宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない。では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう! by ナレーション
宇宙刑事ギャバンとは、1982年~1983年にテレビ朝日系で放映された、東映製作の特撮テレビ番組である。
概要
僅か0.05秒で完了する変身とそのプロセス、敵組織が発生させる異次元空間、当時最新であったecgシステムのビデオ合成をふんだんに使用した映像など、斬新な要素をこれでもかとばかりに詰め込んだ、80年代を代表する特撮ヒーロー。ギャバン、シャリバン、シャイダーと続く「宇宙刑事シリーズ」、またこれ以後15年以上に渡って展開する「メタルヒーローシリーズ」の第一作目である。試行錯誤のためか、のちのシリーズに比べバラエティ豊かなストーリー展開を見せるが、一作目にして完成度は高く、「新時代のヒーロー」として受け入れられるには充分であった。
ニコニコ動画では、世代的にはあまりヒットしないものの、かつて一世を風靡した、「宇宙刑事ギャバソ」という有名なFLASHや、男臭い歌詞がたまらないOPなどの知名度の高さから、本作を知る若い世代も多い。
しかしFLASH加工されてるため動画内では本来の歌とは全く違う「兄貴~」や「ぎゃあああああああ(←多すぎ)ばばあぁあん」のコメントがしばしば見受けられる。
ちなみに主題歌中の「光の速さで明日へダッシュさ」直後の叫びは「イー! イー!」とショッカー戦闘員の叫びみたいに表現されるが、実際は「ビーム! ビーム!」と叫んでいるとのこと。
主題歌のレコーディングの時、串田アキラの元に大葉健二と叶和貴子が応援に馳せ参じた。串田は本来なら緊張して失敗しそうなところ、を凄まじいモチベーションの元、自分でも驚くほど上手く歌いきれたそうな。
2011年にはYoutubeの東映公式チャンネルで配信された。また、2012年1月21日公開の映画「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」にて復活を果たす。さらには同映画の成功を受け、ギャバン単独での映画「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」が2012年10月20日に公開されることが決定した。二代目ギャバンが登場し、一条寺烈も初代ギャバンとして登場するという。
そしてついに、満を持してニコニコ動画に映画の宣伝の為にギャバン降臨! 2012年9月7日(金)より、毎週19:30から5話ずつ生放送での上映会が行われ、終了後には本編の公式配信も行われた。
ただし映画公開に伴う期間限定配信とのことで、10月31日をもって有料視聴権が購入不可となり、配信を終了した。
主な登場人物
銀河連邦警察
- ギャバン(一条寺烈)
- 本作の主人公で、銀河連邦警察より派遣された宇宙刑事。ギャバンというのは本名であり、後輩宇宙刑事のようなコードネームではない。また、一条寺烈は地球での彼の名(姓は地球人である母方のもの)である。近年のイケメンが霞むほどの濃い顔に保安官を髣髴とさせるスタイルが似合うナイスガイ。マクーにはめっぽう強い天下無敵の男だが、常に懐は寂しく、しょっちゅうミミーに借金している情けない一面も。マクーの壊滅以外にも、マクーに拉致され行方不明となった父親のボイサーを探している。第43話でついに再会を果たすのだが…。
ちなみにギャバンの名前の由来は、フランスの映画俳優ジャン・ギャバンとのこと。 - ミミー
- 銀河連邦警察最高責任者、コム長官の一人娘で、ヒロイン。ギャバンに好意を持っており、彼をサポートする。ペンダント型の映像転換装置を用いてインコに変身できる(「レーザービジョン」と呼ばれる)。また、シリーズ途中で予知能力があることが判明する。元々臆病な性格で、ギャバンがピンチになった時にはよく「バード星へ帰りましょう!」と言っていた。何気に宇宙刑事シリーズ皆勤賞を果たしている人。
- コム長官
