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日が沈む すべて終わる この先は 闇の力
闇を払い真実を知る時、貴方は耐えられるだろうか?
この闇を恐れず地獄に堕ちる覚悟があるというのなら真実を伝えよう。
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このPVの真実を知りたい
日が沈む すべて終わる
ここまで説明してきたPVとしての解説は、とある構成によりある意味ほとんど意味がない。 この動画を視聴して大多数の人が思うPV本編は、壮大なフェイクPVだからである。
まさに注目しなければならないのは冒頭の「日が沈む 全て終わる この先は 闇の力」の歌詞である。 「日が沈む全て終わる」とは、全て(PV本編)が終わる事を意味する。 つまり、この歌詞の前にあるイントロ部分でPVが完結しているのだ。そして続く「この先は闇の力」、日が沈んでこの先は闇と来れば夜の事になる。 気づいただろうか?このPVに夜のパートがあったことを。PV終盤の夜の宴会の事だ。 つまり、この歌詞はイントロでPV本編が終わり、終盤の夜の宴会へと続くと暗示している。冒頭の歌詞から最後の宴会にPVが飛んでいたのだ。
地霊殿から非想天則までの本編と思われている歌詞部分のPVは歌詞にある通り「何もない本当の自由な空間」になる。自由なので、自由にキャラを配置できる。この構成を前提としてBad Apple!!PVの補完を自由に作っていた。そのため東方projectの歴史とは違うアリスの罠が仕込まれていたのだ。イントロ部分以外の歌詞部分は本当に自由に構成できるので、この構成のヒントの為に東方projectの歴史とは違う出来事をあえて入れていたのである。自由な空間はこのPVを制作する者にとって自由となり、どんなPVでも制作できるようになっている。Μμさんが言っている小町に絞ったPVも制作可能であり、この字コンテに囚われないでPVを作る事も可能なのである。更にぶっちゃけると東方projectのPVである必要もないのだ。つまりなんでもありなのである。この幻想郷では常識に囚われてはいけないのですね!その上でΜμさんはBad Apple!!の補完PVを制作していた。PV内に自由な空間を作ってしまう発想は真に鬼発注と呼べる物でありΜμさんの本領発揮である。
が、逆に言えば歌詞部分の自由な空間の考察はほぼ意味がないという事も出来る。自由な空間はどんなPVを作っても良いコンテなのだ。つまり、Μμさんも触れている6分以上も長いPVの大部分は、どんなPVになるかはPV作者次第である。このコンテに忠実でも良いし、全く無視しても良い構成なのである。
なぜこのPVの解説がほとんど意味がないと冒頭で言及したのか理解できただろうか?そこで『本当のPV』であるイントロの登場人物に注目してみる。小野塚小町と四季映姫・ヤマザナドゥ、稗田阿求の三名がいる。 ここで注意しなければならないのは稗田阿求の編纂している幻想郷本「幻想郷縁起」の存在だ。 『幺樂団の歴史』CDジャケット絵キャラである稗田阿求とその子孫が登場する事により、PV内でかなりの歴史が進んでいるのが分かる。そして「幻想郷縁起」のアップと東方projectの場面のフラッシュバック。 これは、東方projectの出来事が既に「幻想郷縁起」に記されている事を意味し、東方projectの歴史そのものである。その後の歌詞「すべて終わる」。────お分かりいただけただろうか?Μμさんは恐ろしい事をやっていた。イントロでの短い間に、東方projectの歴史全てを包括して終了させているのである。 この先どれだけ東方projectの歴史が進もうともこのPV上では全て終わっていることを示す。
いま現在進行している東方project作品が全てイントロに入っており、そして将来出るであろう東方project最終作品すら構成に含まれている。つまり、現在過去未来、全ての東方project作品がイントロのPVに入っている究極の東方project PV。ファンの心理として、東方project作品の終了は一番の悲しみだと思われるが、それをΜμさんは表現していたのである。
