『アクションヒロイン チアフルーツ』とは、ディオメディア制作のテレビアニメである。TBS・BS-TBSにて2017年7月~9月に放送された。全12話。
概要
監督に「魔法少女リリカルなのはStrikerS」を手掛けた草川啓造、シリーズ構成に「俺、ツインテールになります。」などヒロインものを得意とする荒川稔久を迎え製作されるオリジナルアニメ。
のどかなフルーツ産地の万葉県陽菜野市(まんようけんひなのし)を舞台に、活気を失っている街のため女の子たちがご当地ヒロインとなり、アクションライブをプロデュースするストーリー。
また漫画版がヤングチャンピオン烈2017年No.7からNo.11まで連載された。単行本は全1巻。
かつて、とある地方都市が企画した小さなお祭りから始まった。
『ご当地ヒロイン戦士』として地元をモチーフにしたアクションが観衆を魅了し、
その評判により大人気を獲得。
“ご当地ヒロイン”ブームが各地で巻き起こった。
その勢いで『ふるさとヒロイン特例法』が成立し、
各自治体がステージショーをプロデュース。
ご当地ヒロインが群雄割拠するに至る。人気を競い合うヒロインたちのショーは、
国民的人気コンテンツとしてランキング番組が全国放送されるまでとなり、
その中心となる“アクションヒロイン”は
子供から大人まで愛される憧れの存在となっていた。
フルーツ産地ののどかな地方都市『陽菜野市』はその波に乗り遅れていた。
陽菜野高校3年の城ヶ根御前は危機感を募らせていた県知事の叔母に
“アクションライブ”をプロデュースするよう唆される。
とまどう御前だが、“アクションヒロイン”を成功させ、この街に活気を取り戻し、
祖父が建設に尽力した文化ホールの閉館を覆すために、立ち上がる!!
ご当地ヒーローを題材としているだけあり、無駄に凝ったヒーローショーの作りや、構成の荒川稔久が長年関わってきた特撮関連のオマージュが至る所に出現する部分も見どころ。ってか1話からいきなりカミダイオー主題歌の作曲が渡辺宙明大先生って何してはるんですか…。他にも、過去のアニメや登場人物たちの得意分野や趣味にちなんだ小ネタも各所に散りばめられている。
なお、舞台の陽菜野市のモデルは千葉県大多喜町。登場する鉄道のモデルはいすみ鉄道。これは2017年8月7日現在、公式には発表されていないが、登場車両のカラーや駅名、セインブルーの設定から推測できる。
登場人物
チアフルーツ
- 城ヶ根御前(しろがね みさき) CV:M・A・O
- 本作の主人公。陽菜野高校の3年生にして生徒会長。地元の名士の娘であり、祖父・城ヶ根大蔵(CV:斧アツシ)は生前、市長を務めていた。祖父が市の隆盛のために死力を尽くすも志半ばに倒れたことを不憫に思い、その無念を晴らすためと彼の残した遺産さえも捨てられつつある現状を打開するため、『陽菜野市アクションヒロインプロジェクト』を立ち上げる。
その時、杏と美柑のカミダイオーショーを見て二人をプロジェクトの核とすることを決める。アクションヒロイン活動においてはプロデュースを主に行い、ショーでは解説のお姉さん役を務める。最初に練習場所にしていた寺の境内が使えなくなる、カミダイオーのパクリオマージュとして演じた「カジュダイオー」が本家からクレームを受けるなどの次々に襲い来る障害を物ともせず、ついにヒロインチーム『チアフルーツ』を立ち上げ、オリジナルのローカルアクションヒロイン「聖果戦士ヒナネクター」を率いることになる。
文武両道の才があり、テニス部ではキャプテンを務めていたが、大会などの肝心なところで力を発揮できなかった。8月9日生まれだが、それに絡むある出来事によって、自分が「厄」に取り憑かれていると思い込んでいる。しかし、決して腐ることはなく、前向きに実直に生きることを信条としている。当初は自ら演技に参加することをためらっていたが、あるアクシデントを乗り切るためのアドリブとして、白金の戦士プラチナムとして登場。そして、文化ホールでの公演において…。ここからさきは、アニメほんぺんをみてたしかめてね!よい子のみんなとヒナネクターのだいじなやくそくだよ!(チアイエローからよい子のみんなへ) - 赤来杏(あかぎ あん) CV:伊藤美来
