『荒川アンダー ザ ブリッジ』とは、中村光による電波系ほのぼのギャグコメディ漫画である。
2004年よりスクウェア・エニックス『ヤングガンガン』にて連載、2015年完結。全15巻。
概要
ジャンルは電波系ギャグラブコメディ。愉快な変人たちのオンパレードだが、リク自身や、ニノを始めとする河川敷の住人の過去は時として複雑で、シリアスな場面も展開する(しかし大抵ギャグと並行する)。
登場人物たちの過去は現代日本へ疑問を投げかけるようなものが多く、漫画の至る場面で「常識」「普通」とは何かを問われている。
単行本の巻末には、X-〇話(〇は巻数)と称されたギャグ要素のないカラー漫画(詩的なもの)が収録されている。
2010年4月から、テレビアニメ第1期、2010年10月から第2期がアニメ放送された。また、2011年7月から実写ドラマ放送。翌年、2012年2月に『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』が公開された。
ストーリー
世界有数の企業である市ノ宮カンパニーの御曹司・市ノ宮 行(いちのみや こう)は「他人に借りを作るべからず」という家訓を幼い頃からたたきこまれたために、他人に借りを作ると喘息を起こすという病気(?)を持っていた。
そんな行がある日荒川で溺れ、そこに居合わせたニノという少女に命を救われてしまう。「命の恩人」という最大の借りを作ってしまった行は 借りを返す為にニノの願いを聞くことにする。その恩人の願いは「私に恋をさせて欲しい」という突拍子のないものであった。
この出会いをきっかけに行は荒川河川敷に住むこととなる。河川敷に住むのは電波系美少女・ニノを始め個性が強すぎる人間(他含む)ばかり。河童の村長、星を被った青年、白線の上しか歩けない男、銃刀法違反な聖職者、鉄仮面に覆われた超能力兄弟、鳥、虫、侍。「リクルート」と改名までされた行は、今までのエリート生活とは180度違う日常を過ごすことになる。
登場人物
- 市ノ宮 行(いちのみや こう)/リク - CV:神谷浩史
- 世界トップ企業の市ノ宮カンパニーの御曹司。才色兼備・眉目秀麗・将来有望。大学生ながら自分で会社も経営している。命の恩人であるニノの願いにより恋人同士となり、河川敷に住むこととなる。村長により「リクルート」と名づけられ、河川敷では通称「リク」と呼ばれる。父親の積は息子の世話も「借り」で考えていたため、リクは一歳になった時点でそれまでの借りを返し、以降は全て自分の手でやっていくようにと教えられた。そのため、父親に対しての感情は否定的である。常識の塊であったリクは、河川敷で大切なことを学んでいく。
- ニノ - CV:坂本真綾
- 河川敷に住む電波系美少女。自称金星人。地球(日本)の常識をほとんど知らない(知っている常識は数回警察で面倒を起こしたことから習得)。普段は河川敷住民が食べる魚を獲っている。地球人の「恋」というものを理解するために、リクに恋をさせてくれと頼む。あまり表情を表すことはなく、リクが来る前はあまり笑わなかったようである。常識的に考えて金星人であるはずはないのだが、水中に一時間以上いられる事から、もしかするともしかするかもしれない。
- 村長(そんちょう) - CV:藤原啓治
- 河童。明らかに中が見えていても河童で、癖の強い河川敷住民のまとめ役。明夫ヴォイスと漫画で言われたが結果的に声はひろし。ニノの事は幼い頃から知っているらしいが…。
- 星(ほし) - CV:杉田智和
- 河川敷の住人で、星の被り物をしている(ニノが「お前は一番星だ」といったため)。ニノのことが好きだが、全く気づいてもらえない。かつては大物ミュージシャンだったが、作詞作曲の才能が無いためにプロデューサーの駒となり、自分の歌が歌えずに悩んでいた所をニノの言葉に救われる。今でも河川敷で定期的にコンサートをしている。リクとはニノをめぐるライバルで事あるごとに小学生レベルの喧嘩をしている。
- シスター - CV:子安武人
- シスターの格好をした屈強な男性。河川敷において毎週日曜日にミサを執り行っている。なぜかいつも戦争や核に対して過剰に警戒している。常に銃や手榴弾を所持し、さまざまなトラップを仕掛けている為、彼に接するにはこちらも何かと警戒が必要である。河川敷に来る前はイギリスで孤児院をしていた。その前は傭兵としてどこかの戦場にいた。見た目に反しハートはガラス製で、限界が来ると頬の傷跡から出血する。 好意を持っているマリアのせいで。
- シロ - CV:大塚芳忠
