水戸黄門とは、諸国をうろついているジジイとその一行の物語のことである。漫遊ジジイ本人を指してはいるが、ジジイ本人は殆どの場合「ご隠居」と呼ばれる。
概要
水戸黄門とは基本的に諸国をうろつく→揉め事、疑惑の発見→事実の解明→責任者を糾弾→ちょっとした戦闘→印籠という名の権力によるねじ伏せ→解決→別の国に出発→疑惑、揉め事の発見→じj(ryというエンドレスエイトも真っ青の無限ループの時代劇である。
史実として「水戸黄門」と呼ばれたお殿様としては徳川光圀が存在するが、本人が諸国を漫遊したわけではない。「大日本史」という書籍の作成のために部下が諸国を取材旅行していたという事実は存在する。
時代劇の定番であり、特にTBSの「ナショナル劇場(→パナソニックドラマシアター)」枠で放送されたものは長寿番組となった作品としても有名。
映画やテレビドラマはもちろん、アニメやゲームなどでも水戸黄門を題材としたものが存在する。
テレビドラマ版
テレビドラマ版はテレビ放送黎明期から複数作られているが、現在「テレビドラマ版の水戸黄門」と言うとナショナル劇場版を指すことがほとんどである。
以下ではナショナル劇場枠で放映されたものに関して説明する。
この番組は1969年に第1部が放映され、以降1970年代~1990年代にはTBSを代表する時代劇ドラマとして絶大な人気を誇る看板番組として君臨してきた。しかし、この番組も近年の時代劇人気の低落傾向には勝てず、2011年の第43部終了をもって完結。足掛け42年にも渡る長寿シリーズとなった。
なお、2017年と2019年にはTBSのBSデジタル放送チャンネルであるBS-TBSにて、ナショナル劇場版を製作したC.A.Lによる新シリーズを製作・放送している。
番組主題歌もナショナル劇場版でおなじみの「ああ人生に涙あり」であり、スタッフなども共通し、実質的な続編である。
このシリーズでは武田鉄矢が黄門様を演じた。
シリーズ概要
- 1シリーズ毎に1回の旅を描く。シリーズよっては水戸から目的地までの片道のみを描くこともある。
- クライマックスでは悪者たちに格さんが印籠を見せることで光圀の正体を明かすが、当初はこの印籠を出す役割りは決まっておらず光圀・助さん・うっかり八兵衛などが出したことがある。またこのシーンの時間帯も2代目黄門を演じる西村晃の頃から8:45分ごろに統一された。
- 普通の旅の一行が「黄門様一行」と勘違いされたり、黄門様一行にそっくりの人物が登場する展開が有名である。中でも初代黄門の東野英治郎が1人2役で「越後のちりめん問屋の隠居・光右衛門」役を演じたことがある。
- 主題歌は「ああ人生に涙あり」で助さん・格さんを演じる俳優や橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦が歌っていた。
1番~3番までが使われているが、作詞家もその存在を忘れていた幻の4番の歌詞が存在する。 - 御老公のお供を主人公とする外伝として、かげろうお銀を主役としたドラマ「水戸黄門外伝 かげろう忍法帖」のほか、アキを主役とする漫画「DokiDokiアキの忍法帳」がある。
登場人物
水戸光圀(徳川光圀)
水戸藩2代目藩主であったが、現在は水戸の西山荘に隠居している。
「越後のちりめん問屋の隠居・光右衛門」を名乗ってお忍びで世直しの旅に出る。
状況に応じて光右衛門以外を名乗ることもある。
また越後領内に入ると「丹後のちりめん問屋の隠居」などと地名を変えて名乗っている。
佐々木助三郎
水戸藩家臣。通称「助さん」。剣の達人であるが、女好きが欠点。
レギュラーではあるが、1度だけ彼が全く登場しない回があった。
モデルは佐々十竹(さっさじっちく、諱は宗淳(むねきよ)、通称は介三郎)という実在の家臣。
渥美格之進
水戸藩家臣。通称「格さん」。硬派で真面目であり、光圀から財布を任されている。
主に素手で闘う。現在はクライマックスで印籠を出す役目も務めている。
モデルは安積澹泊(あさかたんぱく、諱は覚、通称は覚兵衛)という実在の家臣。
うっかり八兵衛
義賊見習いとして弥七に弟子入りしていたが、弥七が光圀に仕えることになり、彼もまた光圀の世話係になる。
食いしん坊でうっかりが玉に瑕で、口を滑らせては「こいつはうっかり」と言う。
第2部~第28部まで30年間に亘ってレギュラー出演しており、演じる高橋元太郎は番組最多の出演回数を誇る。
風車の弥七
光圀に影で仕える元義賊の伊賀忍者。渡世人のような格好で、江戸弁を話す。
赤い風車の付いた手裏剣がトレードマークで、光圀らとは別行動をとり情報収集など行う。
番組開始から第27部までは中谷一郎が演じ、第37部以降は内藤剛志が演じる。
かげろうお銀
伊賀のくノ一忍者。芸者や賭場の壺振り師・村娘などに扮し色仕掛けを使った諜報活動を行う。
元々は相棒である煙の又平(演:せんだみつお)と共に賞金目当てで光圀を暗殺しようとしていたが、
光圀の寛大な人柄から改心して、一行に仲間入りすることになる。第16部~第28部まで登場。
29部からはお銀に代わり風魔一族の頭領・疾風のお絹が登場し、41部まで好演した。
毎回行われる入浴シーンがお茶の間から定評があり、その回数は通算200回を超える。
メインキャストの変遷
放送年 | 水戸光圀役 | 佐々木助三郎役 | 渥美格之進役 | 備考 | |
1~2部 | 1969年~1971年 | 東野英治郎 | 杉良太郎 | 横内正 | |
3~8部 | 1971年~1978年 | 里見浩太朗 | |||
9~13部、劇場版 | 1978年~1983年 | 大和田伸也 | 劇場版は1978年公開 | ||
14~17部 | 1983年~1988年 | 西村晃 | 伊吹吾郎 | ||
18~21部 | 1988年~1992年 | あおい輝彦 | |||
22~28部 | 1993年~2000年 | 佐野浅夫 | |||
29~30部 | 2001年~2002年 | 石坂浩二 | 岸本祐二 | 山田純大 | |
31部 | 2002年~2003年 | 里見浩太朗 | |||
32~41部 | 2003年~2010年 | 原田龍二 | 合田雅吏 | 2度の単発放送あり。 | |
42~43部 | 2010年~2011年 | 東幹久 | 的場浩司 |
- 里見浩太朗は、TVシリーズの中で助さんと黄門の2役を演じているが、劇場版では格さんも演じており、メインの3役を演じた唯一の俳優である。
- 4代目黄門役となった石坂浩二は、唯一ひげのない黄門様として話題となった。ただし終盤にはひげを生やす展開となっている。
関連動画
まんが水戸黄門
「まんが水戸黄門」という作品としてテレビアニメ化されたこともある。
詳しくはまんが水戸黄門を参照。
関連項目
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