- 銀河連邦警察の最高責任者にしてミミーの父親。ギャバンの父・ボイサーとは親友で、行方不明の彼に代わりギャバンを立派な宇宙刑事に育て上げた。
- マリーン
- コム長官の秘書。ミミーが母親の看病のためバード星に帰った際には、ギャバンのサポートを担当した。
- ボイサー
- ギャバンの父親である元地球地区担当の宇宙刑事。マクーに拉致され行方不明になっている。
- アラン
- 第30~31話に登場したビーズ星担当の宇宙刑事。ビーズ星のリン王女救出のため地球を訪れ、ギャバンと共闘
した。劇中では見せなかったが、ギャバンと同じくコンバットスーツや各種メカを所有しているらしい。
力と技を受け継いだ改造人間でもイーグル特別部隊員でもジャッカー電撃隊行動隊長でも明日なき子連れ刑事でもない。格好がほぼ一緒だがさすらいの私立探偵とも別人である。
地球人
- 大山小次郎
- UFO専門のルポライターで、烈の良き友人。しばしばマクーに遭遇し危機に陥る。
意外に勘が鋭いところがあり、烈がギャバンと知ってか知らずか、マクー絡みの話を持って来る。
『宇宙刑事シャリバン』、『宇宙刑事シャイダー』にも引き続き登場し、宇宙刑事と親交を深めた。
宇宙刑事シリーズにとって欠かすことのできない名コメディーリリーフと言える。 - 藤豪介
- ギャバンが一条寺烈として普段勤めている「アバロン乗馬クラブ」のオーナー。死んだ息子夫婦に代わって孫のわかばと陽一を育てている。しばしば仕事を抜け出す烈には働いた時間分の給料しか渡していない。
- 藤わかば
- 豪介の孫娘。小次郎同様、よくマクーの事件に巻き込まれる。
- 藤陽一
- 豪介の孫でわかばの弟。小次郎や姉同様、マクーとのエンカウント率は高い。
- 当山茂
- アバロン乗馬クラブで働く青年。烈が仕事を抜け出すたびにその仕事を押しつけられるかわいそうな奴。
- 星野月子
- プラズマエネルギー装置・ホシノシステムを開発した星野博士の娘。博士の死後、父の親友であったボイサーの世話になった。ギャバンと出会った後にアバロン乗馬クラブで働くようになり、ギャバンの捜査にも協力した。
- 一条寺民子
- ギャバンの母親。当時地球地区担当だったボイサーと結婚した。ギャバンが幼い頃に病死している。
- 伊賀電
- 剣山担当の森林パトロール隊員。森林荒らしの犯人を捜す途中でギャバンと遭遇し、犯人と思いこむ。その後
すぐに和解するも真犯人・バッファローダブラーに重傷を負わされてしまい、治療のためバード星に送られた。
そして二週間後、ギャバンの危機に赤いコンバットスーツを身につけた宇宙刑事が駆けつけた・・・
宇宙刑事ギャバン
ギャバン(一条寺烈)が、「蒸着」のコールを発することで、彼の母艦であるドルギランから、粒子状に変換されたコンバットスーツが電送されてくる。これが彼の体を覆い、コンバットスーツが完成する。この間わずか0.05秒。日本で最も変身時間が有名なヒーローかも。レーザーZビーム、ファイナルキックスパイラルキックなど数々の武器・技を使って戦うが、その最大の必殺技は、レーザーブレードで敵を両断する、ギャバンダイナミックである。
また、ギャバンは多数のマシンを用いてマクーと戦う。超次元高速機ドルギランは、戦闘時に下部のユニットを分離・変形させ、電子星獣ドルとなってギャバンとともに戦う。また、大戦車ギャビオンとその搭載機スクーパー、ギャバンとともに魔空空間に突入するサイドカー、サイバリアンも大きな戦力である。ただしスーパー戦隊とは違って「巨大戦」を毎回するわけではなく、これらのメカはあくまで補助的にしか使用されない。ギャバンは巨大な敵であっても「そんなの関係ねえ!」とばかりにギャバンダイナミックで自ら一刀両断するのである。
メカニック
- 超次元高速機ドルギラン
- 直径:220m、全高:90m、重量:2000t
ギャバンの活動拠点である宇宙船。上部の「ギラン円盤」と下部の「電子星獣ドル」で構成されている。
戦闘の際にはギラン円盤のレーザー砲を使用する。
コンバットスーツや各マシンを格納しており、ギャバンの指令で電送・発進を行う。 - 電子星獣ドル