手描きの情報量が少ない事を逆に利用して、東方projectの歴史を全てイントロに入れてしまうこのセンスは恐ろしいもので、極端な話、本当に東方project作品が終了しなければこのPVは完成しない。今現在、完成させる事の出来ないPVだったのだ。だが後述するが、『裏技』はあるのである。
いかに構成が優れていても、込められた意味を解読しなければ全体の評価は出来ない。ここでΜμさんも触れている核心部分、小町と映姫の対面している人物を解読してみよう。全ての東方projectの歴史が包括されているイントロPV。 その最初と来れば、東方projectの歴史が始まる頃の出来事と取れる。つまり、小町と映姫は『とある死者』を東方projectの歴史の最初期に『地獄』に送った事となるのだ。 その人物とは、東方project1作目「東方靈異伝」に登場する「魅魔」の事であると推測できる。 魅魔は東方靈異伝『地獄』ルートに登場する悪霊であり、このEnd of Daylight原曲が出た東方封魔録のラスボスである。つまり、冒頭の小町は魅魔が死んで三途の川を渡る場面になる。小町と映姫に会った魅魔※は『地獄』に送られ、東方靈異伝の地獄ルートで霊夢と対峙したのだ。 この出来事から最初の小町は、東方靈異伝前の時系列=東方projectの歴史の前と解釈できる。つまり、東方projectが始まる前の歴史から、東方projectが終わるまでの歴史を全てイントロで包括しているPVなのだ。この構成を成立させるために、歌詞の自由な空間で、うpされた当時の全東方project作品を入れる必要があった。だからこそ、PVの中盤で霊夢を主人公に東方靈異伝からの東方project作品が自由な空間に入っていたのだ。
※魅魔と小町達が会っていたかどうかは公式に設定は無いが、魅魔が死んで地獄に堕ちた時、幻想郷担当の小町達と会った可能性はある (幻想郷以外の場所で死んだ可能性もあるので、あくまでも2次設定だという事に留意したい)。
ループ演出はΜμさんの特徴の一つだ。制作したPVの最初の場面と最後の場面を繋げるbad Apple!! PVと同じ演出である。PVの一番最後に出てくる魅魔と一番最初に出てくる小町が会合しているのは、流石というべきか。最初明羅が一番最後に来るようになっていたと思われる(ΜμさんのTwitterで明羅と小町を向き合おうとさせたという趣旨のツイートをしている)が、魅魔と小町を向き合わせるため最後の一文を入れたようだ。
しかし、ここでΜμさんは大きな誤算をしていた。
前作Bad Apple!!PVの存在である。 このPVの存在により、End of DaylightPVはΜμさんも予期しないPVへと変貌を遂げる。
前作Bad Apple!!PVは東方幻想郷から東方地霊殿体験版までの時系列があった。このPVの続編だとすると、東方地霊殿以降の時系列から始まると考えるのが自然だ。 そして、東方地霊殿の後の作品で小野塚小町が出てくる作品がある。 このPVにも出てくる当時の最新作、東方非想天則だ。これにより、このPVは更に凶悪な顔を見せる。本編と思われたイントロ部のPVすら夢オチとなるのだ。
仮に最初の小町が東方非想天則だとすると、当時の最新作であり、 その後の東方projectの歴史がまだ無い(現在では東方非想天則以降の作品が出ているので当てはまらないが)事となる。 当時無かった東方projectの歴史PV。 つまり歴史のタイムパラドックスになり、誰もPVを作る事が出来ない(東方projectの作者であるZUNを除く)。 しかし、この問題を解決する方法も東方非想天則にはある。紅美鈴ストーリーだ。紅美鈴のストーリーは最終的に夢オチとなる。 夢なら歌詞にある通り自由な空間となりえるので、このPVも制作可能になるのだ。これが先ほど言った『裏技』だ。イントロ部分を夢オチとするのなら、どんなPVでも制作可能となる。つまり、最初の東方非想天則の小野塚小町以外全て自由な空間にできる。どんなPVを作るのかは全てPV作者の思いのままなのだ。
これにより小町と向き合っているキャラは魅魔ではなくなってしまう。小町の時系列が東方非想天則となり、東方非想天則に魅魔は登場していないからだ。 そうなるとこの場合、小町と向き合っている死者は誰になるのだろう?お忘れだろうか?小町と向き合っている人物がいるのである。
