ドルフィンブルー (dolphin blue) とは、「イルカ」を指す英語「ドルフィン」 (dolphin) と「青」を指す英語「ブルー」 (blue) を合わせた言葉であり、以下のような複数のものの名称として使われている。
- Dolphin Blue - イギリスのバンド「Ooberman」の楽曲。2001年リリース。
- ドルフィンブルー (Dolphin Blue) - 日本のアミューズメント企業「サミー」のゲーム。2003年リリース。
- ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ - 映画作品。2007年公開。
本記事では上記のうち2.のゲーム作品について記載する。
概要
「サミー」が2003年にアーケード(ゲームセンター等)用のゲーム基板「ATOMISWAVE」用のソフトとしてリリースした、横スクロールアクションゲームである。「ATOMISWAVE」自体が同年にサミーが発売したものであり、すなわち同基盤を盛り上げるための自社ラインナップのひとつであった。
ゲームの内容・プレイ感覚は『メタルスラッグ』シリーズに酷似している。『メタルスラッグ』でいうプレイヤーが乗り込む戦車がイルカに変わっていることが主な相違点である。「本作の開発はかつて『メタルスラッグ』シリーズを開発していたスタッフが担当した」という話もあるが情報ソースは不明。
主人公2名のどちらでクリアしたか、「勲章」を集めると上がっていく「階級」がクリア時にどの程度の段階にあったか、ワンコインクリアであったか、といった条件でエンディングに変化がある。
公式サイト内のQ&Aコーナー「おしえてドルフィン」の第2回「ハイスコア編」によると「速攻」がテーマになっているとのことで、スコアアタック時にはタイムアタックも推奨されている(クリアタイムがスコアに直結する)。
ストーリー
地表のほとんどが水におおわれた 海洋世界「アクアディア」・・・
かつて栄えた文明は海の底に沈み
人々は大自然と共存して日々を送っていた
突如勃興した『大鉄十字帝国』は
アクアディア統一を宣言すると、
武力による侵略を開始した
中小の周辺国家を制圧した帝国は
次の目標に『ブルーティア王国』を選んだ。
要塞に集結する帝国の大艦隊
一方、王国も義勇兵を募り、防衛体制を固めていた。
だが、帝国の作戦はすでに開始されていたのである・・・
海のお宝をサルベージして生活するシーピープルのエリオと正義感の強い王国義勇兵のアンは ブルーティア王国のアネット姫が強奪されたことをきっかけに、共に帝国と戦うことになる。はたして二人は無事アネット姫を助け出し、帝国の野望を打ち砕くことができるのであろうか?
(※公式サイト内「ストーリー」ページより引用)
後述するように、キャラクター設定の「人種」として「ベトナム系英国人」や「アフリカ系フランス人」などの実在の国の名称が使われている(これなら「人種」じゃなくて「民族」じゃないのか?という気もするが)。
また、地名として「旧蘇州の上海」が登場したりする。
よって、上記ストーリー内で触れられる「かつて栄えたが海の底に沈んだ文明」とは現在の我々の文明のことを指すのかもしれない。
キャラクター
プレイヤーキャラクター
- エリオ
- 青い髪をした15歳の少年。海に沈んだ遺物をサルベージしたりしつつ放浪する自由な海の民「シーピープル」の『ウルバーニ一家』に所属する元気少年。 姫誘拐現場に居合わせた事がきっかけで帝国軍と戦うことになる。青いイルカに乗る。
- アン
- ピンクの髪をした17歳の英国系人種の少女。持ち前の正義感からブルーティア王国の義勇軍に身を投じた。特技はイルカ乗り。ピンクのイルカに乗る。
敵ボス
- グスターボ・蛸沼 中佐
- ステージ1「強襲!大鉄十字帝国軍」のボス。帝國「三六艦隊」(サブロク カンタイ)所属、独立強襲部隊を指揮する隊長。タコ型強襲戰斗艇「襲遂」(シュウスイ)を駆る。