- 全長:300m、重量:2000t
ドルギランの下部ユニットが分離・変形した青い龍。ギャバンを頭の上に乗せ、その命令でマクーと戦う。
口から吐く火炎・ドルファイヤー、目や前足から発射するドルレーザー、尻尾や手足を使ったスクリューアタック、
ドルキックで戦う。
フルCGではあるが『ゴーカイジャーVSギャバン』にも登場する。30年経ってなお、その勇姿は健在である。 - サイバリアン
- 全長:2.3m、重量:400kg、最高速度:500km/h
飛行可能なサイドカーで、ギャバンと共に魔空空間に突入する。サイバリアンレーザーやサイバリアンロケッターで武装している。側車部分にシートは無く、魔空空間に突入する際ギャバンはシートに座らずこの部分に立つ。 - ギャビオン
- 全長:20m、重量:380t、最高速度(地上):時速500km、最高速度(空中):マッハ5
ギャバン専用の大戦車で、ドルやサイバリアンと同じく魔空空間に突入が可能。飛行メカである上部のAメカ、
戦車である下部のBメカに分離する。Bメカ内部にはスクーパーを搭載している。ギャビオンレーザー、ギャビオンミサイル、ギャビオンロケッターを装備している。ドル同様にギャバンはコクピットには乗らず、機体上部に立って操作する。
余談だが、着陸の瞬間なぜかBメカだけになっている。さらに言えば分離機能が本編で活かされておらず、
合体状態でも飛行可能なため分離状態での出番は皆無だった。 - スクーパー
- 全長:13m、重量:400t、出力:5万馬力
ギャビオンに搭載されているドリルタンク。機首に二基のドリルが付いており、武器としてスクーパーレーザーを装備している。
敵基地への突入、地底に取り残された人々や土砂に埋まったギャバンの救助などに活躍する。
宇宙犯罪組織マクー
獣星帝国の異名を持つ犯罪組織。宇宙規模で活動をしており、数多くの惑星を支配下に置いている。またその歴史は古く、劇中で組織発足2万6000年目を迎えている。異次元空間・魔空空間に浮かぶ魔空城を本拠地に、全銀河支配のため日々暗躍している。
魔空空間
魔空空間は一種のブラックホールであり、地軸転換装置を作動させて作り出す亜空間である。この空間の中ではベム怪獣やダブルモンスターは3倍の能力を得ることができ、戦闘を有利に進めるためにモンスターやダブラー共々ギャバンを引きずり込む。しかしそれでもギャバンには勝てない。そのために「魔空空間ではギャバンの能力は4倍になっているんだ」などと言われたりもする。
内部は採石場やビル街、さらには小惑星の上や煙の漂う空間など様々な様相を示し、全体的に薄暗い。
構成員
- ドン・ホラー
- マクーの首領。かなりの巨体で、常に魔空城の広場に鎮座している。冷酷な悪の首領ポジションのキャラではあるが、この手の組織の親玉としては珍しく滅多な事では怒らず、失敗した部下を罰する事もほぼないホワイト上司である。例えば12話では、「資材運び込みにUFO使ってたらバレました」(要約)と言い出すどうしようもない部下に怒るどころか、「資材の運び込みは陸送にしろ。完成するまでは密かにやれ」という趣旨の事を言っている。失敗しがちな部下にアドバイスして成長を促す有能上司ぶりが光る。
- また、中盤から登場する息子サン・ドルバに「真面目なギャバンに比べてウチの息子はなんでこう不真面目なんだ」と言わんばかりに悩むシーンが結構ある。子育てに悩む上司、ドン・ホラー。
- ただ、そんな彼もさすがに裏切った者には罰を与えている。後述のハンターキラーは永久追放され、かつて反乱を企てたダブルマン(後のサイダブラー)は終身刑になっている。また、ベム怪獣やダブラーがギャバンと本格的な戦いに入る際には地軸転換装置の作動を命じ、ギャバンを魔空空間に引きずり込んで援護する。毎週。
- ハンターキラー
- マクーの指揮官である、元宇宙刑事。マクーにホシノスペースエネルギーの情報提供し、さらに開発者の星野博士の抹殺、及びギャバンの父・ボイサーの拉致に貢献したことでマクーの一員となった。サン・ドルバの帰還により自分の地位を危ぶみ、秘密裏にサン・ドルバの作戦をギャバンに伝える。しかしそのことを魔女キバに見破られてしまい、ドン・ホラーにより暗黒銀河に永久追放されてしまう。
