WCCFとは、セガが開発したアーケードゲーム『ワールドクラブチャンピオンフットボール』の略称である。
概要
正式名称は『WORLD CLUB Champion Football』
2002年夏、「SERIE A 2001-2002」の副題で、全国で稼働を開始。
当時セリエAに所属していた全クラブの主力選手を、赤外線透過型の特殊インクを使ってカード化。ピッチを模したプレイフィールドに、好きな選手11人+控え5人を配置して采配を競うシステムが受け、サッカーファン、トレカファンをも巻き込んだブームを巻き起こす。
その後、「SERIE A 2002-2003」を経て、2005年に「EUROPIAN CLUBS 2004-2005」と改称してリニューアル。イタリアだけでなく、イングランド、スペイン、オランダから、国内リーグ、およびUEFAチャンピオンズリーグでの成績などを基に選出されたチームがカード化される。その後、2005-2006で、ドイツ、フランスも含めた6ヶ国まで拡大。
2007年から、「INTERCONTINENTAL CLUBS 2006-2007」へ移行。ブラジルとアルゼンチンからもチームが選出されるようになり、仮想トヨタカップを行うことも可能になった。試合経過に影響をもたらすキープレイヤーシステムが採用されたのもここから。
2009-2010で、UEFAチャンピオンズリーグ2003-2004にて大番狂わせを達成したFCポルトが、満を持して新規参戦、総参加国が9に増えた。また、キープレイヤーを攻撃・守備・補助で1人ずつ、最大3人まで指名できるように改訂されたほか、カップ戦の合間に行われていたレギュラーリーグがCPU戦限定モードとして独立。上位リーグにいないと参加できない上級タイトルカップへの参加も、早い段階から行えるようになった。
2011-2012からは、セガ発行のアーケード用共通ICカード「aime」にも対応し、1枚のaimeで最大10チームまで登録、管理できるようになった。従来の専用ICカードを使うのはデータ引継ぎの時だけであり、2012-2013では旧カードからの引継ができなくなっている。
選手同士の連携度も、動物占い準拠と言われていた旧設定から、実際のキャリアや交友関係を基に見直されている。
2012-2013ではサブタイトルが年号表記のみとなり、7シーズンぶりに欧州クラブのみの出演となった。ver.2では、ブラジルワールドカップにあわせて、スペイン、イタリア、ブラジル、アルゼンチンの代表選手を「代表」というカテゴリーとユニフォームで収録。09-10のレアでは厳選された5人だけだったが、こちらは各レアリティに選手が配されている。
2013-2014からは、レアカードにQRコードが記載されるようになり、aime内の「選手名鑑」へ登録しておくと、ミーティング中に特別指導が発動する新システムを採用。また、同じセガ製のサカつくシリーズから秘書システムを引用した。
さらに、ver.2に続いてシリーズ初のver.3をリリース。カードは「14-15オープニングエディション」と分類され、新シーズンへは移行されなかった。
当該シーズンの成績、各選手の試合出場時間などを基に査定を行い、年末に新シーズン開幕というサイクルができあがっていたが、2016年1月末からの2015-2016において、かつて開発陣インタビューにて語られていた、ゲームの年号表記を現実と併せるという目標が、シリーズ開始から14年目に叶うこととなる。
2016-2017ではプレイにかかる料金の引き下げを実施。1試合あたり300円だったプレイ料が1試合あたり200円への値下げ敢行に加え、15-16でも期間限定で行われていた、試合後に100円を投入することでカード入手数を増やせる施策がいつでもできるようになった。
ゲーム全体の流れでも、練習からミーティングルームへ直行する試合前準備の簡略化、今まで隠し要素的に扱われていたキャプテンやフリーキックなどの適性可視化と、シリーズ開始15周年に向けて、一見プレイヤーが感じる壁をなるべく低くしたいという努力を感じさせた。
2018年夏に、シリーズの流れを受け継いだFOOTISTAなる新タイトルのロケテスト開始が予告されたことで、WCCFは2017-2018で終了。「実在のサッカー選手をデータ化したカードを持ち寄って競うゲーム」の大幅リニューアルが行われた。
具体的なゲームの流れ、問題点などは、上記公式HPや、Wikipediaを参照ください。
カードのカテゴリーとレギュレーションの変化
本作で入手できるカードは、出演選手の知名度、シーズンにおける活躍度などによってレアリティが変動する。