スペイン系人種の35歳。豪快だが情にもろく泣き上戸。叩き上げの軍人。エリートを毛嫌いしており、剣山II世とは犬猿の仲。逆に、大恩ある上官のチリンガロフ中将には心酔している。
- ジャン・フランソワ・剣山II世 大佐
- ステージ2「出現!巨大潜水艦」のボス。帝國「棘山梯團」(トゲヤマ テイダン)所属、陸戰突撃聯隊を指揮する聯隊長。巨大潜水艦「浮渦鰭」(フカヒレ)に部下とともに乗り込んでおり、自ら設計・デザインした六六六式歩兵掃討重戰車「怒螺旋琉」(ドリュウ)でブルーティア王国を蹂躙する事を待ち望んでいる。
アフリカ系フランス人種の28歳で身長2m超の大男。言葉遣いは丁寧だが、独特な美的センスを持ち、自らの外見や才能に自己陶酔している。所属する「棘山梯團」の初代梯團長を祖父に持つ、七光りバカ男。
- 紅 胡蜂(ホン フーフェン) 准将
- ステージ3「追跡!帝国軍輸送路」のボス。だが姫をさらう部隊の指揮もしていたため、ゲーム開始後すぐの冒頭から登場している。帝國「黄金蜂旅團」(キンパチ リョダン)所属、装甲軌道部隊を指揮する旅團長。八式強行輸送列車「黄金龍」(キンリュウ)で主人公らを抹殺すべく、旧蘇州の上海にある輸送基地で待ち受ける。
中華系人種で、年齢については自称「私は永遠に22歳よ、おほほほほ~」。本作のボスの中では紅一点。「悪の女幹部」のような外見通り高飛車で傲慢。しかし渋いおじさまが好みで、帝國連合艦隊司令官の「磯瓦 薫」(イソガワラ カオル)に激しい恋をしている。姫をさらう任務を自ら前線に出て担ったのも、磯瓦の気を引くため。
- ラジオン・チリンガロフ 中将
- ステージ4「激突!大艦隊戦」のボス。帝國「三六艦隊」(サブロク カンタイ)所属、潜水駆逐戰隊を指揮する戰隊長。カニのような姿の駆逐潜水艦「烈封」で主人公らを苦しめる。
- ロシア系人種で66歳。老練な軍人だが普段は温厚で面倒見がよく、蛸沼のような部下からの信頼も篤い。ただし腕のいい技術者でもあり、職人気質として頑固でもあり怒ると怖い。目をかけていた蛸沼をやられたことで復讐に燃えている。
- 鬼鋼院(キコウイン)・R(ルドルフ)・ヴィンツェンツ 元帥
- ステージ5「決戦!帝国要塞突入」のボス。帝國「亞地区方面軍」(アチク ホウメングン)の軍指令。ブルーティア王国侵攻の要として巨大要塞「斧士」を建造しており、そこで王国軍を迎え撃つ。自らのもとに到達した主人公らとは三八式局地迎撃要塞砲「斧嶽」の砲撃によって戦う。
- 日本系ドイツ人種で57歳。帝国の皇族の出で、現皇帝の叔父であり先帝の弟。現皇帝が幼少の折には摂政として政治を担っていたが、皇帝元服後は方面軍に左遷された。ブルーティア王国侵攻作戦の首謀者であり、侵攻を成功させることによる自らの復権を狙っている。目的のためなら手段を選ばない生来の悪人で、失敗した部下にも残酷な私刑で粛清を行うため恐れられている。
その他
- アネット姫
- ブルーティア王国の姫。ピンクの髪をした17歳の英国系人種の少女。大国の姫にふさわしく、大人顔負けの判断力と、弱者に手を差し伸べる包容力を兼ね備える姫であるという。趣味はドルフィンスイムで、かなりの腕前だとのこと(ブルーティア王国の王族や上流階級では、伝統的にイルカ乗りが一般教養とされている)。好きなものは「青真珠、ロイヤル ティー、親友」。
- メイ
- アネット姫付きの従者。ベトナム系英国人種の17歳の少女。幼なじみとして育ったため、姫とは単なる主従を超えた友情を育んでいる。好きなものは「熱々のミルクティー、日だまり、親友」。
- サト美
- ブルーティア王国の見習い衛生兵。日本系人種の15歳の少女。元気いっぱいで純情で仕事熱心だが、ドジでよく転んだりする。
- ミウラ
- ブルーティア王国の衛生兵。イタリア系人種の19歳女性。冷静沈着でサト美の先輩的立場だが、天然ボケなところがあって衛生兵の制帽をかぶっていないのもそのためらしい。
関連動画
関連リンク
関連項目