ウイルスは許可しないィィィィィーッとは、ウイルスは許可しないことである。
概要
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」Parte5黄金の風に登場する、イルーゾォの台詞。
ギャング組織パッショーネのボスを裏切ろうとしている暗殺チームから、ボスの正体をつかむカギとなる実の娘トリッシュ・ウナを護衛する任務に就いたブチャラティチームは、ボスからの指令で「安全に移動できる乗り物」の『鍵(キー)』を入手するためにジョルノ・ジョバァーナ、パンナコッタ・フーゴ、レオーネアバッキオの3人でポンペイ遺跡に向かったが、そこにはすでに暗殺チームのイルーゾォが先回りしていた。
イルーゾォのスタンド「マン・イン・ザ・ミラー」は鏡を通じて「鏡の中の世界」を創り出す能力で、イルーゾォが「許可」した物しか出入りできない。この能力で「スタンド力(エネルギー)」を外に置いたままフーゴ、アバッキオの肉体を鏡の中の世界に引きずり込む事で、イルーゾォのみが「スタンド」で攻撃出来る一方的な闘いで一行を窮地に追い込んだ。
そして、指令の「鍵」を受け渡されたジョルノを引きずり込んでイルーゾォの完全な勝利になる…ハズだった。しかしジョルノは「スタンドのみを残して消えた本体」や「割れた鏡の破片が数枚足りない」事からイルーゾォの能力を推理し、鏡の中の世界でイルーゾォを倒すためにフーゴの「パープル・ヘイズ」の殺人ウイルスに自ら感染して引きずり込まれることで、イルーゾォにも感染させて倒そうとしていた。
ウイルスはイルーゾォにも侵食し、今までの一方的な闘いから余裕綽々としていた態度が崩れ、涙やよだれを垂らしてうろたえる表情を見せるイルーゾォ。だが、鏡の中の世界ならまだ遅くない。覚悟を決めるイルーゾォ。
『マン・イン・ザ・ミラー』
オレだけが 外に出る事を許可しろォォォーーーーッうおおおががががが
だが!
ウイルスは許可しないィィィィィーーーッ
感染した部分は 出る事は許可しないィィィィ
ィィィーーーッ!!
アバッキオが「鍵」をジョルノに渡すために自分の手を切断した事と同じように、「ウイルス」に感染した部分を切り離せば逃げ切れる。肉を削がれる激痛に耐えながら「こォれしきィィイイのオオ事ォォオオオ!!」と左腕(鏡の中なので右腕に見える)を切断して脱出。『いったん食らいついたら腕や脚の一本や二本失おうとも決して「スタンド能力」は解除しない』という暗殺チームの覚悟を見せて見事に1対3の闘いにイルーゾォは勝利した。
…とはいかなかった。ジョルノは感染した部分を切り離して脱出する事も計算に入れ、鏡の外でレンガのひとつに「ゴールド・エクスペリエンス」でヘビに変えて敵の位置を割り出し、外のパープル・ヘイズで追撃を可能にしていた。しかも、殺人ウイルスのある場所で生み出したヘビなので「免疫」を持ち、イルーゾォを倒して脱出すればこのヘビから「ワクチン」を獲得してジョルノは助かるという算段である。
一方、イルーゾォは最後の力を振り絞ってパープル・ヘイズの拳をガードしたにもかかわらず、拳から殺人ウイルスのカプセルを射出させて結局イルーゾォはウイルスに感染。彼の覚悟もむなしく、とどめのパープル・ヘイズの拳のラッシュを食らって「ふあああ~」という気の抜けた断末魔をあげて絶命。その亡骸はウイルスによって原形をとどめず腐り溶けて消滅する壮絶な最期を遂げた。
「マン・イン・ザ・ミラー」というスタンド能力は、「スタンドにはスタンドでしか倒せない」というルールの中で一方的に相手のスタンドを封じ、力は今一つなものの無力な人間を一方的に攻撃できる『無敵』と評されもおかしくない能力である。それ故に、優位に立っていた時は高慢な態度をとっていたが、スタンドの能力は裏を返せば心の弱さにも通ずる。一転して劣勢になった時の言葉や表情が情けない一面を見せ、実はヘタレという評価をする読者も少なくない。
しかし、彼も覚悟の決まった『暗殺チーム』の一員。機転を利かせ最後の最後まで3人を相手に『鍵』をゲットさせまいと闘った、読者の記憶に残る敵キャラクターだった。彼の必死な「ウイルスは許可しないィィィィィーッ」の魂の叫びは今も読者に許可しないものに対し改変されて使用され続けている。
メディアミックス作品では
- 初めて第5部が音声化された作品「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風」では、根岸朗がイルーゾォを演じた。本作での演技は高慢な態度が一転した情けない言動を強調し、実に小物ながらも勇気と覚悟を振り絞った表現をしている。本ゲームのイルーゾォ戦は鏡の中では左右の入力が逆になるという操作の難しさも相成って、イルーゾォ=情けない、ヘタレ、小物というイメージを根付かせた。ちなみに、担当声優の根岸朗は本作中でジャン・ピエール・ポルナレフとリゾット・ネエロ(製品中の出演は没になったが没データやドラマCDなど音声データはある)との兼役であり、演じ分けをはっきりする為にイルーゾォの小物感を強調したと思われる。
- 2018年に放送されたTVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」では、成田剣がイルーゾォを演じた。本作の演技は上述の「黄金の旋風」のイメージから一変、格好良くて戦闘経験豊富の強かな暗殺者というイルーゾォ像を打ち出した。断末魔の「ふあああ~」も、溶解する肉体から発せられる声にならない声で演じ、「パープル・ヘイズ・ウイルス」の恐ろしさを実感させられる。本作の設定上では暗殺チームの中でイルーゾォは一番の長身であり、また成田剣の採用もアニメスタッフが「年上感を出したい」との理由である。実際にアニメ版暗殺チームのキャストの中では最年長でもある。
余談
2019年12月以降、世界中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延した状況であり、感染して悪化すれば命の危険もある油断ならない状況である。2021年11月現在はワクチン接種も進んでいるが、決して安全というわけでもない。新しい生活様式である「ソーシャル・ディスタンス(射程距離2m)」を維持し、「波紋呼吸法矯正マスク」をつけ、「シャボン・ランチャー」で手指を消毒し、「ウイルスは許可しないィィィィィーッ」生活を送って健康を維持したい。
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関連項目
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