよ。
美味しい物を食べたら元気が出るという母のマリの教えからか、外出時にはホットドックなどをしょっちゅう買い食いしている。また、元気のない人を見つけると食べ物をあげて励ますことも。
初戦闘時はヨウタとともにファルセイバーと融合したが、その後は彼らの守るべき対象として戦闘には参加しなかった。しかし後に自身も戦うことを決意し、融合者として彼らとともに戦場に赴く。
関連機体
ファルセイバー
『その想いと共に私も戦おう!』
主人公機。前述のように自らの意志を持つ生きているスーパーロボット。CVはてらそままさき。
過去の記憶のほとんどを失っており、「別の世界からやってくる悪と戦う事」「ユキを守らなければならないこと」くらいしか覚えていない。それでもその使命を全身全霊を持って全うするという騎士道精神に溢れた人物であり、同時参戦を果たした異世界の騎士と似ている部分が多い。
性格は真面目で優しい人格者で、機械然としたところもなく非常に親しみやすい。
自身の使命が絡むときには大人としての冷たく見えるような判断を下すときがあるが、これは全て相手のことを思ってのことである。
融合者であるヨウタやユキとは共に戦う戦友であると同時に、彼らの保護者のような一面も見せる。特にユキに対しては過保護気味な節があり、前述のユキが過激な格好をした際には、我を忘れてそのステージに突撃しかけた。
GGGの面子とは半年前の戦いからの知り合いで、中でも氷竜と炎竜とは特に親しい。彼らとの絆は時空を超えてファルセイバー達を救うことになる。
意志を持ったロボットであるが、自身の力のみでは満足に戦うことが出来ず、戦闘には意志を伝達する適性を持つ「融合者」を必要としている。融合者の戦うイメージが敵を討つ力となるが、適性が低いと融合者に過度の負荷がかかってしまう。
普段はユキの持っている石に姿を変えており、そこからホロプロジェクターのように姿を現し会話することが可能。
ユキは大事にしているこの石をよくピカピカに磨き上げているが、感覚がつながっているためくすぐったくてたまらないらしい。中断メッセージでの普段からは考えられないような大爆笑は必聴。
その正体は、はるか昔に勃発した異世界大戦を集結させるため、「始まりの地」に展開された治元隔離結界「境界」の管理兼守護者として生み出された「次元の守人」。
3万年前にミケーネ帝国に機械神ゼウス・ライジンオー&バクリュウオーを操るエルドラン・ゴーグに搭乗するゼノンと共に挑み、その際の負傷で「4つの至宝」の内3つを失い、心の至宝のみとなった不完全な姿がこのファルセイバーである。
武装
- ペンタクルショット
左手の手甲から星形の衝撃波を飛ばす。着弾時にはその名の通り五芒星の魔法陣が浮かび上がる。 - セイバーナックル
右手の手甲を展開し、エネルギーを纏って直接ぶん殴る。 - ファルブレイズ
両肩の装甲を展開し、そこから生成される2つの魔法陣から炎の竜巻を放つ初期必殺技。正拳突きで追い打ちしたりはしない。 - エリアルスパーク
中盤で追加されるファルセイバーの最強技。腰に装備しているファルブレードを展開し、刺突から零距離胸部ビームで追撃し、最後は薙ぎ払いで〆る。
ブルーヴィクター
『お前も今ある運命を切り拓こうというのなら…俺の名を呼べ!』
デストルークに所属する謎のロボット。ファルセイバー同様自我を持つ。CVは置鮎龍太郎。
デストルークの守護者を名乗り、かの組織に所属するディボーティーの命により障害となるファルセイバーを執拗に付け狙う。しかし彼と戦うたびに謎のフラッシュバックに襲われ、自身の存在に疑問を抱きはじめる。
その正体は、かつてファルセイバーが失った4つの至宝の一つ「力の至宝」を利用し、ディボーティーが作り上げたかりそめの存在。記憶や使命などは全て彼女が作り出したまがい物である。
しかしその人格は力の至宝に残留していたファルセイバーの意志が元になっており、そもそもが力の至宝より生まれた存在であるため、ファルセイバー同様「次元の守人」としての資格を持つ存在となった。
