ゴ・バダー・バとは (ゴバダーバとは) [単語記事]

ゴ・バダー・バとは、特撮ドラマ『仮面ライダークウガ』に登場する怪人の1体である。俳優は小川信行。

概要

バッタ種のグロンギで、最上位集団「ゴ」に所属する。ズ・バヅー・バとは双子の兄の関係であり、容姿も酷似している。排煙を苦手とする点も同一。しかし弟に対する情は一切無い。風にたなびくスカーフに、バイクを乗りこなすなど仮面ライダーを意識した意匠が見受けられ、中盤から終盤にかけて登場する強敵ポジションである。ゴ集団の中でもかなりの実力者で、リーダー格のゴ・ガドル・バからも一目置かれている。

愛車のバイクはバギブソンと言い、移動のみならず戦闘にも使用する。推定最高速度は400km/hと目され、並みのマシンはおろかトライチェイサー2000ですら敵わないモンスターバイク。普段は通常のオフロードバイクだが、バダーが持つ装飾品が刺されるとバギブソンに変化する。バギブソンを日本語に訳すと「ナイクロン」となり、初代仮面ライダーが乗っていたサイクロン号を意識した名前となる。

初登場はepisode21「暗躍」。ゲリザギバスゲゲル準備のため、ズ・ゴオマ・グにゴ集団の武器を長野県から持ち帰らせていたが、最初に出土したのがゴ・バダー・バの物だった。東京に居るヌ・ザジオ・レによって修復され、それを取りに来る形でアジトに姿を現した。しかしまだ部品が足りなかったようで、再びゴオマを使いっ走りにしている。弟同様硬貨に興味を示しており、コイントスを繰り返す癖がある。一番最初に登場したゴ集団であり、ズからメにかけて活動したメ・ガルメ・レに代わるゲゲル見守り要員と言える。この話の最後にクウガへ挑みかかったのを皮切りに、ちょくちょく妨害に現れるようになる。

episode27「波紋」では、文京区のみずさわウォーターパークに向かう途中の雄介に襲い掛かり、バイクチェイスを展開。廃工場へ追い込んだのち、バギブソンをお披露目した。一進一退の攻防のすえ隙を突いてクウガを突き飛ばし、衝撃で漏れたオイルに火花が引火してクウガを爆発の炎に巻き込んだ。episode29「岐路」において、ゴ・ガメゴ・レのゲゲルを間近で見物。ラ・ドルド・グの横で「ガメゴのゲゲルは進んでいるか？」と問うた。見届けた後は満足げにバイクで去っていった。

ゲゲル

ゲゲル内容:7時間で、鋼の馬(バイク)に乗ったリントを引きずり降ろした上で99人殺害する

episode31「応戦」で、バダーにゲゲルの番が回ってきた。ラ・バルバ・デから開始を告げられた時、「サブショグザ(楽勝だ)」と返している。リーダー格のゴ・ガドル・バは重苦しい表情でバダーを見送っており、ガドルからも実力を警戒されていたようだ。

複雑なルールにも関わらず、あっと言う間に6人を殺害。ここで警視庁未確認生命体対策本部に気付かれるが、行動を起こされる前に港区で7人目(演じたのはクウガのスーツアクター富永氏)を殺害。殺人には終始バギブソンを使っており、じわじわと弱らせてから絶命させていた模様。同じく港区内で8人目を殺害するも、クウガと一条刑事に追いつかれて追跡を受ける。クウガのトライチェイサー2000が金属疲労を起こして本来の性能を出来ず、そこを突いて優勢に立ち回る。しかし一条刑事に狙撃された事がきっかけで、第6号(ズ・バヅー・バ)同様に排煙が苦手という弱点を掴まれる。

