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通信用語の基礎知識とは、オンライン百科事典サイトの一つである。正式名称は「通信用語(等)の基礎知識[1]」。ドメイン名は「www.wdic.org」[2]。
概要
「辞書と辞典のいいとこ取りをした、日本人のための辞書」を標榜する、UGC百科事典サイトの一つ。編集長はサークル「大魔界通信網[3]」代表の陸野 優樹(おかの ゆうき)。初版発行は草の根BBS時代に遡る1995年2月であり、数あるサイトの中でも歴史が大変深い。
陸野により「波動用語の基礎知識」として草創後、様々な草の根BBSを転々として加筆が重ねられてから、やがてインターネット上における公開が開始された。パソコン通信の出自から、しばらくはその名前の通りに通信用語を紹介する辞書サイトだったが、やがて科学用語からアニメ・ゲーム、鉄道まで様々なジャンルの用語を取り扱うようになっている。
記事編集にはメーリングリストへの登録が必要であり、辞典としての規模的にもWikipediaやニコニコ大百科と比べて少人数のクローズドな集まりといった感が強い。文章を執筆する担当と公開用に書式を整える担当が別に居り、コミュニティ内で記事の編集構成を重ね、ある時点で一挙に反映される点が、多くのUGC辞典サイトと異なる。中立の立場をとらず、執筆者個々人の視点に基づいた記述が多くあるのも特徴の一つ。メンバー同士で飲み会を行ったり、CD・DVD版通信用語の基礎知識をコミケで頒布したりと、サークル的な性質も持ち合わせている(コミケでの頒布は2014年度の発行を最後に行われていないが)。
20年以上地道な更新を重ね続けており、その規模感ながらに単語数は全辞書グループ記事を合計して2022年現在で4万件超となっている。リアルタイムで常に更新が重ねられるWikiや、樹形図のごとく不特定多数が交流を行うSNSなどが主流となってからも、メーリングリストを主軸とする運用方法を続けており、今日ではUGC百科事典サイトの中でも特異といえる。
V6フォーマット
UGC百科事典サイトは、それぞれが様々に、HTMLを基底とした独自な編集書式を採用しているものであるが、通信用語の基礎知識サイトでは「汎用辞書フォーマット第6版(通信用語の基礎知識V6フォーマット)」通称「V6」を開発し採用している。
これは「.DV6」という拡張子のドキュメントファイルで保存され、エディタ・ビューワソフトなどが提供されている。
辞書グループ
サイト内で「〇〇用語の基礎知識」という命名規則で統一された様々な辞書グループに分岐しており、それぞれのディレクトリ下に記事が帰属する。
サイトの旗艦である「通信用語」を筆頭に、略語をまとめる「短縮用語」、コンピュータ(電子演算機)用語を扱う「電算用語」、科学関連の「科学用語」、アニメ漫画その他を扱う「萌色用語」、地理に関係する「国土用語」、ほか「軍事用語」「鉄道用語」「文化用語」、といった9グループで構成されている(2022年時点)。登録単語数が最も多いのは科学用語グループであり、2番目が通信用語。
政経データベース・民族の声
かつては、特にネット右翼的な立場から編集された「政経用語」という辞書グループがあった。のちに分離して「政経データベース・民族の声」となり、有名であった。
中立性の問題や出典不備から望むような編集のしづらいWikipediaを「サヨクが常駐する、立派なサヨク辞典」と呼んで嫌悪する立場をとるなどし、サイトとしてチャンネル桜を応援したり、二千人委員会への参加を呼びかけるなどしていたが、少人数運営の本サイトにあって無理が生じ、2013年末に譲渡先を募集、最終的に2015年にサーバー上から消滅した。
余談
- サイト名や辞書グループ名は、「現代用語の基礎知識」に由来するパロディであると思われる(自由国民社が1948年より発行している、新語を積極的に掲載する特徴を持つ年刊事典。「新語・流行語大賞」の選定などでも知られる)。
- (おそらく同じ命名由来を持ち)極めて名前の似ている同人用語の基礎知識というサイトがあるが、こちらは名前の通りオタク用語に特化しているほか、政治的なスタンスに関しては中立的である。
関連項目
関連リンク
脚注
- *サイトトップのロゴ画像では「通信用語等(ォの基礎知識」、ある見出しでは「通信用語等の基礎知識」などと書かれ、まちまちである。
- *サイトの英名「Wired and wireless network dictionary」の略称である「WDIC」がドメインに用いられている。
- *かつてこの呼称はサイトの制作活動拠点であった草の根BBSのことを指した。現在は陸野の個人サークルのこと。
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