柏木優(かしわぎ すぐる)とは、ライトノベル『マリア様がみてる』及びそれを原作とするアニメの登場人物である。
概要
花寺学院の生徒会長。小笠原祥子と松平瞳子の従兄で、祥子の元婚約者であった。容姿端麗・頭脳明晰で、花寺のカリスマ的存在。福沢祐巳の弟・福沢祐麒の烏帽子親でもあり、祐麒を溺愛している。同時にその潜在能力をいち早く着目し、花寺生徒会の後継者として次期生徒会長に任命した。マリみてのスピンオフ作品「お釈迦様もみてる」では、準主役という破格の扱いを受けている。
一件非の打ち所が無い柏木であるが、デリカシーに欠けるという致命的な欠点を持つ。例えば、中学生だった頃の祥子に「男しか愛せないから、よそで子供を作れ」と言って傷つけてしまい、祥子の男嫌いを悪化させてしまった。山百合会の文化祭に呼ばれた時も、当初は歓迎されていたが、祥子とのトラブルが原因で山百合会からすっかり目の敵にされてしまい、リリアン校内ですっ転んでギンナンまみれになってしまったことから、陰で「ギンナン王子」と呼ばれる始末である。特に、祥子の妹(プティ・スール)である福沢祐巳からは祥子の恋敵的な意味から、佐藤聖からは後述する通り同族嫌悪で嫌われている。とは言え、彼は決して嫌みな敵役では無い。祥子が言う通り、むしろ悪気が全く無く本人は善意と思っているから始末に負えないのだが・・・
マリア様像の前で祥子と一悶着あったこのシーンは、作品よって微妙に描写が異なる。漫画版はほぼ原作に忠実だが、アニメ版は学園祭の場面が全てカットされているためか、祥子や駆けつけた山百合会のメンバーが全員シンデレラの衣装を着て登場する。ある意味シュールな光景でもある(柏木がギンナンまみれになる場面もカット)。実写映画版では予算の都合上、校門の前ではなく校内の教室になっており、祥子と柏木を見つけるのも祐巳と聖だけである。こちらの柏木はギンナンで酷い目には遭わないが、彼の台詞によると、祐巳が祥子を追って間もなく、聖に殴られたらしい(実写映画で柏木を演じたのは、「炎神戦隊ゴーオンジャー」のゴーオングリーン役で知られる碓井将大)。
第1巻が発売された際、読者の中からも「二度と出てこないで欲しい」という声まであがってしまった彼だが、むしろ出番は話が進むにつれて増加し、物語における重要度も増している。アニメだけでも、一期はたった1話のみのゲスト出演だったが、二期(マリア様がみてる〜春〜)では登場話数が倍以上に増えた。OVA三期では花寺のエピソードが多いため、当然のことながら更に出てくるようになり、四期にいたっては一部の山百合会より出番が多いのでは無いかと思えるくらい、完全にレギュラー入りを果たしている。その原因としては、後半のキーパーソンとなっている、瞳子の良き理解者になったことが特に大きいだろう。
柏木さんの実像
普段の柏木は飄々として、どこか相手を煙に巻くところがある。その上、同性の祐麒にべたべたして口も達者なため、同じように祐巳にセクハラしている上にガチ百合の聖は、自分を見ているような感じがするために、徹底的に柏木を毛嫌いしている。あまり関係ないが、彼は赤いスポーツカーを愛車にしており、車の運転すると暴走するところも聖と似ている。
しかしこうした姿は、柏木の側面の一つに過ぎないのかもしれない。12巻「子羊たちの休暇」で祐巳が、27巻「大きな扉 小さな鍵」で瞳子が、それぞれ祥子の知り合いの性悪なセレブ女達(成り上がりなので、実はお嬢様ではない)からいじめを受けた時を知った時は、普段の彼から想像できないほど怒りを露わにして、祐巳や瞳子からそれぞれあわてて抑えられたこともある。また、第1話を柏木視点で描いた釈迦みて5巻「スクール フェスティバルズ」では、シンデレラの王子を演じるに当たって、社交ダンスの稽古に通うなど、見えないところで密かに努力する姿や、祐麒に祥子を傷つけたことを懺悔するなど(但し、当時の祐麒は柏木と祥子の関係を知らない)、根は真面目な人物であることが明らかになった。
本編開始早々、自分はホモであることをカミングアウトした柏木だが、どうも本当はホモではないらしい。と言うのも、傷つけたせいで婚約を破棄されたが、祥子や瞳子に対しては恋愛ではなく親愛の情を持っている上に、柏木は祐巳のことをいたく可愛がっている(もっとも、祐巳は露骨に嫌がっているが)。そのため、聖が予想していた通り、実は両刀・・・もといバイセクシャルなのではないか?という説が有力となっている。ファンの中には、祐巳と柏木、そして祥子と祐麒がくっつけば小笠原家の跡取りも含めてベストという声もあり、事もあろうに原作者の今野緒雪先生もまた、祐巳と柏木のカップリングを奨励している節がある。百合好きの人にとっては、少し複雑な思いかもしれないが・・・
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関連項目
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