「Japan News Network(略称及び呼称:JNN)」とは、TBSテレビ(旧:東京放送)をキー局とした民間テレビ放送のニュース系列である。日本のテレビニュースネットワークの中では一番古く現在全国に28社が加盟している。
この項目ではTBSテレビ系列におけるニュース以外の番組供給系列である「TBSネットワーク」についても解説する。
概要
1959年にNHKに対抗するため、民間放送初のニュースネットワークが結成される。そもそもは同年にご成婚された皇太子(現・上皇)殿下のご成婚記念番組(東京放送(当時)製作)を放送したネットした局が、そのままJNNの初期加盟局となった経緯がある。
設立が古いためか、その地方に最初に出来たテレビ局が加盟している比率が高く、地上アナログ放送時代は親局がVHF波の局が多かったのも特徴である。(地上デジタル放送に移行後は全てUHF波に移行)
特に中心的役割を果たしているTBSテレビ、北海道放送、CBCテレビ(旧:中部日本放送)、毎日放送、RKB毎日放送の基幹局5社で「五社連盟(木曜会)」というグループを結成しており、毎週木曜日に各局の社長による会議が行われている。
いわゆる四大民放テレビネットワークの中で最初にほぼ全国規模のネットワーク構築に成功した[1]ため、この地の利を活かした「8時だョ!全員集合」「ザ・ベストテン」といった地方中継を多用した人気番組を作ることができた。これが1960年代~1980年代にかけてのTBS黄金時代の礎となったという見方もある。
JNN排他協定
JNN排他協定(JNN協定)というという規定があり、地方局を縛り付けている。
この縛りが他系列よりも非常に厳しい。実際にFNN/FNSとのクロスネットで通そうとしたテレビ山口が、後にJNNフルネット局に変わったのもこれが原因である。そのためかキー局のTBSテレビ及びその親会社である東京放送ホールディングスとの仲が悪い地方局が多い。特にTBSとMBS、CBCとの関係は有名である。
JNN排他協定については『日本の民放ネットワーク JNNの軌跡』(1981年にJNNネットワーク協議会発行)に記載されている。
しかし、この協定があるのはあくまでもニュース番組及びニュース素材に限ってのことであり、一般番組がJNN協定の拘束を受けることは無い。実際、TBSテレビで制作された深夜アニメがJNN系列外の独立局で放送されているケースがある(TBS木曜深夜アニメ枠を参照)。
TBSネットワーク
先述した通り、TBSテレビ系列におけるニュース以外の番組供給系列であるが、JNNを運営する「JNNネットワーク協議会」による付帯事業として行われているために、NNSやFNSのように別組織として成り立っていない。
その為、TBSテレビ系列をJNN系列と言い換えてもさほど問題は無い。
JNN系列局一覧
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北海道・東北
- 北海道: 北海道放送(HBC)[基幹局]
- 青森県: 青森テレビ(ATV)
- 岩手県: IBC岩手放送(IBC)
- 宮城県: 東北放送(TBC)
- 秋田県: なし
- 山形県: テレビユー山形(TUY)
- 福島県: テレビユー福島(TUF)
関東・甲信越
東海・北陸・近畿
- 静岡県: 静岡放送(SBS)
- 中京広域圏: CBCテレビ(CBC)[基幹局]
- 富山県: チューリップテレビ(TUT)
- 石川県: 北陸放送(MRO)
- 福井県: なし
- 近畿広域圏: MBSテレビ(MBS)[準キー局 / 基幹局]
中国・四国
- 鳥取県・島根県: 山陰放送(BSS)
- 広島県: 中国放送(RCC)
- 山口県: テレビ山口(tys)
- 岡山県・香川県: 山陽放送(RSK)
- 徳島県: なし
- 愛媛県: あいテレビ(ITV)
- 高知県: テレビ高知(KUTV)
九州・沖縄
- 福岡県: RKB毎日放送(RKB)[基幹局]
- 佐賀県: なし
- 長崎県: 長崎放送(NBC)
- 熊本県: 熊本放送(RKK)
- 大分県: 大分放送(OBS)
- 宮崎県: 宮崎放送(MRT)
- 鹿児島県: 南日本放送(MBC)
- 沖縄県: 琉球放送(RBC)
系列のない都道府県の対応
秋田県
一般番組を県内のテレビ局3局で放送されている。Gガイドの配信はAKT(FNN)が配信している。またケーブルテレビや直接受信でATV、IBC、TUYを視聴することができる。秋田県内の取材は主にIBCが行っている。
福井県
一般番組を県内のテレビ局2局で放送されている。Gガイドの配信はFTB(FNN)が配信している。またケーブルテレビや直接受信でMBS、MROを視聴することができ福井県内も南北で分け合って取材を行っている。
徳島県
一般番組をJRT(NNN)で少量であるが放送しており、Gガイドの配信も行っている。直接受信で大半のエリアでMBSやRSKを視聴することができる。徳島県内の取材は主にMBSが行う。
佐賀県
Gガイドの配信をしているSAGATV(FNN)では番組は放送されていないが、ケーブルテレビや直接受信で大半のエリアでRKB、RKK、NBCを視聴できる。佐賀県内の取材はRKBが主に行う。
かつての加盟局
※正式加盟局のみ。この他、黎明期には番組販売でニュース番組を放送していた局も存在した。
略称 | 局名 | 地域 | 備考 |
---|---|---|---|
ABC | 朝日放送 | 近畿広域圏 | テレビ部門の前身である大阪テレビ(OTV)時代から加盟。かつてのJNN基幹局。 1975年、腸捻転ネット解消のため脱退を余儀なくされる。 現在はテレビ朝日系列(ANN加盟局)。 |
FTV | 福島テレビ | 福島県 | JNN正式加盟局としては数少ないフジテレビ系列(FNN加盟)とのクロスネット。 1983年、JNNを脱退しフジテレビ系列に一本化。 JNNは新規開局したテレビユー福島が引き継いだ。 |
NKT | 日本海テレビ | 鳥取県 | 隣の島根県に山陰放送が開局し鳥取と島根の取材範囲が重複するのを避けるため、 JNN発足からわずか4ヶ月半後の1959年12月14日に脱退。 現在は日本テレビ系列(NNN加盟局)。 |
関連項目
外部リンク
地上波テレビネットワーク一覧
1 NHK総合 |
2 NHK Eテレ |
3 (独立局) |
4 NNN/NNS (日本テレビ系) |
5 ANN (テレビ朝日系) |
6 JNN (TBS系) |
7 TXN (テレビ東京系) |
8 FNN/FNS (フジテレビ系) |
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12 - |
※一部地域ではチャンネルが異なります
脚注
- *日本テレビをキー局とするNNNはJNNに加入しなかった東北・北陸・四国の老舗局の加盟に成功したもののJNNに匹敵する規模のフルネット局によるネットワークを構築するには1980年代まで待つこととなる。フジテレビをキー局とするFNNは1960年代末にUHF波テレビ局の新規開局ラッシュの際に系列局を多く作ることに成功したがクロスネット・トリプルネットによる相乗りが多かったことが響きフルネット化は1980年代~1990年代と遅れた。テレビ朝日をキー局とするANNはバブル景気を背景とした昭和末期~平成初期の開局ラッシュまでネットワークの拡大が遅れ1990年代後半にようやく他ネットワークに準じる全国規模となった。
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