- 赤の戦士メディカレッド。2年生。医療の仕事に携わる両親のもとで育ち、人を救う仕事への強い憧れとヒーロー願望を持つ。重度の特撮ファンで、アホの子。ハマっている特撮のセリフに一致した言葉を耳にするとスイッチが入ったように力を発揮する。美柑に協力する形でカミダイオーショーを「勝手に」行い、ショーそのものは大惨事の結果に終わるが、それが御前の目に止まることになる。抜群の運動神経を生かして、アクション面では主役的存在になり、カミダイオーの真似から始まってオマージュ版のカジュダイオー、そしてヒナネクターではメディカレッドを演じる。
新体操部に属し、その才能は周囲からも高く評価されているが、自らの趣味を優先して競技からは身を引いている。 - 黒酒路子(くろき ろこ) CV:村川梨衣
- 御前の親友にして副会長。3年生。テニス部でのチームメイトであり、御前の最大の理解者だが、彼女が不運に見舞われる一方で自分が美味しいところをさらってしまったと負い目を感じてもいる。彼女の始めたアクションヒロイン活動に参加すべきか葛藤するが、陽菜野駅の駅長である父の「必要を感じたら直ちにとりかかる」という言葉によって心を決める。チアフルーツのショーでは悪役ロコモブラックを演じることになる。
陽菜野駅構内に留置された旧型ディーゼルカーの車内を改造して住んでいる。室内にはプラレールによく似た鉄道模型のレイアウトを置いており、そこで走っている車両のメイテツクン(CV:橋本信明)・ナンカイクン(CV:内藤玲)と脳内会話を繰り広げることがある。さらに影から御前を見守ろうとする自分を夜間に人知れず働く保線区員になぞらえたり、アイドルをやめた勇気を励ますのに新幹線の700系と500系で例え話をしようとしたり、ディーゼルカーのエンジン音に聴き惚れたりする。もっと言えばロコモブラックの武器はキップにパンチを入れる改札鋏がモチーフ…。つまり重度の鉄オタ。 - 黄瀬美甘(きせ みかん) CV:山崎エリイ
- 黄色の戦士チアイエロー。2年生。家はレモン農家。情に流されがちな優しい女の子で、妹の柚香にカミダイオーショーを見せると約束してしまったことから、自らショーを演じることを決意。これがチアフルーツの始まりとなる。チアリーディング部に所属していた経験から杏に迫るレベルの身のこなしを見せる。チアフルーツの活動においてはシナリオを担当。その文才は御前をして「(いい意味で)正直、裏切られた」と言わしめるほど。なお、「チアフルーツ」の名は陽菜野市の農産物であるフルーツにちなんでおり、美柑のアイデアが元になっている。
- 緑川末那(みどりかわ まな) CV:広瀬ゆうき
- 緑の戦士テラグリーン。2年生。家はお寺。御前の募集に元気と共に応じて、アクションヒロイン活動の練習場所として本堂を提供する…が、しっかり使用料を取る。檀家が減ってお財布事情が苦しい家を助けるため…とは言え、金にがめつい性格のようである。
裁縫や絵が得意で、趣味はコスプレ。それらを活かしてチアフルーツの衣装や舞台小道具の製作を担当する。また、グッズの企画・制作販売も手がけ、活動のための貴重な収入源としている。 - 青山勇気(あおやま ゆうき) CV:石田晴香
- 青の戦士セインブルー。2年生。家は理髪店。元気とは双子で姉の方。アイドルユニット赤坂66に所属していたが、アイドル活動を引退。アイドルとして芽が出なかった事もあったが、名を売るために妹の事を感動ポルノお涙頂戴的に利用されることを良しとしなかったことがその直接の原因であった。ネガティブな妄想に陥りがちで、陽菜野に戻ってからも学校に出ずふさぎ込んでいた。元気の「全力の今が楽しい」という言葉に自分を取り戻し、御前たちの練習にアドバイザーとして参加するうちに、御前の言葉にうまく乗せられる形で正式にメンバーとなった。チアフルーツの振付と歌唱のセンターを務め、陽菜野市の提携姉妹都市であるメキシコはクエルナバカ市からやってきた追加戦士セインブルーとしてデビューした。
