まんこ二毛作 (――にもうさく) とは、若い頃に自らの意志で性産業への従事等をしていた女性が後年になり性搾取されていたと主張して活動することを、批判的に揶揄する言葉 (インターネットスラング) である。
お笑い芸人の浜田雅功(ダウンタウン)による不倫が報じられた影響でピクシブ百科事典の「まんこ二毛作」の記事(魚拓)がTwitter上で話題になり、その記事が編集合戦の後削除されたことでも知られている(後述)。
概要
「二毛作」とは、簡単に言うと同じ田畑で1年の異なる時期・季節に2種類の作物を栽培する農法のことである。歴史の教科書とかで知っている人も多いのではないだろうか。
ここから転じてまんこ二毛作とは、二毛作の如く、若い頃には若さゆえの性的魅力を生かして(グラビア、AV、風俗、援助交際、パパ活等で)自らの意志でお金を稼ぎ、歳を重ねて性的魅力が無くなったら性産業の経験を使って「性搾取の被害を受けていた」として出版活動や政治活動等を行うことで更にお金を稼ぐ(所謂「被害者ビジネス」)ということを言いたいのである。
ここで批判している点は、自らの意思で性を使ってお金を稼ぐことを選んだのにもかかわらず、後年にそれをそっちのけにして自らを被害者と位置づけてお金を稼ごうとしていることがダブルスタンダード的であるということだろう。
主な事例として、2016年8月11日~21日に開催された「私たちは『買われた』展」の炎上がある。
インターネット上では、この「まんこ二毛作」という表現とそこに含まれるニュアンス、および言動についてTwitter上のフェミニスト(所謂「ツイフェミ」)とそれに敵対するアンチツイフェミが対立しているが、双方にそれがアイデンティティになっている極端な人(男性差別主義者や女性差別主義者、極左極右の類い等)が含まれていることもあってか事態は混迷を極めている。
なお、「まんこ」という表現上、女性侮蔑・差別的な意味が含まれると取られる可能性もあるので、「まんこ二毛作」とされる行為を批判するにしても、当たり前であるがこの言葉自体の使用には注意が必要である。
起源
Twitter上での初出は、2015年6月9日にされたツイート(魚拓)であるが、これは前述の様な意味で使用されているものでは無かった。
その約5年後の2020年6月16日、別の人物によって「韓国のアレ(慰安婦)もそうだけど、自分で性を売り物にした女が売れなくなったら搾取されていたと主張するまんこ二毛作、被害者意識で人からカネをせびろうとする人間ってのはここまで醜いのかと思いしらせてくれる」というツイート(魚拓)がされ、これがウケたのか一種のパワーワードのような形でTwitter上で徐々に広がった。
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https://twitter.com/ryoma_v2/status/1272664619912318976
また、同年の6月17日にツイートされた「パパ活で稼げなくなったら「私達は買われた」で稼ぐ“まんこ二毛作”本当に好き」というツイート(魚拓)は、7千件以上のリツイートと2.8万件以上のいいねを獲得するに至っている。
なお、私たちは『買われた』展をまんこ二毛作の観点から批判する一連のリプ上で現れた以下のツイート(魚拓)は、まんこ二毛作の初出とみなされることがあるが誤りである。
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https://twitter.com/barubarumi/status/1273110289748287490
浜田の不倫報道からピクシブ百科事典まで
2023年2月16日、週刊誌の「FRIDAY」は、お笑い芸人の浜田雅功(ダウンタウン)がパパ活不倫をしていたと報じた。この記事ではその不倫相手である女性が情報提供をしていた。
この情報提供に関して不倫相手の女性が「パパ活で金をもらい、そのあとに週刊誌に情報売って金をもらった」と受け止められ、まんこ二毛作として批判が出た。その影響で、17日の朝には「まんこ二毛作」がTwitterトレンドに入る事態になった(ツイート魚拓)。
その中で、上記のようなツイートで取り上げられたこともあってか、ピクシブ百科事典に以前から存在した「まんこ二毛作」の記事が注目を浴びることになる。
当該記事は、まんこ二毛作という行為について批判的な観点に基づいた内容になっていた(元々が批判ワードであるのでそれは当然だが)。この記事が注目をあびたことによって、反転してまんこ二毛作を批判する側を批判するこれまた偏った内容に書き換えられたりし、荒らしを伴う編集合戦に陥った。その結果、この記事は削除された。
この一連の騒動はフォロワー数150万越えのツイッターアカウントに取り上げられて、該当ツイート(魚拓)は1000万回以上表示され、まんこ二毛作はTwitter上で幅広く知られることになった(ストライサンド効果)。
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https://twitter.com/takigare3/status/1627597908693651460
ピクシブ百科事典では記事が削除されたことで、消したら増えます理論で類似の内容の記事が増殖することになった。なお、これに関しては普通に荒らしであるため褒められた行為ではない。
更に、ピクシブ百科事典と同じく百科事典サイトのこのニコニコ大百科にも、新たに「まんこ二毛作」の記事が作成された。それがこの記事である。作成されてすぐに急上昇ワードにあがったが、数時間後に左カラム上の掲載からは除外された。
なお、本記事の初版の内容にはピクシブ百科事典の記事からの転載が含まれている状態であったが、現在は書き換えられている。
まんこ二毛作法?
不同意性交罪をまんこ二毛作法と考える人がいる。この法律を悪用すれば、性産業やその後の被害者ビジネス活動でなくても、例えば通常の交際でまんこを使って結婚を獲得、その後に手のひら返しで「同意していなかった」と位置付けることで、親権・慰謝料・養育費を獲得する二毛作スキームが共通しているという指摘である。実際に「セックスの事後に起こるレイプ」も珍しくないと言われている。つまり、セックスしたのにそのあと男が付き合いに消極的なので、「そういうことなら同意しなかった」と女が訴える事例である[1][2]。
法制審議会での議論においても「意思に反して」だけを構成要件とした不同意性交罪について、刑事弁護を手がけてきた弁護士などは、「内心そのものを処罰要件にすると冤罪リスクはさらに高まる」「『意思に反し』という要件だけで性犯罪が成立するとなると、本来は同意があったのに、結婚の破断後に「同意していなかった」と訴えられるケースが考えられる」などと述べている[3]。
よく言われることであるが、「後から訴えるような相手とセックスしなければいいだけ」であるならDV問題も「殴るような相手と付き合わなければいいだけ」で解決されるわけである。また、刑事司法の大原則として「疑わしきは被告人の利益に」というものもある。こうしたことがあるものの、この法律が実際にまんこ二毛作法として運用されていく可能性もあるので、注視していく必要がある。
余談
ピクシブ百科事典の記事では、記事の冒頭にトイストーリー名言botによるツイート(魚拓)の引用が掲載されていた。内容は、ブラックユーモア的にまんこ二毛作を批判するものである。
女さん「あぁ~ん♡女に生まれてよかったぁん♡おっさんに股開くだけで金もらえてキモチェ!!wwwwww」
数年後
女さん「──私達は買われた。」
関連項目
脚注
- *ティモシー・ベイネケ (1988) 『レイプ・男からの発言』、pp.245-7、鈴木晶 幾島幸子訳、筑摩書房
- *牟田和恵 (2013) 『部長、その恋愛はセクハラです』、第5章、集英社新書
- *リベラルがリベラルと対立する時代 週刊プレイボーイ連載(543) – 橘玲 公式BLOG
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