白カードと呼ばれるレギュラー、黒カードと呼ばれるスペシャル、モニターでは銀色で表示されるレア、金色表示のレジェンドの4種類に大分され、最初からレアリティの高いカードをならべて、フリークラスでチームを編成することも可能だが、負け込むと財政難に陥り、選手のやる気が上がりにくいなどの悪影響が出る点は要注意。
公式大会では、スペシャル以上のカード使用を5枚までに制限したU-5が必須の参加規定となっている。
2004-2005からは、レア以上の使用を5枚までと制限し、黒カードの使用制限を廃したU-5Rを追加。
2012-2013の公式大会からは、現行シーズンのカード8人以上を使用という制限が加えられることもある。
白カードだけで編成されたレギュラークラスといっても、プレイヤーの眼力や、起用した選手の評判次第では、大物食いも充分可能である。
なお、選手個人の引退、クラブの出演状況などにかかわらず、今まで制作、排出されてきたカードはすべて利用可。
レアカードの選出基準
レアカードは、MVP以外に、代表チームから選出される場合と、ポジション別に選出される場合がある。
- 2001-2002
MVPのダヴィド・トレゼゲ、トレゼゲと得点王を分け合ったダリオ・ヒュブナー、ベストイレブンの他、ベストストライカー、ファンタジスタで5人ずつ選出。アンドリー・シェフチェンコなど、選出が重複した選手もいる。
MVPと得点王はver.2での追加。 - 2002-2003
日韓ワールドカップ当時のイタリア代表チーム(IT)から16人をカード化。その他、(イタリア基準で)外国人のドリームチームともいえるインターナショナル・スーパースターズ(IS)、得点王のクリスティアン・ヴィエリ、MVPのフランチェスコ・トッティとパベル・ネドヴェドがレア化。トッティとヴィエリはIT、ネドヴェドはISでも選出されている。 - 2004-2005
参加国拡大によって、レアカテゴリーは、ゴールキーパー、ディフェンダー、セントラル、サイドアタッカー、ストライカーと、ポジション別に5人を選出する方式に変更。また、ポジション不問で高い技術を持つとされる5人をクラックとして選出。
MVPも、FIFA選定版とUEFA選定版の2種類に変化。当時、FIFA選定版はロナウジーニョ、UEFA選定版はシェフチェンコの受賞を反映させている。 - 2005-2006から2008-2009まで
選出方法は前シーズンと同じ。セントラルがミッドフィールダーへ、サイドアタッカーがウィングフォワードへ改称された他、クラックとは別に、絶対的な存在感と技術力を併せ持つ選手5人を選出するバンディエラ、若くから所属チームや代表に欠かせなくなった5人を選出するヤングスターが新設された。
また、2008-2009では、FIFAの選定を基にベストイレブンが復活した。 - 2009-2010
ポジション別での選出ではなく、ゲームに参加している9ヶ国の、南アフリカワールドカップ当時の代表チームから、スーパースターズと称して5人を選出。さらに、日本代表からも特別に16人を選出している。
MVP枠は、ワールドカップMVPのディエゴ・フォルランと、バロンドールのリオネル・メッシがあてられている。 - 2010-2011
ポジション別の選出が復活し、ゴールキーパー以外の守備陣がセンターバックとサイドバックへ、中盤がディフェンシヴ、セントラル、オフェンシヴ、サイドアタッカーへ、前線がセカンドストライカーとセンターフォワードへと細分化。
また、2011年のアジアカップ優勝記念として、当時の日本代表から16人を選出。ただし、今回の日本代表は雑誌付録同様の特殊黒扱いなので、たとえば、川島、本田、長友、内田、岡崎にプジョール、ピルロ、メッシあたりを混ぜてもU-5R判定という編成も可能である。 - 2011-2012
02-03のように、選手の出身地をヨーロッパとその他地域で分けてスーパースターズとして選出。またかつてのヤングスターに相当するU-23スーパースターズも用意されている。日本代表チームも引き続き特殊黒扱いで出演。 - 2012-2013
ポジション別の選出に戻り、ヤングスターとバンディエラも復活。
また、ヤングスターに相当する年齢こそ過ぎたが、当該シーズンで大活躍して初出演をつかんだ選手に、ライジングスターなる新カテゴリーが与えられている。
ver.2では前シーズンのワールド・スーパースターズ枠が再録されたほか、10-11以降黒カードでの出演が続いていた日本代表が、全員白カードでの出演に変更。日本人かつ白限定のチーム編成がついに可能となる。 - 2013-2014
MVP、バンディエラ、ヤングスター、ライジングスターの他、計11ヶ国から4選手ずつをスーパースターズとして選出。非レア代表チームも引き続き排出され、選出が重複した選手も少なくない。