- 常に白線を引きながらその上を歩いている変なおじさん。河川敷で唯一何もしてない大人。元々一流企業の営業マンだったが、くだらないルールを思いつき、以後6年間妻子の待つ家にも帰らず白線をわたり続けている。これでも河川敷の住民の中ではまともな方だが、勝負事では大人げなくちょっとKY気味。
- 鉄人兄弟 - CV:三瓶由布子(鉄雄)/新谷良子(鉄郎)
- 鉄仮面を常に被っている兄弟。理由は「超能力が使えるようになって脱走してきた研究所に見つかる」かららしい。見分け方は黄色の目が兄・鉄雄、緑の目が弟・鉄郎。連載初期からどんどんチビになっていき、作品内で「超能力のせい」と本人達は言い張った。アニメ版の初登場時は初期の身長だった。
- P子(ピーコ) - CV:小見川千明
- 新芽のようなアホ毛をもつ(外見は)少女。これでも既に成人。河川敷住民の食べる野菜を作っている。殺人的なドジっ娘な上、あろうことか村長に恋し猛烈アタックを繰り返す。それ以外は基本的に面倒見がよく協調性もあり、恐らく本作で一番まともな人物。と思っていた時代がリクにもありました。確かに人当りに関してはまともかもしれない。だが、こと畑の話となると人が変わり、野菜の気持ちを周囲が引くほど汲む。挙句の果てには父は人間、母はピーマンだという始末。
- マリア - CV:沢城みゆき
- 家畜を栽培し、河川敷住民に卵や乳製品を提供する美人さん。ただし、病的なドSで特に自分に好意を持っているシスターを事あるごとに毒舌で苛めている。元スパイらしく、シスターとは戦場で知り合い戦ったりハニートラップを仕掛けたりした。腕っ節も彼と拮抗するぐらい高いが、毒舌だけで完封できる。 女の子は苛めない主義だが、誰も苛めてない時が続くと暴走して容赦なく毒舌を吐く。
- ステラ - CV:斎藤千和
- 孤児院からシスターを追ってきたツインテール少女。最初は普通の女の子として登場したが、本性は広島弁のヤクザそのもの。シスターが好意を持っているマリアに勝負を挑んだ辺りから怒りで巨大化(通称・拳王)するようになり、恐るべき身体能力を見せ付ける。。
- ビリー - CV:立木文彦
- タイハクオウムのマスク、白スーツ、黒シャツ(赤シャツ)、帯刀と、完全にアッチ系の身なりを持つハードボイルドな男。言うことがいちいち渋く、恋人のジャグリーンのみならず、荒川の住人を痺れさせることもしばしば。小松菜が好き。
- ジャクリーン CV:後藤邑子
- ビリーの恋人。女王蜂の格好をした美女(自称:ミツバチの女王)三万匹の子供と一万匹の夫を捨ててビリーと駆け落ちしてきた。ビリーに心底惚れており、5m以上離れると不安で死んでしまうらしい。
- ラストサムライ CV:中村悠一
- 髷を結っており「~でござる」と語尾に付ける青年。「まげない」というTシャツをいつも着ている。
荒川の住人になる前から美容師をしており、カットの速さは超一流(シスターを除く) P子のことが好きだが、なかなか打ち明けられずにいる。 - アマゾネス - CV:小林ゆう
- 鎧を身に付け、見た目はゴツく、さながらアマゾンの女戦士。しかし、中身は乙女。普段はギャルメイクだが、すっぴんになると柔和でかわいい女子に変貌する。はじめはリクに好意を寄せていたが、途中から星へ片思いするようになった。
テレビアニメ
2010年4月~6月に、第1期『荒川アンダー ザ ブリッジ』がテレビ東京系・びわ湖放送・鹿児島テレビ(ひょうたん書店枠)で放送。全13回(108話)。
2010年10月~12月に、第2期『荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ』(荒川アンダー ザ ブリッジ×2)がテレビ東京系・びわ湖放送で放送された。全13回(92話)。
スタッフ
- 監督 : 新房昭之
- シリーズ構成 : 赤尾でこ
- キャラクターデザイン・作画総監督 : 杉山延寛
- シリーズディレクター : 宮本幸裕
- 音響監督 : 鶴岡陽太
- 音楽 : 横山克
- アニメーション制作 : シャフト
- 製作 : 荒川UB製作委員会
主題歌
第1期
第2期
- オープニングテーマ「COSMOS vs ALIEN」
- 作詞・作曲:ティカ・α / 編曲:近藤研二 / 歌:やくしまるえつこ
- エンディングテーマ「赤いコート」
- 作詞・作曲:渡辺健二 / 編曲・歌:スネオヘアー
関連動画
関連静画
関連項目 |
外部リンク |
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