- サン・ドルバ
- 武者修行を終えて魔空城に帰還したドン・ホラーの息子。実力はあるが酒と女が好きで、マクーの首領である父親に頼っている面もある。作戦についてキバに知恵を借りることが多いが、一方でいつまで子供扱いされることにうんざりしている。
- 39話で人質に取った赤ん坊を「べろべろばぁ~」と裏声であやすが、逆に泣かれてしまった為に激怒してしまい大人気ない一面を見せてしまっている。
- 魔女キバ
- サン・ドルバの母親である老婆。息子のサン・ドルバを可愛がっており、知恵と妖術を用いて作戦をサポートする。ドン・ホラーやサン・ドルバから妻(あるいは愛人など)、または母親として接されることは特になかった。なお演者は男性である。
- 獣星人ダブルマン、ダブルガール
- 人間に姿を変え暗躍する、マクーの工作員。マクーが配下に置いた星の住人で、男性型をダブルマン、女性型をダブルガールと呼ぶ。ダブルモンスターの登場までは戦闘のトリを飾ることが多かった。
- ベム怪獣
- 序盤におけるマクーの主戦力。パワーはあるが知能はあまり高くないらしく、鳴き声のみで言葉を話さない。中には巨大化能力を有する個体も存在する。名称は「○○モンスター」。
- ダブルモンスター
- 生体合体装置によってダブルマンとベム怪獣を合成したマクーの新戦力。ダブルマンの知能及び変身能力とベム怪獣のパワーを併せ持つ。ダブルガールを素材にしたと思われる女性型も存在する。ベム怪獣同様、巨大化能力を持つ個体もいる。名称は「(素材となったモンスターの名前)+ダブラー」。中盤からは動物をモチーフとしないダブルモンスターも多数登場した。
- 元はと言えば、ダブルマンの進言を取り入れたもの。ドン・ホラーが終身刑のダブルマンに「ギャバン倒せば恩赦、ついでに大幹部に取り立ててやる」と汚名返上の機会を与えたところ負けて逃げ帰り、再び牢屋にぶち込もうとしたところでそのダブルマンが「俺に怪獣の力をくれ!」と言い出した。あれやっぱりこの人いい上司なんじゃ
- ホラーガール
- 鳥のような頭をしたドン・ホラーの秘書。地軸転換装置の作動を担当しており、クラッシャーと一緒に操作する。が、クラッシャー任せにして何もしてない事もよくある。というか
ぶっちゃけ劇中で秘書らしいことはほぼしていない。 - クラッシャー
- マクーの戦闘員。人間への変身能力を有し、戦闘の際にはナイフとビームガンを使用する。特撮の戦闘員では珍しく夏期に夏服を着ていた。
キャスト
- 一条寺烈/ギャバン、若き日のボイサー:大葉健二
- ミミー:叶和貴子
- コム長官:西沢利明
- マリーン:名代杏子
- 大山小次郎:鈴木正幸
- 藤豪介:多々良純
- 藤わかば:中島早苗
- 藤陽一:藤原進
- 当山茂:加瀬慎一
- 星野月子:立花愛子
- ボイサー:千葉真一
- 一条寺民子:久保田民絵
- アラン:宮内洋
- 伊賀電:渡洋史
- ドン・ホラーの声:飯塚昭三(~10話)、渡部猛(11話~)
- ハンターキラー:飯田道郎
- サン・ドルバ:西田健
- 魔女キバ:三谷昇
- ホラーガールの声:太地琴恵
- ナレーター:政宗一成
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関連チャンネル |
関連項目
- 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE
- 宇宙刑事ギャバン THE NOVEL
- 宇宙刑事シャリバン
- 宇宙刑事シャイダー
- メタルヒーローシリーズ
- 海賊戦隊ゴーカイジャー
- スーパー戦隊VSシリーズ(ゴーカイジャーと共演)
- 特撮作品一覧
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外部リンク
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