バギブソンに乗っているため移動が速く、しかも隣の神奈川県にまで進出したため警察側は神奈川県警への協力要請などで後手に回る。更に前回のゴ・ガメゴ・レ戦で爆発が周囲に甚大な被害を及ぼした影響で警察との連携体制が崩れ、クウガに渡す予定だった対未確認生命体用のビートチェイサーが急遽譲渡中止になるなど状況はバダー有利に傾いていた。警察とクウガが揉めている間、バダーは着実にスコアを加算していった。バギブソンの性能は非常に高く(最高速度400km/h)、並みのバイクでは逃げ切る事は不可能だった。こうして47人が殺害された。バルバからは「ゲリザギバスゲゲルに成功してザギバスゲゲルに進むのは、バダーか」と高評価を受けていた。ゴ・ジャラジ・ダは「どうかな」と否定されていたが。

一方、未確認対策本部は一条刑事主導の下、バダーの対策を練っていた。神奈川県警の協力を取り付け、爆発の影響が少ない三浦海岸にバダーをおびき出す作戦が始動。主要道路を封鎖し、特殊ガス弾を使ってバダーにコース変更を促す事となった。横須賀市内で神奈川県警の白バイ隊員に追跡を受けるが、バダーは肘打ちを喰らわせて引きずりおろすと、隊員を轢殺した。入れ替わりで雄介が追跡を開始し、津久井浜でバイクチェイスとなる。岩肌で両者は激しくぶつかり合うが、双方ともにバイクから落下。すかさずバダーはトライチェイサーを奪ってクウガを攻撃しようとするが、これまでの激戦で蓄積された金属疲労で限界を迎えて故障。役に立たなくなったトライチェイサーを捨てると、クウガに「お前を殺すのは一番最後だ」と言い残して去っていった。雄介に「信じられないくらい強い」と言わしめた。

その後も着々と殺人を遂行。対策本部は逗子海岸への誘導に変更し、神奈川県警の白バイ隊員が葉山町の桜井刑事率いる狙撃班のもとへ誘導を試みる。しかし眼前で白バイ隊員はバダーに殺害され、失敗。遅れて到着した雄介が量産型トライチェイサーを借り、追跡。途中で駆けつけたゴウラムに掴まり、空からペガサスフォームの狙撃を受けるも、これを全弾回避する離れ業を見せ付けて振り切った。

犠牲者は遂に98名となり、中間報告では闇に隠れるン・ダグバ・ゼバに「次はあんたを殺す」と宣戦布告した。だがこの中間報告に行ったのが仇となり、桜井刑事の狙撃班に先回りされる。バダーが到着した時には次の誘導地点である厚木方面に行かせるため、布陣を完了していた。強化ガス弾をしこたま撃ち込まれ、匂いを嫌ったバダーは対策本部の計画通り厚木方面へ逃走した。その先ではクウガと、新たに受領したビートチェイサーが待ち構えていた。最後の獲物であるクウガを見つけたバダーは早速戦闘を開始、クウガと熾烈なバイクチェイスを繰り広げる。しかし新型のビートチェイサーに性能が及ばず遠く突き放されてしまい、先にバイクから降りたクウガのライジングマイティキックを受けバギブソンから落下。それでも立ち上がりクウガへ近寄ろうとしたが封印のエネルギーがバックルに達し爆発・死亡した。

ゴ集団の中でも相当な実力者だったらしく、バダーのゲゲルに限り終始冷静沈着だったゴ・ガドル・バが焦りを見せている。またバダーのゲゲル失敗により、ン・ダグバ・ゼバは弱小グロンギの整理を開始している。

余談

バダーのスーツはズ・バヅー・バのスーツを改造したものである。
第27話「波紋」の次回予告では、ゴ・ベミウ・ギとともにクウガを攻撃するシーンがあった。しかし撮影スケジュールの都合でカットされ、それに伴ってベミウ戦の流れも変更されている。バダーがバイクを降りて戦う希少なシーンだけに、勿体無い。
赤いスカーフに、サイクロンをもじったバイク(バギブソンを現代語に訳するとナイクロンになる)、次回予告のみで使われたライダーキックのような技など随所に初代仮面ライダーを意識したような要素が見られる。