ファルセイバーと交戦する度に襲われたフラッシュバックは至宝に刻まれた使命の記憶が流れ込んできたものであり、最後には人格制御の楔を振り切ってデストルークを離反する。
ブルーヴィクター離反の可能性を想定していたディボーティーは、特殊な調整を受けなければ彼の体が崩壊するように仕込んでいた。ブルーヴィクターはそれを知りながら、次元の守人の使命を貫こうとする。
そこへヨウタが現れ、共に戦うように進言。彼と共に運命を切り開くため、ブルーヴィクターはヨウタを融合者に選び、新たなる次元の守人が誕生した。
融合者を得たことで当面の体の崩壊は免れたが、それは一時しのぎに過ぎず、調整の問題は残ったままである。
「ブルーヴィクター」の名前の割に青要素が全くない、というか完全に赤主体なのだが、これに対し宇田歩Pは「ブルーティッシュドックの例があるように、ブルーヴィクターのブルーは青いという意味ではない」と回答している。(ちなみにブルーティッシュ[Brutish]は野蛮という意味)
武装
- ヴィクターブリッド
炎槍「ブリューナク」をスリング形態に変形させ、赤い結晶のようなエネルギー弾を連射する技。 - フレイムスラスト
ブリューナクを2本に分割し、炎を纏わせ連続攻撃を仕掛ける技。 - リライアブルスロウ
柄を伸ばして投擲形態となったブリューナクが、稲妻のような軌道で相手を貫く技。 - エクスプローシブピアース
肩アーマーと合体し、巨大な弩弓状の形態となったブリューナクを射出する必殺技。
グリッターファルセイバー
ファルセイバーの真の姿。
もともとこの姿が本来の「ファルセイバー」なのだが、ヨウタ達は前の不完全な形態をファルセイバーと認識しているため、それを超える形態として「グリッター」の名を冠している。
バルギアスとの決戦で「心の至宝」が砕け散り、ファルセイバーは一度消滅してしまうが、ザ・パワーの力により至宝が復元。さらにオウストラルの遺跡に変化していた「生命の至宝」を得て力を取り戻し、「力の至宝」であるブルーヴィクターと合体することでこの姿になった。
また、このとき生命の至宝とリンクしたことで、ブルーヴィクターは偽りの戒めから解き放たれ、体が崩壊することはなくなった。
後に記憶の至宝も取り戻し、次元の守人はここに完全復活を遂げる。
これが本来の姿であるにも関わらず、通常ファルセイバーとブルーヴィクターは別々の個として存在し、グリッターファルセイバーとなるには「輝煌合体」のキーワードが必要となっている。
これは本来実体を持たないはずの「力の至宝」がブルーヴィクターとして存在するというイレギュラーが発生してしまったためであり、二度と意識が統合されることもないらしい。
しかしそのブル-ヴィクターに加えて、強く成長したヨウタ・ユキの融合者も加えたファルセイバーは、結果としてかつてをはるかに凌駕する力を持つことになった。まさに嬉しい誤算である。
武装
- グリッターキャノン
腕部に内蔵された「グリッターキャノン」を展開し、エネルギー弾を魔法陣でコーティングし射出する。 - グリッターメイス
グリッターファルブレードをメイス型に変形させ、直接叩き付ける。なんか光になりそうな技。 - グリッターバスター
召喚したグリッターシールドで魔法陣を生成し巨大ビームを発射する技。巨大な盾を眼前に構えての射撃は、ガリアンが撃つぞ!を彷彿とさせる。 - エリアルスパーク
基本的な流れはファルセイバーのものと一緒だが、胸部ビームがグリッターバスターに変わっている。 - エリアルフェアスパーク
全ての至宝を取り戻した次元の守人が放つ最強必殺技。BGMも専用曲になる。グリッターウェーブで相手を拘束し、グリッターファルブレードで一閃するというまさに教科書のような勇者技。初期エリアルスパークのときから散々思われていた「握れよ」というプレイヤーのツッコミをようやく叶えてくれる焦らし上手。
関連動画
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