ver.3にあたる14-15OEでは、各出演クラブの主力選手を、スター・オブ・ザ・クラブなる新枠でレア化。 - 2015-2016
MVP、ヤングスター、ライジングスター、各国代表内レア枠、スター・オブ・ザ・クラブに加えて、欧州主要リーグMVP選手を表彰するプレイヤー・オブ・ジ・イヤーと、フリーキックやPK阻止といった一芸が目立つ選手を対象としたスペシャリストを新設。ver.3では、リオデジャネイロオリンピックに参加した日本代表チームの選手も全員白で出演。 - 2016-2017
ポジション別の選出と、ライジングスター、プレイヤー・オブ・ジ・イヤー。MVPは、南米国別選手権MVPのアレクシス・サンチェスと、欧州国別選手権MVPのアントワーヌ・グリーズマン。ヤングスターのレアリティが白相当へと変更されているが、実際にゲーム内で白扱いになるのは16-17以降の排出分のみ。
ver.2で、各クラブの攻守の要となる選手を対象として特別な好連携を可能とするベスト・ユニットが追加された他、ver.3では、2017年のJ1リーグ参加クラブから各ポジション1人ずつを選出。 - 2017-2018
基本ラインアップは昨季と変わらないが、日本代表チームがなくなり、代わりに16-17 ver.3から引き続き2017年のJ1クラブ所属選手が4人ずつ登場。ver.2までで排出が止まったものの、在籍しばりは可能である。
レジェンド
2002-2003から追加された上級レアリティ。セリエAクラブへの所属経験があり、02-03シーズン当時はイタリア国外で活躍していた現役選手を対象に選出。
カルチョ時代の在籍クラブの現状や、選手の実状は問われないため、イタリアでは目立った活躍を残せなかったパトリック・エムボマが選出されていたりする。
02-03 ver.2では、カルチョで活躍し、当時引退済またはキャリア終盤にさしかかっていた選手を対象としたオールタイム・レジェンド枠が増設された。
2004-2005での一時休止をはさみ、2005-2006では、出演クラブに長年在籍している選手の全盛期を数値化して収録。
さらに、2006-2007では、往年の名選手を対象としたキング・オブ・レジェンドを増設。現在、ペレ、ボビー・チャールトン、ディエゴ・マラドーナ、ヨハン・クライフ、フランツ・ベッケンバウアー、アルフレッド・ディ・ステファノ、エウゼビオ、リカルド・サモラ、ジュゼッペ・メアッツァの9人が選出されている。
2007-2008、2008-2009では、オールタイム・レジェンドのみの選出。
2009-2010は日本代表に特化されており、代表引退を表明後、2010年現在で現役を続けている選手を対象としたJレジェンドと、2010年現在で現役生活自体を終えている選手を対象としたJオールタイム・レジェンドが排出される。
2010-2011以降は再度オールタイム・レジェンドのみの選出となっているが、現役時代にも出演経験のある選手がATLEで再登場する例も珍しくなくなった。
2012-2013では、新たにヒストリー・オブ・レジェンドを追加。レジェンド選手1人に対して、ブレイク前後、全盛期、晩年など、時代を区切ってそれぞれデータ化したもの。第1号にはロマーリオが選ばれた。ver.2では、選手のサインも印刷されたサインド・オールタイム・レジェンドが増設され、その第1号にはボビー・ムーアが選ばれた。
2013-2014のHOLEは、選手個人ではなくワールドカップに主眼が置かれ、1990年のドイツ優勝の原動力となったローター・マテウス、2002年のブラジル優勝に貢献したカフー、2006年のイタリア優勝時の主将で、バロンドールも受賞したファビオ・カンナヴァロという構成になっている。
2015-2016 ver.3からは、出演クラブで多大な人気と功績を誇る選手を対象としたレジェンド・オブ・クラブと、編成上は白扱いになるオールタイム・レジェンド-レギュラーも追加。
2017-2018で、ベストユニットのレジェンド版にあたるレジェンド・ユニットが登場。ver.3では、Jオールタイム・レジェンド-レギュラーが追加され、Jリーグで活躍した選手たちが多数登場。2017年当時はJ2にいた東京ヴェルディ1969から北澤豪、ジェフユナイテッド市原・千葉から中西永輔、大分トリニータから西山哲平も選ばれている。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- セガ
- サカつく
- パニーニ - イタリアのトレーディングカード会社。本作のカード製造で提携。
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