アレックス・キャゼルヌ(Alex Cazerne)とは、銀河英雄伝説に登場するキャラクターである。
オルタンス・キャゼルヌの夫。
概要
CVはキートン山田(石黒監督版)、川島得愛(Die Neue These)。
自由惑星同盟軍に所属し、最終階級は中将。補給や事務関連等、後方勤務を担当した軍官僚。
ヤン・ウェンリーが士官学校在学時、事務次長として同校に赴任したことがきっかけで知り合い、互いに得がたい友人となる。
トラバース法に基づきユリアン・ミンツをヤンの保護下に斡旋し、第13艦隊(通称「ヤン艦隊」)編成の際にヤンの副官としてフレデリカ・グリーンヒルを推薦したのはいずれも彼である。特にユリアンの斡旋は、ヤンをして「キャゼルヌ先輩は一つだけいいことをしてくれたよ」、イゼルローンの魔女オルタンスをして「珍しくいいことをした」と言わしめた。
宇宙暦794年のヴァンフリート星域会戦において、同盟軍の前線補給体制を指揮していたシンクレア・セレブレッゼ中将が行方不明となったことをきっかけに、その後任として補給体制の再構築を任せられる。その後、シドニー・シトレ元帥の次席副官を務めていたさなか、ヤンがイゼルローン要塞攻略の司令官に命ぜられた時は「袖の下なしで話にのるぞ」と持ち掛け、攻略に必要な帝国艦船、そしてローゼンリッターをヤンに提供した。
帝国領侵攻作戦において後方主任参謀となった後、敗戦にともなって地方へ左遷。ついで戦果を挙げて大将となっていたイゼルローン要塞司令官のヤンの強い希望により、イゼルローン要塞事務監となった。
ヤン不在後の要塞司令官代理となってカール・グスタフ・ケンプと戦った時(第八次イゼルローン要塞攻防戦)は、ワルター・フォン・シェーンコップの意見を用い、ムライに意見を求め、ユリアンの案を取り上げ、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツに指揮を委ねるなどしてなんとか要塞を死守した。
帝国軍の「神々の黄昏」作戦に伴うイゼルローン要塞放棄の際は、「箱舟作戦」と呼ばれる民間人の脱出計画を立案、実行した。バーラトの和約後、辞表を提出するが慰留されて残留。ヤンが暗殺未遂に遭ってハイネセンを脱出する際には唯一ヤンによって知らされ、ヤンに従う道を選ぶ。
その後も前線に出ることは無かったが事務・運営を一手に担った。ヤン死後はフレデリカをイゼルローン共和政府の指導者、ユリアンを軍事司令官に擁立して、心の支えとしてあり続けた。
能力
後方勤務と事務処理のエキスパート。士官学校時に発表した組織工学に関する論文が大企業幹部の目に止まり、スカウトされた経歴がある。また後方勤務主体で30代で将官に昇進しており、将来の後方勤務本部長を確実視される俊英。
ヤンがイゼルローン要塞の総司令になった際、要塞事務監として招聘され、「彼がくしゃみをすれば、イゼルローン全体が発熱する」と言わしめる程の手腕を発揮した。
下位者や年少者の言にもよく耳を傾け、専門家の意見や具申を採択する等、状況判断能力や柔軟性も高い。
また、ヤン不在の場合に司令官代理を任せられた事から、実質的にヤン艦隊No.2とも言える。
ただし、戦闘指揮官としての能力は低い(本人も自覚している)。しかし同じく補給の名手だったセレブレッゼ中将と違い積極的に他者の力を用いたため悪い結果を招くことはなかった。
人柄
毒舌家で上司にも平気で噛み付く為、同盟軍上層部では評判が悪かったが、逆に部下や後輩の面倒見が良く気さくに振舞うためエリート臭が薄く、部下や後輩からの信頼が厚い。
ヤンやシェーンコップ、アッテンボローに地位を抜かれたり並ばれても良好な関係を保ち、後方勤務長よりもヤンの補佐を選ぶなど地位に固執する姿は見られない。
余談ではあるが、彼の信条は「家内安全」との事。
家族
ヤン艦隊の主要メンバーの中で数少ない既婚者(正しくはその描写があった人物)。
大尉時代に知り合ったオルタンス・ミルベールと結婚、2女をもうける。
家庭では愛妻家の家庭人の顔をもつ・・・・・ただし、妻には頭が上がらないが。
長女のシャルロット・フィリスをユリアンと結婚させるという希望を持っていたが、銀英伝随一のツンデレ「カーテローゼ・フォン・クロイツェル」が登場し、ほぼ実現不可能となった。なお次女は最後まで名前が紹介されなかった。
関連項目
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