- 青山元気(あおやま げんき) CV:石田晴香
- 勇気とは双子で妹の方。2年生。幼いころは姉妹でアイドルを目指していたが、彼女は足に大怪我を負ってしまい、未だに障害が残っている。松葉杖を使えば何とか歩けるが、普段は車椅子型のメカで移動している。しかし、芯の強さからめげずに前向きに生きようとしている。御前の募集に応じて末那と共に参加。IT技術に明るく、音響・照明・特殊効果のプログラミングなどを担当。また、演出家としてメンバーの演技指導も行い、内容が悪いと灰皿を投げるという、どこかの名演出家のような厳しい指導もする。そして、演技のやり方について「考えるな、感じろ」とどこぞの香港映画スターみたいなことを言ったりする。
- 桃井はつり(ももい はつり) CV:豊田萌絵
- ピンクの戦士ニトロピンク。1年生。家は土建屋建設業者「桃井建設」。御前を「御前様(ごぜんさま)」と呼ぶボクっ娘。城ヶ根家と桃井建設は公私ともに深い関係に有り、御前とは幼なじみであり、「はーちゃん」と愛称で呼ばれている。物語に表立って出てくる前からスポンサーとして協力し、ショーにも観劇に表れて声援を送っていた。
かねてより「チアフルーツ」への参加を熱望しており、広辞苑の如き厚さの自己PR文を御前の下駄箱に入れるなど、斜め上の方向でアピールしていた。御前たちによって入団テストを受けるも、やりすぎてしまい不合格。見習いとして出直すも、御前が絡むとドジを踏むことを繰り返してしまい絶望する。しかし、皆からSNSを通じたメッセージを受け取って再びテストに臨み、そこで見事に新戦士、ニトロピンクとしての寸劇を演じて合格となる。
この年令にして危険物取扱者免状を取得しており、建築・建設関係のスキルはプロ級。それらの能力を活かしてワイヤーアクションや爆発エフェクトによる演出を担当する。また、演劇部員を兼任していることも有り、演技力の高さも特筆モノである。現場監督の森(CV:伊丸岡篤)ら桃井建設の社員からは「次期社長」と呼ばれている。落ち込んだときは会社の採石場に置かれたユンボのバケットの中に引き篭もる。 - 紫村果音(しむら かのん) CV:白石晴香
- 杏のライバルを(一方的に)自認するお嬢様。2年生。末那の実家の寺を使用不能にした張本人。その解除をかけて、杏と競争して「杏が負けることで」解除するという不可解な勝負を仕掛ける。かつて、新体操部で常に杏を打倒することを目標に研鑽していたが、結局杏には勝てなかった。その理由が、彼女が当時ハマっていたどこかで見たような特撮女子ヒロインもののセリフを果音が偶然言ったためにスイッチが入った、という果音には受け入れがたいものだったため、杏に執着し続けることになる。果音の望みはただひとつ、杏に圧倒的勝利をおさめる事だけだった。しかし、またも「セリフスイッチ」が発動、結局寺の使用権復活はならなかった。
その後、雨の中で不完全燃焼に終わりかけていた「カジュダイオー」ショーに乱入。杏と丁々発止のアクションを繰り広げ、結局その流れで御前たちの活動に参加することになる。チアフルーツでは路子と並んで悪役ディープパープルを演じることになる。
その他の登場人物
- 黄瀬柚香 CV: 水谷麻鈴
- 美甘の妹。陽菜野市のさくら祭りで招聘予定だったカミダイオーのショーが中止になってしまったことで、彼女が泣いたことがすべての始まりであった。アクションヒロイン活動をする姉たちを無邪気に見守り、応援している。
- 神栖真心(カミダイオー) CV: 渕上舞