このPVの視聴者だ。
つまりこのPVを見ているあなたが小町と向き合い、地獄に送られているのだ。凶悪と表現した理由が理解できたとしたら幸いである。
構成の項目で説明した通り、本来は東方projectの歴史を全てイントロで包括しているPVである。 イントロと終盤の宴会以外の歌詞の部分は自由な空間なので、PV作者が自由に制作できるようになっている。現在進行形で現東方project作品全てをイントロ部に入れる事が出来、東方project作品が完了しなければ完成しない究極と呼べる字コンテPVだ。字コンテの情報量が少ない事を逆手に取り、時系列を一旦イントロで終了させ、自由な空間を創り出すことでBad Apple!! PVの補完を可能にしていた構成の才能と、全ての東方project作品をイントロ部に入れてしまう発想は本当に鬼才であり、Μμさんのセンスが本物だと言える作品である。
が、Bad Apple!!PVを前提とするとこれ以上ない酷いPVとなるのだ(夢オチは自由度が高いが、視聴者を裏切るPVと言える)。小野塚小町は仕事をサボる事で有名であり、夢オチPVの主人公として小野塚小町は紅美鈴と並ぶ相応しいキャラなのが偶然とは言えこのPVの評価を下げる(上げる?)原因となっている。
この字コンテは前作Bad Apple!!PVの補完としての役割を果たすために作られたのだと思われるが、それが災いしてここまで180度方向性の違うPVとなるのは皮肉と言うかなんというか。 なお、このPVのまとめとしては、イントロ部すら夢オチという凶悪なPVなので評価することは難しい。 Μμさんの意図通りならば、東方projectPVとして究極とも言えるこれ以上ない評価となるが、苦労してPVを作った絵師さんにとっては、 Μμさんが意図しなかったとは言え夢オチPVとなるこの字コンテは、最悪と評価されても仕方がないコンテとなる。 つまり、才能が突出しすぎたため、毒になってしまった薬というような評価をしたい。 Μμさんの名誉のために付け加えるが、最初、動画説明文にて、「Bad Apple!!があったから」作ったと説明していたが、小町が非想天則に当たると指摘され撤回している。 あくまでもΜμさんの想定外だったという事を念頭においてほしい。
Μμさんの意図通りならば最高の字コンテであり、Bad Apple!!PVを前提とすると最悪な字コンテなのである。この二面性がまた面白いと思われる。
彼女が泣いていた…。とても辛そうに…。とても悲しそうに…。
実はこのPVにはもう一つ解釈がある。「日が沈む すべて終わる この先は 闇の力」=「死」である。小野塚小町の種族を思い出してほしい。死神であり、「全て終わる」は死を暗示していると解釈できてしまうのだ。そう、視聴者を本当にあの世へ誘うPVだ。まだ夢オチと解釈していた方が幸せだったのかもしれない。一番最初に登場する死神、小野塚小町に誘われて三途の川を渡り地獄に送られたのは、あなただったのかもしれない。少なくとも編集者はこのPVの小野塚小町に誘われ、臨死体験をしている。このPVの真に恐ろしい所は、本当に深刻な事態を招くほどの天才的な構成と、人を狂わせるほどの素晴らしいセンスなのである。
────小野塚小町が泣いていた。とても辛そうに…。とても悲しそうに…。このイメージは、編集者を地獄に叩き落した。小野塚小町が泣いていた理由を理解していただけただろうか?彼女の時系列がΜμさんとの想定とは違う東方非想天則の小野塚小町という矛盾をきたし、あなたを死に誘うPVとなってしまったEnd of Daylight PV。それを悲しんで泣いていたのである。
このEnd of Daylight PVに登場する小野塚小町の本来の時系列とBad Apple!! PVの時系列の続編としての矛盾、そして小野塚小町の涙の意味を知った時、あなたはどう思っただろうか?本当に悲しそうに泣いていた彼女がそこには確かに居たのだ。このPVが視聴者に真の不幸を招かないよう祈るばかりである。
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