ジンギスカンとは、羊肉(ラム・マトン)を野菜と一緒に専用の調理器具(ジンギスカン鍋)で焼いて作る焼肉料理である。
北海道や岩手県遠野市、長野県などで郷土料理として食されている。
特に北海道では一家に一枚ジンギスカン鍋があると言われるほど一般市民に浸透しており、花見や歓迎会など事あるごとに食材と鍋を持ち寄ってバーベキュー感覚でジンギスカンパーティー(略してジンパ)を催す光景が見られる。
使用される羊肉はその多くがオーストラリア・ニュージーランドなどの海外産で、ラム・マトン共に使われる。国産の羊肉を使用する場合もあるが、流通量が少なく基本的に高級品である。
野菜はもやし・たまねぎ・ピーマン・にんじんなどが定番。〆にうどんを投入してもおいしい。
ジンギスカンの起源については、かつて俗説として「モンゴルの英雄チンギス・ハーンが兜で羊肉を焼いて食べた」のが始まりと言われていたが、当時のモンゴルにジンギスカンのような料理があったという事実はなく、今日では疑わしいとされている。
では、ジンギスカンはどのようにして生まれたのだろうか。諸説あるが、有力なものとして中国の烤羊肉という料理が原型という説がある。烤羊肉は調味料に漬け込んだ羊肉をネギと一緒に炒め、パクチーを加えて食べる料理で、これが日本人向けにアレンジされて伝わったのが始まりだという。ちなみに、この料理にモンゴルの英雄にちなんで「ジンギスカン」と名付けたのは、札幌農学校出身で当時満州鉄道の社員だった駒井徳三であるとされている。
日本で最初のジンギスカン専門店は、かつて東京にあった「成吉思荘」とされている。北海道では大正時代から一部で羊肉が食する試みはあったが、当時は羊肉の調理法が未発達であったことから、独特の臭みのある羊肉料理は広まらなかった。戦後になってから味付けジンギスカンなどの調理法の確立や専用タレの開発により羊肉が手軽においしく食べられるようになり、北海道で爆発的に普及していったと考えられている。
中央部が盛り上がった「ジンギスカン鍋」と呼ばれる調理器具を用い、中央の盛り上がった部分に羊肉を、外周部分に野菜を乗せて焼く。こうすることで、臭みのある羊肉の脂部分を流しやすくするのと同時に、外周部分に流れた肉汁が野菜にしみ込んで食味が増す。
羊肉の調理法については、あらかじめタレに漬け込んでから焼く「味付け」と、焼いてからタレに漬ける「後付け」がある。味付けジンギスカン発祥の地とされる滝川市やその周辺地域では味付け派が多いと言われている。
例外的に、名寄市を中心とした道北の一部地域では、具材をタレで煮込む「煮込みジンギスカン」が食されている。
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最終更新:2025/05/18(日) 10:00
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