- 神在市(かみありし)のヒロインチーム「ジンジャーズ」の人気演目、「超天界!カミダイオー」のご当地アクションヒロイン。杏の憧れの人。全国区的人気を誇り、公式のふりかけ・ソーセージなどのキャラクター商品が発売されているほど。神在名産「ジンジャップルサイダー」を飲むことでパワーアップできる。ポパイとか当たり前田のクラッカーとか言う奴はオッサン。決め台詞は「神の使いに不可能なし!今日の勝利に神謝神激(かんしゃかんげき)」
ご当地ヒロインランキング番組の企画で陽菜野市を訪れ、チアフルーツの面々と対談。その正体は純粋にアクションヒロインを心から愛し、自らを磨くことを楽しむまさにリアルに「神」な人であった。そのことに大なり小なりチアフルーツのメンバーは衝撃をうけることになる。 - ロッチ王 CV: 高橋伸也
- カミダイオーの悪役。神在市で環境破壊することを企むが、そのたびカミダイオーに撃退されている。
- 金城一美 CV: ブリドカットセーラ恵美
- 御前のおばにあたる人物。現職の県知事であるこの世界では森田健作じゃないのか。陽菜野市の現状を憂い、大幅な財政健全化のための政策が必要と考えている。御前を呼び出し、文化ホールの閉鎖計画を覆すために、当ホールを満杯にするほどのアクションライブを催すよう促す。時限を区切っているとは言え、前後の口調からして決して無理難題をふっかけているわけではなく、御前を見込んでの事のようである。
- 渚ミサト CV: ブリドカットセーラ恵美
- テレビ赤坂のご当地ヒロインランキング番組、『レビューランク10』の看板アナウンサー。当初は番組のナレーションの声しか出番がなかったが、文化ホールでの公演の開演前レポートが生放映され、初めてその姿が画面に出た。ポニーテールがキュートな女子アナさんである。なんだか制作スタジオが同じなあの艦艇擬人化アニメのあの子に似てるような…。声もそっくりだしな…。
用語集
公式サイトのチアペティアを見よう。
スタッフ
- 監督: 草川啓造
- シリーズ構成: 荒川稔久
- キャラクターデザイン: 井出直美
- 美術監督: 松下佳香
- 美術設定: 高橋麻穂
- 色彩設計: 林由稀
- 撮影監督: 伊藤康行
- 編集: 小島俊彦
- 音楽: 水谷広実(Team-MAX)
- 音楽制作: 日本コロムビア
- 音響監督: 飯田里樹
- アニメーション制作: ディオメディア
主題歌
- オープニングテーマ「情熱☆フルーツ」
- 作詞・作曲:武田城以 / 編曲:藤澤健至 / 歌:トキメキ感謝祭
- エンディングテーマ「陽の当たる場所」
- 作詞:Funta7 / 作曲・編曲:藤澤健至 / 歌:トキメキ感謝祭
- 第1話スペシャルテーマソング「超天界カミダイオー」
- 作詞:荒川稔久 / 作曲:渡辺宙明 / 編曲:片山修志 / 歌:カミダイオー(渕上舞)
- 第4話挿入歌「紡いでくメモリー」
- 作詞:KOCHO / 作曲・編曲:片山修志 / 歌:青山勇気(石田晴香)
放送局
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 | 備考 |
---|---|---|---|
TBS | 2017年7月6日 | 木曜 26:28 | |
ニコニコ動画 | 2017年7月7日 | 金曜 7:00 | 最新話無料配信 |
ニコニコ生放送 | 金曜 23:30 | タイムシフト有り | |
BS-TBS | 2017年7月8日 | 土曜 25:30 | |
TBSチャンネル1 | 2017年7月16日 | 日曜 25:30 |
各話リスト
※リスト内、サブタイトルはオマージュの元ネタにリンクされています。
関連動画
関連生放送
関連チャンネル
関連項目
外部リンク
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