『渡辺宙明』(わたなべ みちあき:1925年8月19日~2022年6月23日)とは、愛知県出身の作曲家・編曲家である。名前の読みは、雑誌・書籍によってはペンネームとして「ちゅうめい」と音読される場合がある。ファンからも「ちゅうめいさん」と呼ばれることが多い。
概要
東京大学文学部心理学科卒。東大在学中より作曲家・團伊玖磨氏、諸井三郎氏に師事をする。1953年、中部日本放送のラジオドラマ『アトムボーイ』の音楽で作曲家デビュー。1956年に新東宝の映画で映画音楽に携わるようになり、1950年代後半から1960年代までは新東宝の映画音楽を担当するようになる。1970年代になると、アニメ・特撮作品にも携わるようになる。
代表作としては『マジンガーZ』、『秘密戦隊ゴレンジャー』、『人造人間キカイダー』が有名。その他にもヒット作が多い。1980年代になるとシンセサイザーのシーケンサー機能による自動演奏も取り入れるようになる。特に『電子戦隊デンジマン』や『宇宙刑事ギャバン』では、その効果が発揮されている。
近年では、キリン・アミノサプリのCM曲、文化放送『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』の主題歌、NHK-FM『アニソン・アカデミー』の校歌、アニメ『ふたりはプリキュア』『俺、ツインテールになります。』『アクションヒロイン チアフルーツ』の挿入歌等も担当している。また、サンテレビの野球中継『サンテレビボックス席』のテーマ曲「スプリング・レディー・バード」の作曲もしている。
95歳の誕生日となった2020年8月19日には『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』のイベント曲「ヒーローヴァーサスレイナンジョー」を作曲したことが明らかになると、アイマスPにも特撮ファンにも衝撃が走ることになった。
渡辺宙明の作品は、ファンから”宙明節(ちゅうめいぶし)or宙明サウンド”と呼ばれていて、歌詞と歌詞の隙間を埋めるかのような独特の擬音(「バンバラバンバンバン~」「ダダッダー!」「バンバンババン~」「ガンガガン」など)を取り入れたスキャットが挿入される(オリジナル歌詞には本来書かれておらず、彼によって後から付け加えられたものが多い)のも宙明サウンドの真骨頂の一つとして広くファンに愛されている。これらのスキャットに限らず、彼は掛け声やフレーズを後から付け加えることがある。
早い時期からシンセサイザーを使っているなどメカに強い面があり、90年代にはパソコン通信「ニフティサーブ」に頻繁に出入りしていたこともある(ハンドルは「COLT」)。ちなみにアマチュアのUFO研究家としても知られており、ニフティも主に不思議フォーラムのUFO会議室に書き込みをしていた。
息子は、映画・ドラマの音楽やさだまさしのアレンジャーとして知られる渡辺俊幸。孫娘は芸術家アイドルとして活動しているマコ・プリンシパル。
2022年6月23日、老衰による心不全のため死去(享年96)。俊幸によれば就寝中にそのまま息を引き取ったとのこと。晩年においても前述の「ヒーローヴァーサスレイナンジョー」のほか、自身39年ぶりの戦隊作品『機界戦隊ゼンカイジャー』(大石憲一郎と共作)や実写映画『ネズラ1964』『怪猫狂騒曲』の劇伴、金鳥「虫コナーズ」のCMソング「虫コナーズで名言を」など、精力的に曲作りを行っており、直近ではNHK Eテレ「クラシックTV」に出演するなど、まさに生涯現役を貫いた作曲家人生となった。
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